55時間目「飛琳の怒り、極めし力」
一刀「光魔学園との戦いを明日に控えたとき、光魔学園の学園長である二階堂光魔が俺達を闇討ちするため三獣士をけしかけた。それに察知した飛琳先生が相手をするが一人を逃がしてしまいさらにつかまってしまった!?大丈夫かよ先生!? 」
飛琳先生が三獣士の罠にかかってしまい、縛られてしまった!?
泉華「どうしたどうした!悔しかったら反撃したらどうだ! 」
ズバッ!ズバッ!
飛琳「くっ!? 」
動けない飛琳めがけて次々と攻撃を仕掛ける泉華。飛琳は避ける間もなく攻撃を受け続ける。
泉華「おいっ!森羅、お前もやれよ! 」
泉華が森羅に攻撃するよう言うと
森羅「はい… 」
森羅は仕方なく杖を構えた。
森羅「(これも植物達を守るためなんです!ごめんなさい!) 」
ここで話は過去に遡る(さかのぼる)。
二年ほど前 学会の発表会
森羅「ですから全世界の植物を守るためにも少しでも排気ガスを減らさなければならないのです! 」
まだ光魔学園教師でなかった森羅が植物を守るための演説をするが
偉い人「たかが植物くらいで大げさだよ 」
偉い人「付き合いきれないな 」
彼らは植物が無ければ人間が絶滅することを知らない。
ぞろぞろ
そして会場には森羅以外誰も残らなかった。
森羅「やはり全世界の植物を守るなんて無理なのかな? 」
森羅が落ち込んでいると
パチパチッ!
どこからか拍手の音が聞こえてきた。
森羅が拍手の音がする方を見ると
光魔「素晴らしい学説を聞きましたよ! 」
そこには光魔がいた。
森羅「あなたは総理大臣の二階堂光魔さん!?あなたのような人がどうしてここにいるんですか!? 」
森羅が驚いていると
光魔「私は素晴らしい学説を聞き取ることができるんですよ!そして聞き取ってみたらこの場所に着いた、ただそれだけの話です 」
光魔が言うと
光魔「あなたの学説は素晴らしい!それを理解できないあの教授や博士はおかしすぎますよ!どうですか、あなたさえよければ是非うちの教師になってもらいたいのですが? 」
光魔が言うと
森羅「私のような人が総理大臣の学園の教師だなんておそれ多いですよ!? 」
森羅が驚いていると
光魔「そんなことありませんよ!うちの学園に入ってくれればあなたの夢である全世界の植物の保護ができますよ。それにあなたの植物と会話する能力があればね 」
実は森羅には植物と会話する能力があった。しかし端からみれば変人扱いされるためずっと隠していたのだ。
そして森羅は
森羅「わかりました!お誘いに乗ります! 」
こうして森羅は光魔学園の保険医になったのだった。
そして森羅は教師になった証しとして光魔から植物が力を貸してくれる『木龍杖』をもらったのだが、本当はこの杖は植物が力を貸してくれるわけではなく、植物を無理矢理操る杖であることを森羅は知らない。
わかり人もいると思うが森羅は光魔に利用されているのだ。
話は現代に戻る。
森羅「『自然龍の攻撃』! 」
ゴォッ!!
森羅の出した技が飛琳に命中する!?
しかし飛琳は
ピクッ!
少し体を動かしただけだった。
その様子を森羅は不思議に思ったが
少し動いただけで避けられるはずがなく
ドカカッ!
飛琳「ぐはっ!? 」
技は飛琳に直撃した。
しかしさすがは飛琳先生、直撃したにもかかわらずよろめきながらも立ち上がる。
すると森羅は飛琳に質問をした。
森羅「何故です!少し体を動かしても直撃すると分かっているのに何で動いたんですか!? 」
すると飛琳は
飛琳「それはあのように避けた方が少しでも植物を守れるからですよ 」
そして森羅が飛琳をみると
なんと!?飛琳の体がボロボロなのに対して巻き付いていた植物に被害はなかったのだ!?
つまり飛琳は自分を犠牲にして攻撃を受けてでも植物を守っていたのだ。
それを見た森羅は思わず
ピカッ!
杖を光らせると
シュルシュルッ!
飛琳に絡み付いていた蔓が次々とほどかれていった。
泉華「何してるんだ森羅!? 」
森羅の意味のわからない行動に驚いた泉華が聞くと
森羅「もうやめましょう!闇討ちなんて卑怯ですし、この人には何の罪もありません!もっと生徒達の力を信用すべきです!あの子達は自分の力で勝利することができますよ! 」
森羅が言うと泉華は
泉華「… 」
少しの間黙っていて、ポケットからスイッチを取り出すと
泉華「この裏切り者め! 」
ポチッ!
泉華がスイッチを押した瞬間!
バリリッー!!
森羅「きゃあっ!? 」
ものすごい電流が森羅を襲った。
泉華「万が一お前が裏切ったときのために光魔様が電流装置を取り付けておいたのさ! 」
実は前回光魔に肩を叩かれたときにこっそりと仕掛けられたのだ。
泉華「一度発動したら最後、外すことができないし、止める方法もないのさ! 」
泉華が笑いながら説明すると
ビリリ〜。
電流の音がいつの間にか小さくなっていき
プツンッ!
