1:好きな人は前の席
いつも通り、あらすじでは偉そうですが。
やはりと言うか何と言うか、内容はすかすかです。
「好き」シリーズの第3作です。
どうか読んでやってください。
宜しくお願い致します。
高校2年生になって、2ヶ月。
好きな人が出来たの。
きっかけは、一緒の班になったこと。
掃除とかの時に、さりげなく手伝ってくれて。
何気ない親切が積もり積もって。
今じゃもう、完全な恋心。
☆
カッコいい。
かどうかは、あたし正直言って、分からない。
ううん。
やっぱり、カッコいいかな?
背は高い方だと思う。
太ってないし。
どっちかと言えば、スリム系。
勉強は出来るけど、スポーツ関係はダメみたい。
惹かれてる理由は、その辺にもあるんだけど。
そんな彼の席は、あたしのすぐ前。
だから、毎日どうしても意識しちゃう。
席が近いから、一緒の班になれて嬉しいけど。
☆
「もーさー。思い切って告っちゃいなよ」
お昼休み。
校庭の端にあるサクラの下、古びたベンチで仲良し3人組と、お弁当を食べながら今日もおしゃべり。
話しかけたのは、南塚歩夢。
通称、
『あゆちゃん』。
肩までの、少し色が抜かれた髪が似合ってる、何にでも(良かれ悪しかれ)積極的に取り組んじゃう子。
そんなところが、魅力かもしれないな。
あゆちゃんのことばに。
それはそうなんだけどお……。
って、考え込んじゃう。
「まあまあ。あゆ。しのっちの性格考えたら、それはちょっとムリなんじゃない?」
と言ってくれたのは、もう1人の友達、仁多ほたる。
本当に、
『ほたる』
みたく、輝いてる。勉強もスポーツも出来ちゃう、カンペキ少女。
あ。
お料理だけは苦手らしいけどね。
でも、スタイルいいし、さらさらロングに隠れてるうなじが、男子の憧れみたいなんだ。
実際彼氏いるし。
うらやましいなあ。