64時間目「兄貴VS兄貴」
一刀「決勝戦が進み、華佗は風使いの嵐と出会った。最初は華佗の頭を使った避けが効いたものの、敵は天才軍師であり直ぐ様形勢逆転されてしまい危機に陥る華佗。そんなとき華佗は五斗米道武術を発動させてなんとか引き分けにもちこむのだった 」
この決勝戦の舞台である山は広い。おまけに一対一で戦わなければいけない規則もない。ゆえに敵と出会わない確率もあり得るし、ずっと隠れていれば戦わずして学園の勝利が決まることもあり得るし、他の仲間と合流すれば一対複数という戦いも可能なのだ。
ちなみに選手達は誰が脱落したのかは知らない。
そんななか、一人変わった男がいた。
弧狼「オラーッ!!光魔学園、誰でもいいから出てきやがれー!!この俺が相手をしてやるよー! 」
自ら位置を教えている弧狼である。
そんな時、
ガサッ
孤狼の近くで物音が聞こえてきた。
神華「奇襲戦術をした方がいいこの場所で大声をあげるなんて馬鹿なやつだな 」
光魔学園No.2神谷神華こと『光明の神華』が現れた。
弧狼「やっと出やがったなしかし、No.1じゃなくてNo.2が相手とは俺もついてねぇな 」
弧狼はできるだけ強い相手と戦いたかったのだ。
神華「言っておくがNo.1じゃないからって手を抜いたりしたら貴様はすぐに死ぬぞ 」
弧狼「わかってるよ相手が誰であろうと全力で戦うのが俺なんでね 」
スッ!
スッ!
二人は武器をもって構えだした。
神華「くらえっ 」
ダッ!!
先に先手をうってきたのは神華だった。
神華は得物の神滅剣で斬りかかってくる。
弧狼「ちっ!?『狼波弾』 」
ドドンッ!!
弧狼は大量の気弾を放って防ごうとする
神華「くっ!! 」
カカカカンッ
神華は全てを神滅剣で防いだ。
神華「なるほどねお前は気の使い手だったとはな、数少ない人間だな 」
気弾を放つ気の使い手は地球で数えてみても数十人しかいないのだ。
弧狼「お前もなかなかやるじゃねぇかNo.2にしては見直したぜ 」
弧狼も神華をほめた。
神華「それはありがとう、ではぼちぼち本気を出させてもらうとしよう 」
スッ!
神華は神滅剣を構えると
神華「『破滅の翼龍の光』 」
ゴォッ!!
神華の神滅剣から巨大な龍が出てきた。
神華「くたばりな 」
ゴォッ!!
神華の技は弧狼に直撃しようとするが
弧狼「『空狼走』 」
ダダッ!!
弧狼は気を踏んで空中移動した。
ドガガッ!!
しかしそのおかげで技を避けた弧狼だった。
弧狼「俺に一度見られた技は通用しないぜ 」
弧狼は光魔学園が襲撃したときに一度この技を見ていたのだ。
神華「なるほどね、ならばこれならどうかな? 」
スッ!
神華は再び構えると
神華「『聖獣白虎撃』 」
ゴォッ!!
今度は龍ではなく剣から巨大な虎が出てきた。
しかし弧狼は避けるどころか
弧狼「狼が虎に負けてたまるかよ! 」
ダッ!!
自ら虎に立ち向かうと
弧狼「『狼牙爪』 」
ブンッ!!
腕を振って爪で切り裂こうとした。
ドカカッ!!
ぶつかり合う狼と虎、果たして勝者は!?
ドカンッ!!
弧狼「ぐはっ!? 」
虎が消え去り、弧狼が飛ばされた。どうやら相討ちだったようだ。
ドカッ!
飛ばされた弧狼は木にぶつかると
神華「貴様はバカか?自ら技に立ち向かうなんて馬鹿な奴がすることだぞ 」
神華が言うと弧狼は
弧狼「確かにあんたのいう通り技に立ち向かう奴はバカかもしれないな、だがそれなら俺は馬鹿のままで構わない! 」
キッパリ!!
弧狼はキッパリ言った。
神華「やはり貴様は馬鹿のようだな、バカは馬鹿らしく消えろ! 」
スッ!
