サンタと怪盗が同居することになりまして
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十二月二十五日、それは子どもたちにとって幸せな日。
十二月二十五日、それは恋人たちにとって麗しい日。
十二月二十五日、それはクリスマスという世界いや、地球規模のイベントの日。
クリスマスといえば?と聞かれたら必ず出てくるサンタクロース。
サンタクロースといえば?と聞かれたら必ず全員、空飛ぶお爺さんやプレゼントを無料で与えるお爺さんという。
実際はサンタクロースというのは空を飛ばないし無料でプレゼントを与える訳でもない。
それにお爺さんだけがサンタクロースをやってるってそれは違う。
二十代くらいの若いサンタクロースやホスト風のサンタクロースだって居るしピッチピチの女性サンタクロースだって居る。
だからサンタクロースは非現実的な人物だと思わないで欲しい。
そのせいで私たちサンタクロースがどんだけ迷惑しているか考えて欲しい。
「いよいよ明日か~。今年で二年目のサンタの仕事」
正式にサンタクロースになって二年目の須賀末希は明日のクリスマスに向けて張り切って......なかった。
明日がクリスマスだというのに呑気にコタツに入りながらゴロゴロと無駄な時間を過ごしていた。
「あ~クリスマスなんて来なけりゃ良いのにね」
無駄な時間をすごしているお前にサンタなんてする資格ないと死んだ初代サンタクロースのお祖父ちゃんや二代目のお父さんなら言うだろう。
三代目サンタクロースに初の女性が選ばれて微笑ましいというのに当の本人は家でゴロゴロと過ごしてクリスマスなんて来なけりゃ良いのにねなんて言って、お祖父ちゃんやお父さんが生きてたら絶対怒ってるだろうな。
「寒い!今年一番寒いよね~」
家中ストーブやコタツなどの暖房器具をこれでもかと使っているのに何を言っているんだと独りでツッコミながら独りで爆笑する私。
「あー。私は独りで何やってんだろう......」
一気に虚しさと切なさが襲ってくる。
ふと、テレビの画面を見る。
『只今、ニュースが入ってきました!えー都内最大の美術館、帝国美術館に怪盗ジュークから展示しているオッホの絵画を頂くとの予告状が届いた模様です。予告時間は明日の八時です。丁度クリスマスで賑わう頃です。警察はどう動くのでしょうか?』
怪盗ジューク?誰なのそれ?
明日の八時って私の出勤時間じゃん!ま、私には関係ないからいっか。
「怪盗とか盗みやってなんになるってのよ。私は夢を与える側だから分かんないけどさ」
テレビに釘付けになっていた私は時計を見る。
針は午後十一時を指していた。
「そろそろ寝よ。明日も準備しないとだし」
今日はそのままコタツで寝ることにした。
テレビを消し部屋中の暖房器具を消しコタツだけ消さずに消灯するとコタツに横になる。
「ん......」
薄目を開け時計を見上げる。
時計は午後五時半を廻っていた。
「嘘っ!?やばっ、もうこんな時間!?」
慌てて準備を開始する。
「あれ、リストが。ってあった」
事前にプレゼントを届けに行く子どもたちの親御さんに欲しいプレゼントと住所と電話番号を聞いて書いておいたリストを一読して革製の鞄に入れる。
後、不法侵入で法を犯さない様に事前に電話をしてから行く。
スマートフォンを取り出しリストの一番最初に載っている電話番号に通話をする。
「あー、もしもし?川上さんですか?サンタクロースです。八時丁度に行きますので子どもさんを寝かし付けてください」
こうして一番最初にプレゼントを届ける家に予告を終える。
「えっと、次はプレゼントをダンボール箱に詰めてっと」
準備を一通り終える。
後は着替えるだけ。
