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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

No.-

No.13 人気者

作者: 夜行 千尋

出されたお題を元に、一週間で書き上げてみよう企画第十三弾!

今回のお題は「人気者」「キスマーク」「ファンタジー」


11/17 お題発表

11/21 すっかり作業を忘れてた

11/22 一応プロットを汲んでみる(初期案ではもっとファンタジーでした)

11/23 書いててリア充すぎて気分を害する

11/24 締切を過ぎながらも投稿


うん……すまん

かなり本気のグロなんだ。引き返すなら今だぞ

 穏やかな日差し、暖かな朝、俺の朝はここに……


「起きて、起きなさい、ゆうと」


 豊満なバストによる圧迫が加わる……。


「なんだよ、かーさん」

「あらあら、何時まで経っても赤ん坊さんなのね。朝ごはん出来たわよ」

「かーさんこそ、俺を赤ん坊扱いじゃねぇか」


 俺の腹の上にやわらかな感覚が乗り、温かでかすかにしっとりとした感覚が心地よい。他の家の母親がギャグマンガ的な母親とするなら、うちのかーさんはまさにAVかエロ本の熟女がごとく、その姿は妖艶で美しい。俺がこの人の子だなんて思えないぐらいにエロティックだ。そんな人に肉体的接触を持たれながら目覚める快感。堪らないな。

 その心地よさで再度眠りに着こうとする俺に対して、俺の胸の上に頬を乗せるかーさんが言う。


「ところでミカちゃん来てるわよ」

「ああ……でもも少しこのまま……」

「そう? じゃあ、私は逃げてるわね」

「ん? ミカ?」


 ふと嫌な予感がすると同時にかーさんが俺の上からいそいそと退き、同時に俺の部屋のドアが勢いよく開き、サイドテールの女子が現れる。身構えるより早く、そのまま踏み込んでミニスカートがめくれんばかりの勢いで跳躍し、ピンクの下着が見えるのも気にせずそのまま俺の腹めがけて膝蹴りを入れようとする。

 咄嗟に起き上って回避する。そんな俺に幼馴染のミカが言う。


「おはよう、ゆうと! 今日も元気に起きれたね」

「膝蹴りで起こそうとするなって言ったろう」


 そう言いながら俺はミカの唇を奪う。それに対してミカは目を閉じて俺を迎え入れる。思わずキスが白熱し、ミカの二の腕を掴んでディープキスをする。ミカは甘い吐息を漏らしながらそれに答えてくれる。最高の幼馴染だ。

 が、ふと視界の端に別の女子が憎しみの籠った目で俺を見ている。

 俺は咄嗟にミカを離し、その女子、血の繋がらない妹のユリに挨拶する。


「お? なんだ、ユリ。兄貴のイチャイチャしてるとこがそんなに見たいか?」

「馬鹿兄。そのまま遅刻して先生に怒られたら?」


 そう言い残してユリはさっさとリビングへ消えていった。

 やれやれと息を吐く俺にミカが笑いかけ、ベッドから降りて俺の手を引く。


「水差されちゃったね。続きは放課後かな? それとも昼休み?」

「いや……」


 俺は学校に行く準備をしながら答えた。


「両方だ」







――ぷつぷつ……







 ミカと共にゆっくりと学校に向かうが、途中でミカは忘れ物を思い出したとかで途中で一旦帰ってしまった。仕方なく一人で学校へ向かっていると、すぐ隣にリムジンが横付けしてくる。こんな狭い道なのによくやるぜ。

