15:スパイラル・シークエンス
そして。
部活の休憩時間。
あたしたちは鳩首会談モード。
「やっぱり、部活に入りたいんだと思うな」
「ほたるもそうか。賛成する」
「でも、珍しいよね。2年生になって部活始めたいって」
「いや、志乃。分からんぞ?」
あーだこーだと話す。
でも、結論は出なかった。
当たり前だよね。
古賀くん本人から、聞いてるわけじゃ無いんだもん。
「仕方が無いよ。しのっち。明日ちゃんと話してみれば?」
「とてもじゃないけど、ムリ~」
「臆病グセから、いい加減脱しな」
あゆちゃんは、ガンガン進めるからいいけどさー。
あたしは、もはやお手上げ。
そんなことを言ったら、
「いいきっかけじゃん。これを生かすんだよ」
って、あゆちゃんからお説教。
ほたるちゃ~ん。
「しのっち。好きなら好きで行動しないと、何も得られないよ?」
ありゃりゃ。ほたるちゃんからもか。
「――分かるけどさあ。勇気がどうしても、出て来ないよ」
正直な気持ち。
自分でもいけないって、分かってる。
でも……。
の、
『スパイラル・シークエンス』
が、あたし。
チャイムが流れた。
「志乃。話せなくてもいいから、接点だけは作っておけよ?」
「うん。もしかしたら、古賀くんの方から、もう一度話があるかもしれないし」
あゆちゃんとほたるちゃんが言う。
「――う、ん。頑張ってみる」
そう答えるのが、やっとだった……。




