お金の不思議。
「おし、会議はじめっか。」
「おぉ、勇者さんやる気満々じゃないですか?」
「まぁあんな話きいちゃったし、理解できたしな。」
「勇者さん・・・・うるうる。」
「ま、魔王様。勇者様が・・・・うるうる。」
「やめろお前ら、二人して気持ち悪い。ってかお前、全部畳み終わったのかよ?」
「はい。ばっちりっす!!」
「でな、かくかくしかじかで、領土頂戴!!じゃ上手くいくわけないよな?」
「そうですねぇ。野菜取らないと死んじゃうから領土ください!!っても言えませんし。」
「そんなん言ったら人間に虐められちゃいますよね、魔王様。」
「まぁそこはさ、我々にも太陽は必要なのだ!!全ての生物で光をほっさぬ生き物などいようか!!とかかっこよく言っとけばいいんじゃない?」
「ちょっと君!!メモ。今の勇者さんの言葉メモしといてよ!!」
「はい!ばっちりっす!!まぁ深海魚は光いらないすけどねぇ。」
「っち。てめぇ。」
「あ、なんでもないっす!!」
「ダメだよ君。勇者さん怒らせちゃ。」
「色々方針決めるにしてもさぁ、魔族と勇者の戦いでお互いに分からない事とかあるだろ?」
「えぇ。こうやって勇者さんと話す機会なんてなかったですしねぇ。どの戦争も戦闘だけして終わってますからねぇ。まぁ全部魔王軍の負けなんですけどね!!」
「だからさ、ちょっと理解してこう。まず魔族ってなんだ?」
「そうですねぇ。闇に生きる者達ですかね!ククク!」
「あ、今そうゆうのいいからまじめに答えてください。」
「あ、はい。すいませんですぅ。魔族はですね地底世界で生活してる者達の事です。様々な形の者がおり、獣の場合は魔獣、人型に近ければ魔人と呼ばれます。魔獣の場合はそこらの獣と変わりません。言語は使えませんし、つがいで性生殖をし子孫を残していきます。一方、魔人の場合は、言語を使います。性行為をする器官はついてはいますが、生殖能力はありません。」
「お。おう。なんか長文きたな。」
「なにか?」
「いえ、続きをお願いします。」
「ではどうやって子孫を作るかというとですね、各部族の力のある者、魔力といっても良いでしょう。が、術によって卵を生成するんですねぇ。」
「おぉ。。。まじか。アメージングだなおい。なんか遺伝とか、術者の影響ってのはでてくるの?」
「はい、術はメインの術者とサブの術者で行われます。大抵男女で行われますけど、例外もあります。それで、各術者の考え方や能力が反映した卵ができますね。」
「そこらへんは人間と変わらないな。行為が違うかどうかだけか。」
「それで、各部族の村ですくすく育て、地上に向け、勇者をぶっ殺しに旅立つわけですねぇ。」
「おい、今ちょっと殺気こもってなかったか?」
「へ?そんな事ないと思いますけど。」
「そのすくすくってのは戦闘行為を叩き込むのか?」
「まぁ野蛮!!勇者さんの考え方野蛮!!いいですか勇者さん、人を成長させるのに必要なのは教育ですよ。読み書き、歴史、地上に出ても一人で立派に過ごせるよう学ばせます!!」
「歴史ってのは?魔族の?」
「です。おもに今までの魔王がどのように各勇者さんに倒されていったかとかです。」
(それって思想の教育じゃねぇか。。。会う魔族全員初めから敵意みせてくるはずだわ。。。)
「まぁいい。それで、地上での生活はどうなるんだ?」
「ん?どうなるっていうのは?」
「え?地上におくりだしてあとはお任せなの?」
「え?なんかまずいですか?」
「はぁ~。道理でな。だからお前らの町っての見たことなかったのか。」
「ま、町ですか?」
「そう。町。コミュニティつくれよ!地上でも!!地上に出た連中どうしてんだよ?」
「えぇ~と。それは~。だいたい人間の町から遠い場所でうろうろしてたり。」
「うろうろ?」
「あるいは闇を恋しがって洞窟に隠れ住んだり。」
「どうやって生活してんだよ?」
「あぁ、大事な事伝えてませんでした!」
「なんだ?言ってみ?」
「魔族は夜行性です!!」
「お、おう。今更だな。なんかそんな気はしてたけど。」
「なので日中は暗いところで寝てます!そして夜になったら寝静まった町に入り込み・・・」
「まじか、寝込みを襲うとはやはり魔族、汚い真似を!!」
「いえいえ、町に入り込み、人様に迷惑かけぬよう遊んでいます。」
「あ?」
「だって聞いたことあります?魔族が町を襲ったって?そりゃ過去に何件かはありますよ。でも基本的に一般人を襲うような汚い真似はさせません。私が許しませんよ!!」
「遊ぶってなんだよ?」
「夜は魔力が上がりますからね、人に化けれる魔族も結構います。昼でも化けれちゃう子もいますけどね。」
「人に化けてなにしてんだ?」
「そりゃ夜の町といえば、お酒飲んだりですよ。買い物なんかもこの時しますね。あと、パフパフとか?情報収集は大切ですよ。勇者さんを待ち受けて罠しかけたりしなきゃいけないんですから。」
「買い物?買い物してんのかおまえら?あーーーっ。だからか!!なんでお前らみんな人間の金持ってるのかと思ってたんだよ!!」
「そりゃ泥棒はいけませんよ。魔族間でも泥棒は犯罪ですからね!!」
「んで?人間界に勇者をぶっころしに旅立つ時に、餞別にこっちの金を持たせてるってわけか。」
「その通りです。」
「お前さ・・・」
「なんです?」
「人間側の王に生まれてりゃ名君だったのかもな?」
「ちょ、ちょっと褒め殺しはやめてくださいよ~!!」