 リムジンの後部座席の窓が開いて、中から縦巻きの金髪美少女が俺に話しかけてくる。


「あら、ゆうと君。今日も庶民は徒歩ですの?」

「おう、ディティ。……お前、今日はどうしたんだ?」


 お嬢様であるディティが動揺しながら答える。


「え!? べ、別に……この庶民の道が通りたかっただけですわ!」

「ちげぇよ」


 俺はリムジンの窓枠に肘を置いてディティにのセットされた巻き髪に手を伸ばす。触れるか触れないかで止めて撫でるようにしながら言う。


「今日はセットが雑だと思ってな。ずいぶん急いでたみたいじゃねぇか。胸元から金のネックレスが浮いてるぜ」

「な、こ、これは……別に急がないと間に合わないとか言うんじゃ……」

「車なら間に合うだろ? 一体何に間に合わせようとしてたんだよ。……あ、泣いた後?」

「え!?」


 途端にディティが慌てふためき、顔を赤らめながら近くの手鏡を取る。


「そ、そんな。しっかりメイクしたのに!」

「高校はメイク禁止だろう。なんだ? 振られた男にでも見せんのか?」


 キッと俺を睨みながらディティが言う。


「あなたには関係ないじゃありませんこと!」

「そうか……悲しいな」


 俺は鼻で笑いながらディティに言う。


「お前を振る様な目くらにゃもったいないって言ってんだよ。ディティ、俺なら見ておいてやるのに」


 ディティは顔を真っ赤にしながら、かすかに目に涙を浮かべながらつぶやいた。


「本当は私のことなど見ていらっしゃらないくせに……」

「ん? 何だって?」

「何でもありませんわ。庶民が調子に乗らないでくださいまし」


 そう言って、俺を跳ね除けるようにリムジンの窓が閉まる。挟まれないように退いた俺に注意を向けながら、民家に囲まれた狭い道を高級車は走り抜けていった。

 あいつは世に言うツンデレという奴なんだろう。いつか俺だけの為にデレデレにしてやりたいもんだ。







――じくじく……







 校門までの一本道で、よく見た後姿を見かける。長い三つ編みに頭頂部の寝癖。同じ部活の女子だ。

 俺はゆっくりと近づいて背後から後輩の胸を揉み込む。


「い、いやああああああああああ!」


 とっさに後輩が振り向いて鞄を俺に振るうが、難なくそれを俺は回避する。

 俺は振り向いたメガネの巨乳系女子に挨拶する。


「よ、ナミ。相変わらず良い胸だな」

「あ、ゆうと先輩だったんですか。ビックリしましたよ」


 ナミがいつものおっとり声で俺に挨拶をしてくる。俺はナミと共に校門へと向かう。

 ナミが他愛ない話と言わんばかりに、部活の話をしてくる。


「そう言えば……」


 だが


「……部……に……だそうで……先輩は……」


 なんだ? なにが起きてる? ナミの声がうまく聞こえない。それどころか気のせいか世界が揺らいで見える。何が起きてるんだ?

