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残り物で邪神討伐!  作者: TKSZ
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8、商業ギルドに登録


盗賊討伐の報奨金は後日マルコ商会を通して渡されることになった。

檻付きの荷車は収納に仕舞った。

馬たちは草原方へと駆けて行った。

実際には草原で私の収納に入るようになっているのだが。


「馬は大丈夫ですか。魔物も盗賊もいますよ」

「心配はいりません。今までもそうしてきました」

「タカシさんがそう言われるのなら」


商隊はマルコ商会へと向かう。

到着するまでの間に魔の森であったことをマルコさんに説明したら門の所での衛兵の対応を理解してくれた。

マルコ商会に到着した。

そこで護衛たちの仕事は終わりだ。

マルコさんは護衛たちに仕事完了の書類を渡す。

彼らはそれを持って護衛ギルドに行くらしい。

彼らは護衛ギルドに所属しているらしい。

護衛にも所属が討伐ギルドのもの、護衛ギルドのもの、傭兵ギルドのものといるという。

今回は護衛ギルド経由の仕事を受けてという訳だが彼らは全員傭兵ギルドにも登録しているという。

複数のギルドに登録するのは当たり前のようだ。


護衛たちと別れて商会の警備員と従業員を伴なって商業ギルドに向かった。

商業ギルドにも盗賊討伐の報告はしなくてはいけないらしい。

私の商業ギルド登録の前にそちらを先に行いたいということだ。

マルコさんが受付で話すと応接室に通された。


「よくおいでになりました。タカシ様。商業ギルドのギルドマスターのパルです。マルコさんもご無事で何よりです」

「タカシです。よろしくお願いします」

「魔の森でのご活躍は聞いております」

「こちらこそ」

「で、マルコさん。盗賊に襲われたということですよね」

「はい、その報告に」


マルコさんが盗賊に襲われた経緯を説明した。

そして、私が盗賊を捕らえたことも話した。


「うむ、どこぞやの商会や貴族が関わっていそうだな」

「そう思いますよ」


聞きたくない情報だった。

その後もマルコさんとパルさんの情報交換が行われた。

ひと段落ついたところで私の商業ギルド登録の方へ話が進んだ。


マルコさんからも商業ギルドのことは教わったが改めて説明をしてもらった。

商業ギルドの会員には1級から4級までがある。

1級は国家や貴族や神殿とも日常的に取引を行う商人

2級は店舗を構える商人

3級は行商人

4級は屋台の商売人

2級でも国家や貴族と取引をすることはある。

しかし、1回の取引ごとに膨大な書類が必要になるらしい。

1級になるには国家や上位貴族や神殿の推薦が必要になるらしい。

当然1級が行商人をやったり屋台を出すこともできる。

商業ギルドは国によって拘束されることのない組織で国を越えた繋がりを持っている。

他のギルドもその点は同様だ。


級が変わるとギルドの年会費や国の税が異なってくる。

会員は年に一度、国に納める税と年会費を商業ギルドに納めることになっている。

上の級ほど税も会費も高い。

3級と4級の税の額は一律になっている。

1級と2級の税の額は店舗の数と従業員の人数と国や貴族との取引額によって決められる。

2級になるにも推薦状がなければ多くの書類が必要になる。


今回はマルコさんが推薦状を用意してくれたから安心だな。

では2級で登録させてもらえそうだな。


「それで級のことですが、神殿と辺境伯様と討伐ギルドからタカシ様の推薦状を預かっておりまして1級で登録します」


ああ、聖女様と辺境伯様には商業ギルドに登録することを話したよ。


「はい、ありがとうございます。マルコさんからの推薦状が無駄になってしまう様で申し訳ありません」

「いや無駄になりませんよ。推薦状は多い方がいいですから。登録後でも推薦状は受け取りますから」

「はい」


何通の推薦状があるかがその商人の信用になるらしい。


「登録料と年会費も辺境伯様と神殿から頂いております。3年間は年会費も納入済みになります。それから領都の店舗も辺境伯様から依頼されまして用意してあります」

「あ、ありがとうございます。店舗はお幾らの賃貸料になりますか?」

「店舗は購入済みになっています。不動産税も3年分納入済みです。タカシ様の所有になります。明後日には入居できます。明日には辺境伯様のご子息様とお付きの方々の葬儀がありますので入居は明後日となります。こちらが詳細です。家具等も最低限用意しておきました」

