穴
学校行事でとある郊外の山へハイキングに来ていた高校生、常禾 司(とこのぎ つかさ)は、幼少期のおぼろげな記憶を頼りに、ハイキング中に親しくなった同級生、綴木 彰人(つづき あきと)と共に学校の隊列を離れ、山頂へ近道をすることにした。山中で道に迷った司は、彰人が目を離している間に深い深い"穴"に落ちてしまう。穴の底からいくら声を掛けても、彰人に届くことはない。諦めかけた司の前に現れたのは長髪の薄汚い老人であった――。目覚めた司の手元には小さな匙と、穴だらけのおかしな世界が広がっていた……。世界の"穴"を埋めていくファンタジー。
プロローグ
2014/10/03 00:00