直後、動揺する俺の背後から何かが覆いかぶさる。爽やかなでいながら優しい香りが俺の鼻孔をくすぐり、それが知り合いの先輩だと知って安心する。

俺に体重をかけながら先輩が俺に挨拶をしてくる。


「やあ後輩諸君。元気に登校しているようで部長として何よりである」

「お、はようございます……リセ先輩。元気なのは良いんですが、重いです」

「ん? なんだとぉ? 後輩の胸を揉むような男子高校生が先輩の胸を当てられて苦笑いとはどういうことだ?」

「いや、リセ先輩胸ないじゃないですか」


 それを聞いて先輩が大笑いしながら俺の背中を叩いて離れる。


「いやすまんな。軽く嫉妬したのだ。どうせなら可愛い後輩と愛のスキンシップを図りたくてな」

「あはは、相変わらず冗談がきついですって。ナミちゃんが引いてますよ」

「構わん。ナミもまた恋敵だからな。恋敵の前で堂々と想い人に抱き付いて嫌がらせをする嫌な先輩が私というわけだ」


 ナミはその様子に少し落ち込んだように俯いた。それを見て俺が励まそうとするより早く、リセ先輩がナミに詰め寄る。

 そして、その顎を持ち上げ目を見て言う。


「どうした? 私がゆうとを取ると心配か?」

「え? あの……」

「安心を知ろ。まだ私も彼には選ばれていない。お前も積極的にアタックして見ればいい」


 二人の顔がとても近い。微かにナミの顔が赤い。リセ先輩は確かにボーイッシュで男前だから仕方ないともいえる。

 更に密着するような姿勢で二人は話し合う。もはやキスでもしようかというほど顔が近い。


「あ、アタックなんてそんな……」

「ふふ……なんなら、私が手とり足とり……隅々まで指導してやろうか?」


 ナミは見る見るうちに赤くなり、リセ先輩はそれを男の様な笑みでそっと見つめる。

 が、俺に気づいてナミがリセ先輩を押しのける。惜しい……実に惜しい。

 先輩は笑いながら冗談だと言ったが……冗談でない方が見てて喜ばしいと思ってしまう俺だった。







――ぷちぷち……







 教室に着き、ドアを開けると目の前から幼児が俺に向かって走ってきた。俺は慣れた手つきで、腰を落とし両手を広げて迎え入れる。

 幼女が俺の名前を呼びながら俺の胸に飛び込んでくる。


「ゆうと!」

「やあ、メイ。今日も来てたのか?」

「ゆうと! 今日もまた遊ぼう! この間みたいにお風呂に入れて!」

「ああ、いい子にしてたらな」

「はーい」


 明るい返事と共にメイは俺に力いっぱい抱き付いてくる。その頭を撫でてやると、他の女では匂わない子供特有の乳の匂いがする。

 メイはクラスの担任の娘で、幼稚園が受け入れてくれなかったからとか何とかで、度々先生が連れてくる。わずか5歳でとても美しさを感じる顔立ちをしている。仕方ないかもしれない。何といってもこのクラスの担任はあのリセ先輩の母親でもある、美人で有名なキナ先生だからだ。


「あら、娘がずいぶん懐いているようだけど……」

「あ、キナ先生。また今週遊びに行ってもいいですか?」

「はいはい。HR始めるわよ。席に行って」


 先生はかーさんとは違い、年相応の熟女の府に雰囲気がある、黒髪の美しい女性だ。HR前でざわつく中、キナ先生は俺の方を叩いて耳打ちする。


「学校では止めてって言ってるでしょ。もちろん週末は大丈夫よ」


 そう言ってキナ先生は教壇に立った。俺は嫌がるメイを降ろして席に着く。


「おはよう、ゆうと。ミカが怒ってたよ。追っかけたのに捕まらなかったって」


 そう隣のせきから声をかけてきたのは、一見女に見えるが男のサイだ。周りの女と比べてもはるかに“美女”のいわゆる男の娘という奴だ。コイツから告白されたが……もちろん俺にその気はないから断った。断ったのだがしつこく俺に寄ってくる。懐の広い俺はコイツを許して近寄ることを許している。

 俺はサイの言葉に返した。


「ミカが忘れ物したのが原因だって。先に言っててくれっていってたんだよ……脇道は通ったな」

「ああ、追い抜いちゃったんだね」

「みたいだな」


 サイはくすくすと笑う。そこにキナ先生の怒号が飛ぶ。


「そこ! 今私が行った内容を復唱してみなさい!」


 もちろん復唱できず、サイは皆の前で耳を赤くすることになった。



 そして、今日も一日何もなく過ぎていく。授業中はサイに勉強のノートを取ってもらい、休み時間はメイを抱きしめ、昼休みはミカと理科準備室に入り、放課後はナミと部室へ、部室からの帰りにリセ先輩と屋上への階段に行き、下校前にディティのリムジンに乗り込み、明日はキナ先生の家に“遊び”に行く。家に帰ればかーさんが居る。腹違い妹ユリの部屋に行ってもいいだろう。最高に充実した俺の女運。最高だ……







――ぴきぴき、ぶちぶちぶち……







「あ」


 俺は珍しく一人で帰っていた。そして夕焼けの中、唐突に思い出した。

 部室に忘れ物をしたのを……


「ん? あれ?」


 だが何を忘れたんだったか思い出せない。

 確か、部活動で……部活動で? 部活……? 俺、何部だっけ? そもそも、俺、何時から帰路に着いたんだ? 何だ? なんでこんな思い出せないんだ?

