31:いよいよだ
部活の教室。
古賀くんが正式部員になって、もう一度自己紹介。
昨日より、もっと詳しく。
好きな作家が、芥川龍之介だって。
うあー。
純文学が好きなんだ。
あたしだったら、ラノベ作家さんを挙げちゃうところだよお。
詩人は、三好達治。
授業でやった作品しか知らない。
もしかして、あたしって文芸部員失格?
決して読書家で無いことは、自覚してるけど。
この点、あゆちゃんとほたるちゃんはスゴいんだ。
何でも読んじゃう濫読家。
古賀くんはどうなんだろう……?
芥川龍之介を挙げちゃうぐらいだから、幅広く読んでるんだろうな。
勉強の出来もスゴいしね。
告白云々は置いておいて。
見習わないといけない点が、たくさんあるんじゃないの?
ああ。
自分が恥ずかしい。
そんなことを考えていたら、自己紹介が終わった。昨日に引き続き、拍手。
あたしは、古賀くんの手にある、バインダーが気になって。
(あの中に、古賀くんの作品があるんだ……)
緊張が強まって来たー。
あたしのレベルじゃ、恥ずかしくって見せられないかなあ。
でも。
仕方が無いよね。
それがあたしの、限界なんだから。
あゆちゃんやほたるちゃんみたいに、率直に読んでもらうしか無いよ。