神華は剣に気をため始める。
弧狼「(そう、俺はあの時からどんなときにも立ち向かうって決めたんだ) 」
ことの始まりは四年前・千頭中でのこと。(弧狼中3、一刀達中2)
弧狼「久し振りの学校だな 」
弧狼は修行のために学園を休んでいるのだ。(そのため授業日数が足りなく、留年することも)
そして修行を終えた弧狼が教室に入っていくと
やけに教室の中が騒がしかった。
弧狼「何の騒ぎだ? 」
弧狼がクラスメートに聞くと
クラスメート「久し振りだな弧狼、実は二年生にすごく強い四人組がいるらしいぜ!? 」
一刀達は中2の時点で学園では有名になっていた。
弧狼「強いやつだと〜 」
当時、戦闘狂だった弧狼は
弧狼「面白いじゃねぇか!俺は強いやつと戦うのが好きなんだよ! 」
そしてその日の放課後
一刀「あんたかい?俺達を呼び出したのは? 」
蒼魔「俺達をわざわざ呼び出すとはな 」
九龍「っていうかあいつ誰だ? 」
鳳賀「楠舞弧狼という一年上の先輩だよ 」
弧狼は一刀達を呼び出した。
弧狼「お前らかよ俺を差し置いて学園最強を名乗っている奴らは!お前らのような生意気な後輩は先輩である俺が仕付けないとな。さぁ、まとめてかかってきやがれ! 」
そして一刀達と弧狼による我沈誇が始まったのだが、一刀達はまとめてかからず一人ずつが相手になった。(もちろん一人倒れたら弧狼の体力が回復するまで待つ)
そして最後に残った一刀との戦いが終わりをむかえようとしたとき
一刀「ハァハァ!? 」
弧狼「ハァハァ!?なんでお前らはまとめてかからないんだよ!?まとめてかかれば俺を倒せたはずだろうが!? 」
すると一刀は
一刀「俺は父さんから言われてるんでね、たとえ相手がどんな卑怯な手をつかっても正々堂々と戦い、己は個人で戦えとね 」
この時、弧狼は一刀の言葉になにかを感じていた。
そんなとき
不良「久し振りだな弧狼 」
弧狼を目の敵にしている不良が現れた。
不良「お前が修行から帰ってくるのをずっと待っていたんだぜ、お前に折られた奥歯が痛むんでな 」
この不良は弧狼に喧嘩を挑んで負けてしまい、その時折られた奥歯が虫歯になってしまったのだ。(しかもこの不良は歯医者嫌いである)
不良「さすがのお前も百人相手では手も足も出まい! 」
ズラリッ
不良の後ろにはズラッと百人の不良が並んでいた。
弧狼「(ちっ!?さすがの俺でもこの状態で百人相手はキツいかもな!?) 」
さすがの弧狼も悩んでいると
スッ!
弧狼の隣に一刀が並んだ。
一刀「先輩、よかったら助太刀しますよ 」
そして一刀に続いて
蒼魔「一刀だけにいい格好はさせないぜ 」
鳳賀「俺達だってまだまだやれるさ 」
九龍「まだ暴れ足りないしな! 」
蒼魔達も立ち上がった。
弧狼「それじゃあ暴れようぜ後輩達!!俺のことは今日から兄貴と呼べ! 」
一刀達『おうっ、兄貴! 』
このあと無事に不良を撃破した一刀達であった。
現在
弧狼「(あの時から決めたんだ、俺は後輩のためなら下がらないし、卑怯もしない俺は後輩のためにも絶対に負けられないってな) 」
スッ!
倒れていた弧狼は立ち上がった。
神華「しぶとい奴め、だが死んでもらうぞ『月光龍虎撃』 」
ゴォッ!!
神華の最強技が弧狼に迫り来るが
弧狼「ちょうどいい、ここなら誰にも迷惑かけないだろうし、久し振りにいくぜ! 」
ゴゴゴッ!!
すると弧狼の回りに気の渦が流れ出してきた。
弧狼「気伝体術奥義・真黒神! 」
ゴォッ!!
そして気の渦が弧狼にまとわりつくと
ジャキンッ!
弧狼は黒鉄色の狼の鎧を身に纏っていた。
弧狼「本来ならば一刀との再戦時にまでとっておきたかったが我が儘言ってる場合じゃないんでなすぐに終わらせてやるよ 」
スッ! キュィィーンッ!!
弧狼は右手にもてる気の全てを溜めていた。
そして
弧狼「『超狼撃』! 」
ゴォッ!!
右手に溜め込んだ気を爆発させるかのように神華に突っ込んでいった。
そして…
ゴォキィィーーンッ!!
ドゴゴゴッ!!
お互いの最強技がぶつかり合って決勝戦の舞台が地鳴りを起こした。
フシュ〜!!
やがて爆風が落ち着いてきて二人の姿が確認できるようになると
そこに立っていたものはいなく、二人は互いに倒れていた。
弧狼「やるじゃねぇかテメェ… 」
神華「お前もだな、こんなに暴れたのは焔以外で初めてだぜ。お前は兄貴って呼ばれているらしいが俺にも弟がいて兄貴って呼ばせてるんだぜ 」
弧狼「ふぅん、まぁ俺には四人も弟分がいるから俺が頑張らねぇとな。しかしこの戦いでわかったぜ俺はまだまだ修行不足だってことがよ 」
その後、二人は何気ない雑談をするのだった。
蒼魔「いよいよ俺の出番がきたぜ相手は誰だ!?と思ったら焔の奴かよ!?氷と炎で相性が悪い俺は直ぐ様危機に陥ってしまうがその時、現れた人物は…次回、『最悪の相性!?救世主あらわる』