 とにかく、俺は学校に戻った。部室。部室に行かなければ。







――ぶつん……







 学校に戻った俺は愕然とした。

 いや、正しくは「学校の跡地」に戻った俺は、だ。そう、学校が無くなっている。学校によく似た残骸を含む……瓦礫だ。


「な、なんだこれ……夢でも、みてんのか?」

「いいや、お主は今起きたのじゃよ」


 俺の背後で声がする。

 俺が振り返ると、全身白い紳士服に身を包んだ、髪も肌も白い中学生ぐらいの美少女が居た。言葉がじじくさいせいで、その白さと相まって老人に見える。

 俺はその少女に聞くことにした。


「おまえ誰だ。学校がどうしてこんなことになってるんだ?」

「頭の中までは覚めておらんかったか……ざっと説明するぞ。お主の命に関わるでな」

「命!?」


 俺はなぜかゾッとした。そして、何か大事なことを忘れている気がした。


「お主は、今半分寝ておる」

「半分?」

「そう、先ほどまでお主は完全に寝て夢を見ておった。肉欲に溺れた汚らしい豚男の理想といえる醜悪な男の夢じゃ」

「な、なんのこと言ってんだ?」


 俺は背筋が寒くなるを感じた。


「お主の母親は年相応にお婆じゃぞ。たれ乳房じゃしな」

「おい……」


 寒気がする。


「お主に毎朝起こしに来る美人の幼馴染の彼女が居ると思うか?」

「よせ……」


 鳥肌が収まらない。


「お主に妹などおったら、その妹が先にお主を身の危険故に殺しておるわ」

「なんなんだ……」


 体が勝手に震えてくる。


「お主に金髪大金持ちの美女が言い迫る訳なかろうて」

「言うな……」


 視界が揺れる。


「お主にほれ込む乳房の大きな後輩などおらんじゃろう?」

「やめろ……」


 吐き気がしてくる。


「お主の前で女生徒を口説く男前でボーイッシュな先輩もおらん」

「いやだ……」


 頭が痛い。


「教室で幼子に出迎えられるじゃと? お主病気か?」

「笑うな……」


 息が出来ない。


「教師との禁じられた恋愛か……使い古されたネタじゃのう」

「見るな……」


 世界がぐらつく。


「揚句友人も美人で自分に気がある方が良いとな? お主は想像力豊かよのう」

「うるさい……」


 まともに立っていられず、俺は前のめりになりながら吐いた。吐きながら前に突っ伏し、地面に手を突いてなお、ゲーゲーと音を立てて吐いた。


「お、おまえ……なんなんだ……」


 白い少女は俺が顔を上げると俺の頭を踏みつけ、俺の顔を吐瀉物に押し付けながら言う。


「わしは“キーパー”と呼ばれておる」

「“キーパー”? なにを、守ってるんだ」

「正しき夢を守っておる。お主がここでハーレムなファンタジーに埋もれておるおかげで、報われない魂の夢を守るために来た。回答次第では……不服じゃがお主も守ろうではないか」


