レベルって?
「ちょっと魔王様、魔王様」
「ん?どうしたの君?」
「勇者様って大丈夫なんですかぁ?」
「大丈夫ってどうゆう事?」
「いやね、洞窟内の物取ってくのは100歩譲ってわかるんですけど、」
「うんうん。」
「民家のまで取ってるって言ってましたよね?」
「言ってたねぇ。。。同じ人間同士なのにねぇ。正直ちょっとひいちゃた私。」
「でしょ。なんか勇者様の方が我々より悪人なんじゃないですかね?」
「ちょっと君、いいすぎだって。人間には人間のルールがあるんでしょ。」
「お~い、なにこそこそ話してるんだ?さ、今日も会議はじめるか。お前ら席につけよー。」
「えっと、前回はお互いの事理解しようって事で、勇者様が色々質問したんですよねぇ。」
「そそ。なんか色々分かったわ。そして俺が色々やらかしてたわ。。。」
「まぁまぁ、それが勇者さんのお仕事だったわけですし。」
「ですです、我々なにも恨んでませんよ。じゃぁ次は魔王様から質問してみてはいかがです?」
「そうだねぇ。ずっと気になってた事があって。」
「ほう、なんだ?言ってみろ。」
「はい。ずばりきいちゃいますね。レベルってなんですか?」
「ん?レベルはレベルだろ?」
「ん~我々魔族にはそんなものないんですよねぇ。。。」
「え?まじで?」
「はい。ちなみに勇者さん現在のレベルは?」
「たしか43とか、そんなもん。」
「へぇ~。43歳ってわけでもないですよねぇ?」
「あたりまえだわ!俺が43歳に見えるか?おっさんってか?あ?どっかのバラドルの表現か!」
「バラドル?」
「なんでもない、流せ。」
「いやいやいやいや。ほんと人間の見た目ってあんま区別できないんですって!!ただでさえ分からないのに、加齢を加えたらどうとか無理なんですよぉ。。。」
「レベルってのはだなあ・・・ん~。経験値が溜まると上がるんだよ。」
「ほうほう。経験値ですか。なんですそれ?」
「経験値ってのは字の通り経験した事の値だな。」
「ふむふむ。」
「あ~。魔王、おまえお茶いれるの上手いよな?」
「そうです!魔王様のお茶は世界いちぃいいいいいい!!っす。」
「ちょっと。照れるじゃない。」
「うん。でもな、それって初めから上手にいれられたわけじゃないよな?」
「そりゃそうですよ、勉強しましたもん。私。」
「うん。それが経験値と、レベルだな。魔王のお茶レベルは最初1だったのに今じゃ30とかだ。」
「あぁなるほど~。なんとなくわかりました。じゃぁうちの子の中にも戦闘訓練ばかりしてる子いるけど、彼は戦闘レベル高いってことですよねぇ?」
「ん~。練習じゃ経験値はいんないんだよなぁ。たしか。」
「え?私お茶は練習しかしてないですよ?」
「お茶はな。お茶はそうなんだけど、殺し合いの場合は経験値はいらない仕組みなんだよ。」
「仕組みですか。」
「そ。仕組み。」
「仕組み。」
「神が決めたルール?みたいな。」
「まぁ決まっちゃってる事どうにもならないんでわかりました。しかし、なんで魔族にはレベルないのかなぁ?」
「あの~、気づいたんですがいいですか?」
「ん?どうしたの君。どんどん発言していいんだよ?」
「はい、じゃぁ。殺し合いの場合は練習じゃ経験値はいらないんですよね?」
「うん。言ったとおりだ。」
「多分なんですけど、うちらって魔王様とか各部族の長とか以外って、レベル1なんじゃないですかね?」
「え?どうゆう事?」
「だってですよ。勇者様達は戦闘して殺して経験値貯めてレベルアップしてるんでしょ?」
「あぁ、そうだぞ。」
「ほら、魔族連中って殺されてるだけなんですよ。」
「あ。。。つもりこうゆう事?魔族は勇者さんとしか戦闘しない。毎回勇者さんが勝つから経験値がはいらない。入らないってか死んじゃってる。だからlvなんてあがらない、と。」
「残念ながらそうかと。。。」
「・・・・・・・・・・」
「ん~。俺、またやっちまってたか?」
「いやいや、お仕事なんですからって、このくだりはもう辞めときましょう。」
「ってことは、魔族のレベル上げるためには、魔族同士で、もしくは人間を殺して経験値を貯めるしかないってことっすね。」
「な~~~~んて野蛮な!!認めない!!魔王としてそんな事認めませんよ、私!!」
「ま、魔王さま落ち着いて!!」
「ふー!ふー!!」
「そうです、魔王様。ゆっくりです。ゆっくり深呼吸っす!!」
「ふーー!ふぅ。。。なんか、勇者さんのほうが野蛮ですよね・・・」
「・・・ごめん。俺もそう思えてきたわ。」