ネオ=マルス③
D969エリア。
別れ道。進むべき道は右、左から後ろから多数のパラドックス兵が迫る。
「はあはあ・・ここは引き受けた。先に行け!」マーチンは息が上がっている。
「と言うか、もう走れねーんだろ」図星だ。ヨキもしんどそう。
「兄き、降りて。ボクも残る。ここはまかせて!」
かつてボッケンは明に命を助けられた。以後彼は明を「兄き」と慕う。
マーチンは引き返す。
追って来ていた敵に向けランチャー発射。凍結弾。
冷却ガスが噴き出し、パラドックス兵が次々と固まる。アクア星戦のお返しだ。
ボッケンは左の敵兵の群れに突っ込んで行く。
くわえた鞘の両端から超金属の刃が伸びる。ツインブレード。
走る。敵兵の銃撃。
弾を避けて壁走り・・天井へ。飛ぶ。着地。
倒れる敵兵。ライフルは切断されているが、兵は気絶しただけだ。
ボッケンは殺気を感じて飛び退く。マイクロミサイルだ。
爆発。
爆煙の中から現れるパワードスーツ。その数、10体。
残り三人はさらに奥へ・・・
通路の先が開け、緑豊かな住宅地が現れる。
区画整理された街並み。シリンダー型コロニーの先端、直径2kmのドームの中の高級居住区だ(反対側は巨大光子砲の発射孔になっている)。その空には本来宇宙が見えるはずだが、人工の映像・青空が投影されていた。ここは連邦政府高官の別荘となっており、普段は誰も住んでいないはずだった。
「はあはあはあ・・」明の息が荒い。
「大丈夫か?少し休もう」啓作が聞く。
「大・丈夫・」
明を助けるため、デコラスの前に立ち塞がった美理。華奢な身体が震えていた。
守れなかったのに、「ありがとう」と言ってくれた。
その悲しげな表情が涙が頭から離れない。
「あの娘は俺を助けるために捕まった。絶対に助け出す!」
再び走り出す。
静まりきった住宅地を走る。
不思議と敵の攻撃はない。ボッケンたちが引きつけてくれたのか、もうそんなに数がいないのか、秘密のアジトだから大人しくしているのか、分からない。
それでも油断はしない。周囲に気をつけながら走る。
明の腕時計の反応が高まる。
「ここだ!この建物の中だ!」
庭のある二階建ての立派な古い洋館。
意外だがここが<パラドックス>のアジトだ。
ヨキが扉に手を伸ばす。啓作はそれを制し、特殊弾をセットしたライフルを構える。
発射。弾は外扉を突き破り、睡眠ガスを噴出しながら庭を飛び、屋敷の扉に命中。爆発。
庭に潜伏していた敵がバタバタと倒れる。
ガスが晴れるのを待って、庭を突っ切り、屋敷へ。
庭のあちらこちらから残党が銃を構えるが、明の早撃ちで倒され、あっと言う間に全滅。明が壊れた扉を蹴破る。
中に入る前にヨキがスタングレネードを投げ込む。音爆弾が炸裂する。
三人は屋敷に突入。
いきなり広間。高そうな調度品が並ぶ。
庭での戦いを見ていたのか、ガスマスクを付けた敵が数名倒れている。
左右に二階への階段がある。途中の踊り場には昔の騎士や武士の鎧がある。
腕時計の表示は二階を示している。
二階の敵が攻撃。それよりも明の方が早かった。
倒れる敵、階下に落ちる者もいた。
三人は左の階段へ。
突然鎧の騎士や武士が動き出す。ガードロボットだ。
明は素早く銃のパワーを上げ、騎士を撃つ。
啓作も階上の武士をライフルで攻撃。撃破。
「では行って参ります。」
デコラスはマントを翻し、テレポートして行く。心配そうな美理。
「!」
二階に上がった明たちの行く手に現れるデコラス。
「また負けに来たのか。今度は確実に殺してやる。」微笑みながら右手をかざす。
衝撃波。
明たちには届かない。バリアーだ。
「何?」
デコラスは想定外の事態に驚く。
「お前の相手は、ボクだあ!!」
ヨキの毛が逆立ち、衝撃波がデコラスへ。
デコラスもバリアーを張り、防ぐ。
「エスパーか!」
アクア第6惑星で傷ついた明をテレポートで救出したのはヨキだった。
二人の超能力戦が始まる。
明と啓作はさらに奥へ。