時計を見てみるともうすぐ七時になるとこっだた。一旦コタツに入って温もってから行きたいけど距離が遠いためそんな余裕は無い。
「よりによって最初から遠いところか~」
溜息をつくとクローゼットからあの有名な赤いサンタクロースの衣装を取り出す。
女性用なのでズボンではなくスカート仕様。
「これ、いつ着てもなれない」
頬を赤らめてサンタクロースの衣装に着替えると鏡の前でブリっ子ポーズをとってみる。
オエッ、キモすぎ。
私何やってんだろ。
我に返ると顔をしかめる。
「よし!出動!」
鞄から車の鍵を取り出しスタスタと玄関に行き外に出ると家の鍵をかける。
「寒い寒いやばい」
家の横の車庫を開けて震えながら赤い車に乗り込む。
末希の家にはサンタ用の赤い車とプライベート用の黒い車の二台ある。
すかさず暖房をつけて車は発進する。
辺りは暗く星空が美しい。
車を走らせていくにつれてビルや住宅の数が増えていく。もうすぐ都内中心部である。
―――車を走らせること四十分―――
「ここかな?」
リストを確認しながら最初の子どもが居る家らしき建物の前に車を止める。
あと一分で八時になる。
「これでよし!」
欲しがっているプレゼントを白い布袋に入れて梯子を持って玄関......ではなく子どもの寝ている部屋の二階に向かう。
梯子はその為のもの。
非現実的な物語だったら煙突から入るけど此処は現実だから梯子を使う。
だって煙突から入ったら汚いし汚れるじゃん?普通に考えてありえない。
「よいしょっ」
子どもの寝ている部屋の前だと思われる窓に音をたてまいと梯子を設置する。
そのまま梯子を登りあらかじめ鍵を解除してもらっている窓に手を伸ばし開ける。
ガラッと開ければこっちのもの、後は音をたてずにプレゼントを枕元に置いて帰るだけ。
「抜き足差し足っと」
スヤスヤと寝ている子どもの寝顔を見て枕元にプレゼントを置く。
「可愛い。じゃーね!」
寝ている子どもに手を振り窓から出る。
急いで車に戻り次の子どもの家と向かうためリストを確認する。
二番目は南雲さんの子どもさんで住所を確認して車のナビゲーションで探索してみるとそこには帝国美術館と書かれていた。
「帝国美術館?どっかで聞いたような。まっいっか」
再び帝国美術館に向かうため車を走らせる。
あ、電話するの忘れてた!電話しないと不法侵入になるから。
車を道の端に止めると鞄からスマホを取り出し電話かける。
『おかけになった電話番号は現在使われておりません』
「うぇえ!?」
思わぬ展開に一度焦るもお決まりの「まっ、いっか」で済ませると車を走らせる。
―――走らせること二十分―――
「此処?でか!?え!警察?」
目の前に帝国美術館が見える。
帝国美術館の建物回りを囲む様にパトカーと警察官が居て上空にはヘリコプターが三機。
何が起こってるの?とりあえず入ろっと。
美術館の入口は警察官に塞がれてとても入れたものじゃない。
「どうしよ。あ、そうだ!裏口から入ろう」
裏口には関係者以外立ち入り禁止区域があり館内にはそこから入ることができる......と思う。
美術館に行ったかとないから曖昧だけど。
裏口に行くとそこには誰も居らず立ち入り禁止と書かれた扉だけが堂々と見えている。
車から降り扉の方へ見つかるまいと全速力で駆ける。
ガチャりと扉を開ければそこには長い一本の通路があり薄汚い壁と天井にはこの場所に不似合いなシャンデリアがでかでかと光を放っていた。
進んで行くと明るく豪華な大広間へ抜ける。
すると、急に大量の光を浴びる末希。
「ちょ。何?」
「居たぞぉー!怪盗ジュークだ!」
「へ?」
え?怪盗ジューク!?どっかで聞いたような......ってあのニュースの?何処にいるの。
辺りを見渡すが誰もいない。
「え?もしかして」
