14:入部したいのかな?
放課後。
部活に向かおうとしていた時。
「甲田さん。ちょっといい?」
何ともまあ。
古賀くんから話しかけられちゃった!
「ふぁ。ふぁい!」
「文芸部って、雰囲気とかどうか、教えて欲しいんだけど」
うわちゃ。
アタマが混乱し始めた。
ことばが出ないあたしに、
「えっと。甲田さんって、文芸部だよね? ――調子悪いの?」
首を横に、思いっ切り振る。
「何だかいつも、調子が悪そうだから……。ムリしないでね。返事は今度でいいからさ」
首を縦に、思いっ切り振る。
「じゃあ、行ってらっしゃい」
「ふぁい!」
――どうしよどうしよ!?
とりあえず、教室の後ろで見守ってくれてる、あゆちゃんとほたるちゃんに!
「どーしよー!?」
「どーもこーも。仲良く話せてたじゃん」
あゆちゃんが言ってくれた。
「作戦が、大逆転で成功したね」
とは、ほたるちゃん。
「お話しちゃった! 部活のこと訊かれちゃった!」
『部活のこと?』
2人がハモる。
「うん! えーと……」
『――うん』
「えーと……。忘れちゃった」
あゆちゃんとほたるちゃんが、
『これだから志乃は~』
と、へたり込みそうになった。
「ゴメ。――嬉しいのとどうしようってのが、ぐちゃぐちゃになっちゃって」
「まあいい。とりあえず一歩は進んだ」
「だね。でも、何で部活のことなんて、訊いて来たんだろう?」
ほたるちゃんの疑問も、もっともだ。
「あ。思い出した!
『文芸部の雰囲気ってどう?』
みたいなこと。確かそう言ってた!」
あゆちゃんとほたるちゃんが、
『うーん』
と腕組み。
「入部。したい、のかな?」
「どーだろ。ただ単に、訊きたかっただけなのかもしれんしな」
ほたるちゃんに、あゆちゃんが答えた。
「作品発表の場が欲しいとかは?」
あたしが振る。
「それもあるかも」
あゆちゃんにうなずいたほたるちゃんが、
「確かに。ウチらだって、書いたら読んで欲しいもの」
物書きって、みんなこれは共通してると思う。
「ほたるの言う通りだ。志乃。どう答えた?」
「それが。わたわたしちゃったから、明日ででもいいって……」
「そっか。――マズい。ウチらも部活に行かんと」
「だね。休憩時間にもう一回話そうよ。しのっち。いい?」
「分かった」
どこか上の空なあたしだけど、部活は部活。しっかりしなきゃ。




