21:どうしたものやら
帰り道。
またマックで。
あたしは吊るし上げに合いました。
あゆちゃんとほたるちゃんから。
ムリも無いけどね。
「せっかく、古賀くんから話しかけられてたのに。もったいなぞ、志乃」
「だって……。あたしの詩、知ってるでしょ? 読んでもらえないよお」
あゆちゃんに返事。
ほたるちゃんは腕を組んでいる。
「確かにそうだけどね。あそこまでのリアクションは無かったんじゃ」
腕を組みつつ、そんなことを。
「いっそのこと、読んでもらえば良かったじゃん。告白する手間が省ける。だろ? ほたる?」
「さすがに。しのっち?」
「そんなことしたら、穴掘って埋まりたい。自死するのと一緒」
恥ずかしさの極みだもん。
付き合ってる人に(いないけど)、すっぴんを思わず見られちゃうのと同じくらい。
メイクなんてしてないけどね。
色付きリップを使ってるぐらいのレベルだし。
「まあ、言い過ぎとしてもだ。古賀くんがこの先、本当に入部したら。志乃。いつかは詩を読まれることになるぞ」
「私もそれ、言おうとしてた」
あゆちゃんとほたるちゃん、同じ考えだったんだ。
あたしは、
「そう、なのよね……。かと言って、今になってから、創作のスタイルを変えることは出来ないし……」
と、ぽつぽつ言った。