警察官の眼差しと光は明らか私の方を向いていた。
そう、私は今怪盗ジュークに間違えられている。
「えぇぇ!そりゃないでしょ!?バリバリサンタの格好してるでしょ!サンタを怪盗と間違えるとか日本の警察はどうなってるわけ?」
独りでツッコミがそんな余裕は無かった。
警察官は直ぐそこまで押し寄せていて三十メートルもないぐらいまで押し寄せている。
何もしてないのに捕まるとか冗談じゃないわよ!サンタが警察に捕まるとか聞いたことないわ!絶対逃げてやる。
「オリャァァア」
目を見開けば全速力で階段を駆け上がる。
三階に到達すると次は奥へと逃げ込む。
「ハァハァ」
息を整え警察官が追ってきてないかを辺りを見渡し居ないこと確認すると美術館の中を歩く。
今からどうしよう。下には警察いるから車までたどり着けないし、ホント最悪だ。
「お困りかな?」
全身を黒いマントで纏い黒いブーツに黒いスーツ、指には髑髏の指輪と黒い指輪を付けて左目には黒い眼帯をしていて右目には赤いカラーコンタクトをしていて髪の毛は黒く全身を黒くコーディネートされた男に声をかけられる。
「え、誰?」
「我が名は怪盗ジューク。 刻蝶眼の使い手であり闇の住人だ」
「は?何言ってんの?てか、アンタのせいで今私、迷惑してるんですけど!」
怒りと勢いで怪盗ジュークを名乗る男の胸倉を掴む。
「貴様ぁ!何者だ。この俺に傷を付けるとは」
「は?胸倉掴んだだけじゃん」
やたらとオーバーリアクションな怪盗ジュークにハテナを浮かべる末希。
もしかしてこれって中二病ってやつ?
怪盗ジュークの発言は正に中二病用語そのものだった。
「私はサンタクロースの須賀末希」
「何?サンタだとっ!?」
「あーもう、うるさいなー」
「スマナイ」
「アンタもう盗んだの?」
「あぁ、もう用は済んだ。もうここには用はない」
「もしかして帰る気?」
「そうだが?」
「は?ふざけんじゃないよ!誰のせいで私が帰れないと思ってんの!?一人だけ逃げようとしてんじゃないわよ!」
「だが、このままじゃ捕まってしまう」
「分かったわ、私も一緒にここから出してくれたらアンタを私の家に居候させてあげる。警察には絶対捕まらせないしアンタに全面的にフォローもしてあげる。どう?」
「良いだろう」
私もこの帝国美術館から脱出させてくれる代わりに私の家に怪盗ジュークを居候させるのと絶対に警察に捕まらせないことを契約した。
「いでよ我が下僕 影龍人 」
「はい?」
怪盗ジュークは呪文のようなものを唱えると何かを投げ飛ばす。
投げ飛ばした何かは次第に膨れ上がると怪盗ジュークと同じシルエットに仕上がる。
「我が下僕が囮になってくれる」
そういうと三階から下僕と呼んでいるダミーを一階の警察官がいる方向へと投げ捨てる。
すると......。
『居たぞぉー!怪盗ジュークが居たぞぉー!』
警察官は一斉にダミー目掛けて飛び掛る。
「よし、走るぞ」
「裏口に私の車が止めてあるからそこに向かうわよ!」
「了解した」
二人は裏口を目指して階段を急いで下りる。
息を切らしながらも下りる。
しんどいって、あともう少しで車にたどり着ける。
「やっとついた!」
勢い良く裏口の扉を開ければ外に出る。
末希は慌てて運転席に乗り込み怪盗ジュークに助手席に座るよう指示をする。
怪盗ジュークが助手席に乗ったのを確認すると車は音をたてて走り出す。
「最悪!まだ届けないといけない家があるんだった!でももう時間過ぎてるし宅配便で送ればいいや」
「サンタって宅配便を使うのか?」
「うるさいな!黙って」
「......」
―――沈黙のまま一時間経過―――
二人が乗った赤い車は末希の自宅に着く。
車を車庫に入れ車にロックをかけると玄関のロックを解除し先に怪盗ジュークを入らせる。