 俺は少女の足を退けようとするがまったく動かない。


「ああ、無駄じゃ。半分現実になった以上、お主を中心に働いておった物理演算は現実的になった。お主本来の運動神経、お主本来の頭脳の容量、お主本来の容姿……」

「な、何を言って……」

「お主は本来、バカでアホで記憶力なしの、わしの蹴りすらかわせぬ運動音痴で、同性はおろか異性からも見向きもされないドブスじゃ。外見同様、性格も悪いしのう」


 俺はなんでこんなこと言われてるんだ。どうして見ず知らずの女にこんな足蹴にされて、罵倒されて、しかも気持ち悪くなってるんだ。

 俺は俺を踏みつける足を必死に殴った。一瞬足が退いたが、次の瞬間更に強い力で踏みつけられた。


「お主には二つの選択肢がある」

「ぐっ、痛い……痛い……」

「まず一つは夢に戻り『くちづけ』で死ぬか……」

「は、なせよ、痛い……」

「次に現実に戻るために多少の痛みに耐えるか」

「くそ……痛い……なんなんだよ、もう……俺は悪くないのに」


 と、ここで更に今一度頭を強く踏まれる。


「三つ目を加えよう! 三つ目のはここでわしがお主を殺すかじゃ! 選べ、この外道が!」


 なんなんだ、なんでこんな目に会わなきゃならないんだ。そんな事を考えていたら、俺は大声で泣きはじめていた。白い少女は落胆の息を漏らし、舌打ちをして言う。


「泣いたって何にもならんぞ……ああ、記憶が無いんじゃったか? んー、そうじゃのう」


 俺の頭を踏む足をどける。その瞬間俺はその女に拳を上げて殴ろうとする。変だな、体が思ったように動かない。いつもならもう拳が届いて……気が付けば、俺は少女に投げられ、背中から地面に叩きつけられていた。

 うめく俺に少女は蔑みの視線を投げながら言う。


「お主はな、長らく幻想の世界に籠っておったのよ。ファンタジーな世界に逃げ込んで、現実での罪から逃げようとしたんじゃ」

「つ、罪?」

「おう……聞きたいか?」


 少女は悪魔の様な笑みを俺に投げかける。そして、尻込みする俺の返答を待たずに嬉々として俺が犯してきた罪状を言う。


「まず母親の殺害。これは酷かった。お主に学校での事を聞こうとしたら、お主は母親を怒鳴り付け、近くに会ったバットで殴り、母親が驚いているところを殴り、母親が怒っているところを殴り、母親が謝っているところを殴り、母親が死にかけているところを殴り……腕の骨は複雑骨折、頭蓋骨と頸椎は粉砕骨折、肋骨は複雑骨折で内臓に刺さり、背骨もひん曲がり……ああ、背骨からはお主の指紋が出てきた様じゃな? なんじゃ? 引き抜こうとしたのかえ? で、その様子を近所の女の子に見られて、その子を監禁、強姦……ところで死体が見つからんが……まぁ、そう言うことなんじゃろうな、この下種めが」


 違う、あれは、あのババアが俺の遊ぶ時間を邪魔したのが悪いんだ。あの子だって俺に好意を、俺の妹になりたいって昔は言ってたんだ。


「次に幼馴染……とお主が勝手に設定した近所の同級生。襲われるまでお主のことなど知りもしなかった彼女じゃが、死ぬ間際はお主の“粗末な息子”について徹底的に教え込まれた様じゃな。可愛そうに……恋人が居たというのになんだってお主の様な外見も中身も下種な男に強姦されながら最後は殺されねばならんのか。しかも殺し方も酷かったのう。下腹部を切開して皮下組織を捲り、大量出血の中子宮に穴開けて覗けるようにしておったようじゃな。まぁ、お主のではそこまで届かんかったようで、更に切り開いておったようじゃが……」


 違う、あの女が俺を拒絶したのが悪いんだ。俺だって女を抱きたいんだ。


「その次は車上荒らしか。一人殺せば二人も三人も変わらんか? 偶然乗っておった留学生をこれまた強姦。しかも今度は殺してから犯しておったようじゃな。胸を包丁で一突き。返り血を浴びながらの強姦とは……実に悪趣味も良いところじゃ。そして車内の金品と……性悪ではもはや済まされんな」