最後には完全に止められた。
泉華「一体どうしたというんだ!? 」
泉華が不思議に思っていると
飛琳「残念ですね、こうみえても私は機械技術が得意でしてねこんなものなら簡単に解除できるんですよ 」
確かに森羅に仕掛けられていた電流装置は解除されていたが
高圧電流を素手で触ったため飛琳の腕は黒こげになっていた。
そして同じく黒こげになった森羅が話し出した。
森羅「すいませんでした。関係のないあなたを巻き込んでしまって、私はただ植物を守るために戦っていましたがその私が植物を武器に使うなんて間違っていました 」
森羅は涙を流しながら謝って反省した。
飛琳「あなたの気持ちはよくわかりましたよ!だって私は二年ほど前にあなたの学説を聞いてから植物を大事にしようと思ったんですから 」
森羅「もっと早くあなたに会えばよかったです… 」
ガクンッ
そして森羅は気絶して寝てしまった。
そしてそれを見た泉華は
泉華「バカな奴め!光魔様に利用されてるのも知らずに素直に従うなんてな!お前のような奴が光魔様に好かれるはずがないだろうに!初めからお前の能力である植物会話力が目的だったのさ 」
泉華が次々と衝撃事実を明らかにしていくと
飛琳「黙りなさい… 」
泉華「はっ? 」
飛琳「彼女をバカにすることはこの私が許しません!♯ 」
ゴォッ!!
飛琳の気がさっきよりも格段に上がった。
泉華「何なんだよこの気は!?こんな奴が何で光魔様にスカウトされないんだ!? 」
泉華があまりの飛琳の気の多さに驚いていると
飛琳「答えは簡単ですよ!私は悪人なんかには絶対に手をかしませんからね!♯ 」
ゴォッ!!
そしてさらに飛琳の気が上がった。
飛琳「あなた程度の人に使うのは惜しいですが今の私は非常に怒っているから仕方がありませんね! 」
スッ!
そして飛琳は構えると
飛琳「和が呼び掛けに答えよ、いでよ炎龍! 」
ゴォッ!!
飛琳がそう叫ぶとどこからか時空の裂け目が現れてそこから炎の龍が現れた。
飛琳「超進化! 」
そして飛琳が叫ぶと
ゴォッ!!
炎の龍は飛琳を飲み込み、そこから現れたのは!?
バァンッ!
赤い九頭の龍の鎧兜を身に纏った飛琳が現れた。
泉華「何だよその姿は!? 」
泉華が驚くと
飛琳「この姿は超進化と言って龍と心が一致したときにできる大技ですよ、ちなみに私は紅蓮炎龍といいます 」
スッ!
そして飛琳は少しずつ歩きながら泉華に近付くと
飛琳「あなたを許すわけにはいきません! 」
ゴォッ!!
怒り100%で向かっていった。
これに恐怖を感じた泉華は
泉華「別にびびる必要なんてないんだ!? 」
スッ!
構えると
泉華「絶対防御、『天守閣の太刀』! 」
ゴゴゴォーッ!
すると下から天守閣が飛び出して泉華を守るように並ばれた!
泉華「本来ならば地震を起こすのだがこのままでも防御には役に立つ!この技は焔でも破ることができないのさ! 」
泉華が言うと飛琳は
飛琳「ならば私が破った人第一号ですね 」
スッ!
飛琳は構えると
飛琳「『九頭炎龍舞』! 」
ザクッ! ゴォッ!!
地面に突き刺した飛琳の刀から巨大な炎の龍が飛び出して
ゴゴゴォーッ!!
天守閣めがけて襲いかかった。
そしてあとに残ったのは
やけ崩れた天守閣と
泉華「ば…馬鹿な!? 」
かろうじて生きていた泉華のみとなった。
ザッ!ザッ!
飛琳が少しずつ泉華に近付くと
泉華「ひっ!? 」
泉華は残った力を振り絞って空高く逃げた。
そして逃げた泉華めがけて飛琳は
飛琳「そうそう、彼女の体に小型爆弾が仕掛けられていましたがあなたもあるかもしれないんで気を付けてください! 」
泉華「えっ!? 」
泉華が飛琳の最後の言葉を聞いたときには
ドッカーンッ!!
すでに小型爆弾が爆発した。
シュシュンッ!
そして飛琳は紅蓮炎龍を解くと
飛琳「とりあえず私と彼女は医務室につれていった方がいいですね 」
ひょいっ!
森羅をお姫様だっこをして抱えて医務室に向かっていった。
飛琳「それにしても久々に使ったら体のあちこちが痛み出すとは、危ないと思いましたが一刀達にこの技を教えてよかったんでしょうかね? 」
実は飛琳はすでに一部の生徒に超進化を教えていた。
飛琳「まぁ、龍と心が一致しないとできない技ですから心配ないと思いますがね 」
そしてそのまま医務室に向かっていった。
黒羽「光魔の弟の二階堂黒羽だ。森羅も泉華もだらしねぇな!こうなったら俺一人だけでも闇討ちしてやるぜ!次回、『駒』俺はあいつらとは違うぜ覚悟しな! 」