怪盗ジュークだかなんだか知らないけどとんでもない奴連れてきちゃったな~。
しかも男と同居とか私家に男入れたの初めてだよ?私男とか興味なかったから今此処に男が居るなんて友達が聞いたら驚くと思う。
「此処は貴様のアジトか?中々なアジトだな」
「一々うるさいってアンタ」
「ま、俺のアジトには負けるがな」
「アンタ何処に住んでんの?」
「俺に居場所なんてない。そんなものとうの昔に捨てた」
「は?アンタさっき俺のアジトには負けるがなとか言ってなかったけ?矛盾しまくりじゃん」
「俺のアジトはホテルと呼ばれる楽園のことだ」
「普通にホテルっていえよ」
家中の暖房器具のスイッチをオンにして末希は着替え始める。
「アンタあっちの部屋行ってて」
「何故だ?」
「何故だじゃねぇっての!着替えるから!」
怪盗ジュークの腹部に蹴りをかまし見事ヒットする。そのまま転がり別の部屋へ。
「いっ......て」
腹部を抑えうずくまっている怪盗ジュークを他所に末希は黙々と着替える。
「もういいわよ」
「う......」
腹部を抑えトボトボと末希の近くまでくる。
「アンタは着替えないの?」
「俺に必要なのはこの黒く闇の纏だけだ」
自信満々にマントを大きく靡かせる。
「持ってないんだ」
「うん......」
「じゃぁ、私のジャージ貸して上げるから向こうの部屋で着替えてきなさい」
クローゼットからジャージを引っ張り出ししっかりと整ったジャージ上下を怪盗ジュークの手元にポスンと置く。
「サイズは多分アンタと一緒ぐらいだと思うけど身長何センチ?」
「フフ驚くなよ百六十六センチだ」
「ちっさ!私より小さいじゃん」
「小賢しい!今すぐお前を消しさってやる!
この......」
「ハイハイ、サッサっと着替えて」
無理やり別の部屋へと行かせるとそろそろ温もってるであろうコタツに冷たくなった足を入れる。
「うひょォォォ暖い」
幸せそうな顔を浮かべてそのまま仰向けに寝転ぶ。
冬はやっぱりコタツだよね!コタツが無いと生きていけないもん。皆もそうでしょ?もうコタツに入ってるときが一番幸せな時間。
「か......完了したぞ」
ガラリと扉を開け出てきたのは眼帯やカラーコンタクトなどの装備を外してジャージ姿の怪盗ジュークであった。
「やっぱちょっと大きかったね」
ズボンの裾は何重か折ってあり袖からは手が見えない状態に末希は腹の底から笑う。
「アンタって普通の少年みたい」
「俺は二十歳」
「え?もう成人なの?私の二個下じゃん」
「俺は不老不死だからな」
「さっき二十歳って言ったじゃん。ホント矛盾しまくりだね」
「......」
一分程沈黙が流れる。
「黙らなくてもいいでしょ!」
「スマナイ」
「てか、アンタの名前わ?」
「俺に名前なんてない。ま、強いていうなら怪盗ジュークという宛名だけだ」
「めんどくさいな!ちゃんとした名前を言って、じゃないと追い出すよ?後、今から中二病ワード一個でも言ったら追い出すから」
「了解。俺は凪雲雪人」
「私は須賀末希よ、宜しくね」
簡単な自己紹介を終え二人はコタツに入り喋っていくうちに少しずつ二人の距離は縮まった。
「そうだ雪人はもうご飯食べた?」
「まだ」
時計を見ればもう十二時を廻っていた。
「こんな時間だけど何か食べる?」
「いらない」
「そう、じゃ寝る?」
「うん」
「お風呂はどうする?」
「もう入った」
「そう、じゃ私はお風呂入ってくるからコタツに入って寝てていいから」
「わかった」
そんなたわいもない会話をしてお風呂場へ向かう。お風呂に入るといってもシャワーだけどね。
「なんか子どもが出来たみたい」
私には男とか縁のない話だったけど今は違う。
なんだかおかしな気分になる。
「はぁ~気持ち良かった~」