「ありがとうございます」

「いいえ、仕事ですから。辺境伯様からはこれは謝礼の一部だと伝えるように言われています」

「わかりました。明日の葬儀はどこで行われるのですか?」

「当然神殿ですよ」

「関係者として参列した方がいいですよね」

「そうですね。マルコさん用意してあげてください」

「わかりました」


無事?登録が終わった。

私は明後日までマルコさん宅にお世話になることになった。

マルコさんが従業員を使って葬儀の詳細を集めてくれた。

また参列するための服も用意してくれ、神殿と辺境伯様に参列する旨を連絡してくれた。


マルコ邸での夕食のときにマルコさんの家族と主な従業員を紹介してもらった。

マルコさんには3人の息子と2人の娘と奥さんがいる。

息子さんの一人は学校に行っているが後の4人と奥さんは紹介を手伝っている。

従業員は大番頭と2人の番頭が紹介された。

もし必要なら誰かを手伝いに行かせるよと言ってくれた。


夕食を楽しんだ後、風呂をいただいてから客室で休んだ。

改めて辺境伯から頂いた店舗の見取り図を確認した。

場所は貴族街と平民街の境にある。

門から辺境伯邸までのメインストリート沿いだ。

3階建てで3階が住居になっている。

風呂トイレとダイニングキッチンと寝室4とリビングと客室6。

客室にはミニリビングと寝室とトイレと風呂がある。

まるでホテルのスイートだね。

2階は執務室と事務所と応接室と会議室になっている。

従業員休憩室や更衣室もある。

1階は店舗部分がかなり広い。

倉庫と警備員の詰め所もある。

別棟が4つ。

まずは厨房と倉庫があるレストラン。

次に薬局併設の治療院。

そして工房も。

さらに従業員寮と従業員の食堂。

うん、辺境伯と聖女様に話した内容が反映されているけど何人雇ったらいいんだ。

マルコさんに相談しなくてはいけないかな。



翌日、朝早くマルコさんとともに神殿へ向かった。

葬儀の前に来て欲しいと聖女様から連絡があったからだ。

神殿の応接室には聖女様と辺境伯様が待っていた。


「タカシ様、マルコさんよくいらっしゃました」

「聖女様、辺境伯様。おはようございます。忙しのにお会いいただきありがとうございます。商業ギルドの推薦や会費を頂いたりとお世話になりました。辺境伯様には活動の拠点までいただきましてありがとうございます」

「いいえ、神殿としては当然のことですから」

「そうだ。タカシ殿にこの街を拠点にしていただければ嬉しいことだ。あれも謝礼の一部だ。もし領軍でオークの集落を殲滅しようとすれば人質や兵や騎士にも甚大な被害が出たと思う」

「はい、期待に応えられることはやっていきたいと思います。ところで何かお話があるとか」

「ああ、実は事情聴取で分かったことがあってな。あそこに行くことを息子や娘にたきつけたのがウイス男爵とヤリタイ商会らしいことが分かった。さらにマルコ殿を襲わせたのもヤリタイ商会らしい」

「それは辺境伯様の力を削ぐことが目的でしょうか」

「そのようだ。マルコ商会はこの領都で一番大きい商会だからな。私との取引でも一番多い商会だ。おそらくまた何か仕掛けてくることが予想される。そこでタカシ殿には協力をお願いしたい」

「えーと、警護をということですか」

「ああ、それと捜査も協力してもらえればうれしい」


聖女様の予想ではこの葬儀で辺境伯様の命を狙ってくるのではないかということだ。

協議の結果、聖女様を守る聖騎士の一人がマルコさんを私が辺境伯様を守ることにした。

聖女様・辺境伯様・マルコさん3人に自動防御の魔道具を渡しておくことにした。

イスラ集落の工房で試しに作ったものだ。

葬儀のどさくさで毒を使ってくるのではないかと思う。


午前10時から葬儀が始まった。

遺族席にいる辺境伯の近くで警備をしている。

おそらく辺境伯に挨拶をしに来るときに毒を仕込んだナイフを使うのではないかと予想した。

弔問客に気を取られていた私は背後からウイス男爵が近づいて来たことに気づくのが遅れた。

主犯は直接手を下してくるとは思わなかった。

私の横をすり抜けて辺境伯にナイフを突き刺そうとするウイス男爵。

しかし、自動防御によってナイフが弾き飛ばされた。

そして辺境伯の隣にいた令嬢のアリスの腕を傷つけた。

ぱったりと倒れるアリス嬢。

猛毒だ。

アリス嬢は仮死状態だ。

男爵を拘束してナイフをガラスの容器の中に回収した。

そして


「完全解毒、完全治癒、完全回復」


最高の治癒魔法をかける。

これは自重するわけにはいかない。


会場では他にも騒ぎが起きている。

聖女様を襲おうとした男爵の従者が毒のついているナイフを振り回している。

マルコさんを襲おうとしたヤリタイ商会の会頭も毒のついているナイフを振り回している。

周囲ではナイフに傷つけられたりナイフから飛び散った毒に触れてしまった騎士や弔問客が倒れている。

直ちに二人を拘束してナイフを取り上げて容器に入れる。


「範囲魔法。完全解毒、完全治癒、完全回復、毒浄化」


容器内以外の毒の浄化も行った。

辛うじて被害者全員が仮死の状態の時に解毒と治癒と回復を行うことができた。

死んでしまうとさらに高度な蘇生魔法が必要だ。

蘇生魔法が使えるようになるにはまだレベルを上げないと駄目だ。

でも、多くの人の前で高度な治癒魔法を使ってしまった。

聖女様の使える事ができる以上の魔法を。

それも範囲魔法というおまけ付きだ。


3人は本人の意志もあったが操られていたようだ。

操っていたのは邪神だな。

当然本人に殺意がなければ操られないのだが。


後は辺境伯の騎士団と神殿の聖騎士団に処理を任せることにした。


今日もマルコさん宅に泊まることになっている。

明日はもらった店舗付き住宅に入居できる。

今日はゆっくり休もう。


お読みいただきありがとうございました。

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