 違う、あの時あいつが叫ばなければ……静かにしろって言ったのに。


「お次は二人同時か。レズのカップルをお互いに助けを呼べば相手を傷つけると脅して強姦……はっ、お主“切り取られ”ても文句も言えんな。この悪魔め。いや、失礼。悪魔に悪かったのう。最終的には二人とも縛り付けて、お互いに見合わせる形で四肢を鋸で切り落とすとは……外道ここに極まれりと言った感じかのう」


 違う、俺を気持ち悪い奴を見る目で見たのが悪いんだ。


「そして、担任に疑われた為相談すると称して自宅へ行き、幼稚園にも上がらない幼児を虐待。風呂で溺死させ、それを見つけた担任を背後から殴り、気絶しているところを灯油をかけて焼き殺した。悶える様子を見た後だというのに、風呂場に親子の死体を残してお主は悠々とその家の冷蔵庫を物色して食い散らかしていったようじゃな。残された家族はお前の胃を切り取りたかったと言っておる」


 違う、俺は遊ぼうとしたんだ。そしたらあの子が騒ぐから……通報とかされたくなくて……それに、腹も減ってたし。


「最後は男友達か。もちろん美少年などではなく並以下の男じゃ。お主と共に、陳腐なプライドと自分のストレス発散の為に他人を馬鹿にし、罵倒し、暴言を吐いて侮辱し……大笑いをしておったようじゃが……ふん、反吐が出る。最後の時にいじめられっ子が珍しくお主に食ってっかったじゃろう? あの時お主何をしようとした? 拳で殴り、椅子で殴り、本で殴り、机で殴り、それでも飽き足らずわざわざ金属バットを持って来たじゃろう? で、クラスメイトにお主の凶行が知れることとなったわけじゃな」


 違う、あいつが悪いんだ。中二病みたいな事をして、クソな装備でゲームに参加しようとしたのが悪いんだ。そこを注したら怒った、だから俺は悪くない。


 少女は俺に言う。


「さて、お主、全然反省してないのう? ……となれば選択肢は、一つじゃな」

「違う。違うんだ。俺は……俺は……」

「……俺は?」


 少女は俺の次の言葉を待った。

 だから俺は必死に考えてから行った。


「び、病気なんだ。精神の……だから、俺は……仕方なかったんだ!」


 空気が芯まで冷えるのを俺は感じた。そして、俺は自分の口から出た言葉に後悔した。

 殺意の籠った目で少女が言う。


「あい解った。委細承知。お主は『くちづけ』で死ね」

「く、『くちづけ』?」

「お主、夢を見ておったろう? その間体に口づけを良く受けておったろう? その場所から今に、殺された者たちの怨嗟が形になって表れる。肉を食い破り傷を膿ませ生きながらに腐り崩れ落ちる感覚の中、お主の心が平常心を失えぬ夢の世界で有る事を永久に後悔しろ」

「ま、待て、待ってくれ、たす、助け」


 そこまで言った時点で俺の唇は腫れあがり、どす黒い鉄の塊のようなものが唇を裂きながら生えてくる。生えてなお痛み、傷が沁みる。更に股間からも生えてモノが切り落とされる感覚、背中、胸からも同じように黒い物体が生え、生えた場所の肉が削げ落ちる感覚がある。


「お主はその願いを聞いていたか?」

正直言おう


申し訳ございませんでした

(焼き土下座)


うん

こんなにグログロにする予定は無かったんだ。

もう少し主人公がヘタレで、某「ヨ○シマ君」ぐらいの扱いの予定だったんだ。


でもね

でもね……

ワタクシ……リア充嫌いやねん……

浮気で遊び人のリア充とかさ

ワタクシの殺意が爆発したねん……

(だが主にグロ被害は被害女性)


うーん

全身カミソリで切り落としの刑(永久)じゃまだ生ぬるいか……

(もうやめてください。読者がグロにドン引きです)


今一度言いましょう


本当にもうしわけございませんでした

(地面にめり込む土下座最上級)

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