パジャマに着替えた末希はバスタオルで髪の毛をパンパンと叩くように拭きコタツのあるリビングに行く。
「もう寝てる」
そこにはスヤスヤと子どもの様な幼い寝顔をして寝ている雪人がいる。
起きている時の顔と寝ている時の顔が別人で新鮮に思えた。
「おやすみ」
消灯しコタツの中に入り就寝する。
こうして今年のクリスマスは幕を閉じた。
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怪盗ジュークまたの名を凪雲雪人が三代目サンタクロースの須賀末希の家に居候を始めて一年が経ち二人に再び十二月二十五日がやってきた。
十二月二十五日とは怪盗ジュークとサンタクロースが初めて出会った日。
十二月二十五日とは怪盗ジュークである凪雲雪人がサンタクロースである須賀末希と同棲を始めた日。
去年より寒さが増し白く冷たく輝く雪が今年もまた降り注ぐ。
皆クリスマスモード全開で恋人が手を繋いでデートをしたり子どもはプレゼントを待てないばかりに騒いだり今年のクリスマスも賑やかになりそう。
「雪人!私クリスマスは忙しいから自分のことは自分でやってっていってたのに!」
「だって寒いだもん」
コタツで猫の様に丸くなる雪人は末希に頼ってばっかりで今もお茶をコップに入れて持ってきてと言われたところだ。
「今日も盗みに行くの?」
「うん」
「じゃぁ、私もう行かなきゃだからちゃんと鍵閉めてってね」
「わかった」
サンタクロースの衣装に身を包んだ末希はプレゼントを詰めたダンボール箱を持って車庫に置いてある車に向かう。
車の後ろのトランクにダンボール箱を置き運転席に座ると車を走らせる。
「雪人......」
雪人と一緒に生活をしてから何かがおかしい。
雪人と話していると胸の奥がムズムズする。
ひょっとして『恋』と思ったこともあった。
だけど今まで男と向き合ったことないから初めてな気持ちに私は逃げていた。惑わしていた。
これは恋じゃない恋じゃないと何回も自分に言い聞かせた。
「恋とかありえないよね。たとえ恋だったとして雪人に伝えれる訳ない」
ねぇ、みんなこれって恋なの?頭がおかしくなりそう。
子どもたちにプレゼントを配り胸の奥のモヤモヤを紛らわしていった。
プレゼントを配っているときは何も考えないようにした。ひたすらプレゼントを配った。
「次は......っと」
リストを見て住所を確認し車を走らせる。
「よし、終わった!」
無事プレゼントを全部配り終え自分の家に帰ろうとする。
一時間車を走らせたら家に着く。
車庫に車を入れて玄関の鍵を開けようとする。
「たっだいまー......ってまだ帰ってないんだ」
活きのいい挨拶をして靴を脱ぎ捨て真っ暗な廊下を歩く。
「蝶の如く美しく 暗黒竜 に命を捧げろ。怪盗ジューク只今、貴様の恋を頂いた」
暗闇の奥には黒い眼帯に黒いブーツに黒いスーツに黒いマントで身を包んだ怪盗ジュークの姿があった。
「え?雪人?」
「やっぱりこの言葉恥ずかしいよな」
「どゆこと?」
急な事態に状況をのみこめず頭にハテナマークを浮かべる。
「俺、末希のことが好き」
「え!?」
「だから俺と付き合って欲しい!」
末希は雪人の腕の中にいた。
優しく暖かい腕に包まれて私は確信した。
私も雪人のことが好きってことを―――
「雪人!私も好き大好き!」
「末希!」
私は雪人の背中に腕を回した。
思ったより男らしい背中をしていた。
二人は抱き締めあった後初めての口付けを交わした。
サンタは怪盗に恋を奪われ。
怪盗はサンタに恋をプレゼントしてもらった。
メリークリスマス
by.怪盗ジューク&サンタ
魔法のIらんどで活動中のsayaさんとのイラストコラボ小説です。
文章力とか無いと思いますがお楽しみください。