49時間目「一刀、苦戦する」
一刀が女を攻撃できない理由、
それは一刀が幼少時代に聞いた母である切刃の言葉が原因だった。
十五年前、妹の一刃が生まれたときのこと
切刃「一刀、あなたはお兄ちゃんになったのはわかるわよね 」
幼い一刀(当時二歳)「はい、おかあさま 」
切刃は一刀の顔をじっと見ると
切刃「あなたは一刃を守らなくちゃいけないの、でもだからって一刃をいじめたりする女の子を攻撃したらダメよ!もし攻撃したら… 」
幼い一刀「したら? 」
一刀が怯えながら聞くと
切刃「あなたのチ〇コをちょんぎっちゃいますからね♪ 」
ぞくっ!?
これは切刃の冗談だったのだが、幼い一刀は真に受けてしまった。
そして一刀は成長したあとでも相手が女ならば
中学時代、スケバングループとの戦い
スケバン頭「オラッ! 」
ブンッ!サッ!
一刀は攻撃してくる相手の攻撃を避けるが
一刀「参りました!! 」
ピューッ!
スケバン頭「ハァ? 」
直ぐ様降参して逃げるということが多くなった。
ちなみにこの事を知っているのは中学時代に一刀と一緒にいた蒼魔達と兄貴分の孤狼だけである。
理由を聞いた華佗達は
華佗「マジなのかよ!? 」
左慈「考えてみたら思春や春蘭と戦った時も手を出していなかったな!? 」
少し考えればわかる話だった。
鳳賀「一刀、絶対に降参するなよ! 」
九龍「お前が降参すればその時点で俺たちの負けになるからな!? 」
一刀もその事を理解していた。
一刀「(降参しちゃダメなのはわかっているけど、どうすりゃいいんだよ!?) 」
仕方がないので相手が疲れるまで避け続ける一刀だった。(今の一刀にはそれしかできないため)
しかし対戦相手の服部忍は
忍「そっちが避け続けるなら、こっちはこうさ! 」
シュッ! プシューッ!
忍は煙玉を一刀に向けて投げた。
一刀「これじゃあ何も見えない!? 」
モワーッ!
煙はあっという間に対戦リングを包んで周りからでは中がどうなっているか見えない状況を作り出した。
忍「ふふんっ!あんたには私の姿は見えなくてもこっちはあんたの姿が丸見えなのさ! 」
シュンッ!
忍者は本来闇討ちや奇襲を専門とするため暗いところや煙の中でもよく見えるのだ。
ズバッ!
一刀「くっ!? 」
一刀は煙のせいで相手の姿が見えないので次々と斬られていた。
やがて煙が晴れて来るとみんなの目に写ったのは
ボロボロッ
ボロボロに斬られた一刀がそこにいた。
桃香「一刀君!? 」
見るも無惨に斬られた一刀を見て驚く桃香
忍「悪いけどこれで終わりだよ 」
ジャキンッ!
忍は刀を構えた。
忍「死ねーっ!! 」
ビュンッ!
高速で向かってくる忍
そして一刀はボロボロで避けることができなかった。
一刀最大のピンチにリングの外で見ていた蒼魔達は
孤狼「一刀!相手を女だと思うな!男だと思いやがれ! 」
無理な話である。
そして一刀に刃が当たりそうになったその時!
ガチャンッ!
突然コロシアムの扉が開いて現れたのは
華琳「何やっているのよ一刀! 」
蓮華「しっかりしなさい! 」
月「頑張ってください! 」
そこには光魔学園襲来時に寝坊や用事があって来るのが遅くなった華琳達がいた。
一刀「(あれは!?) 」
サッ!
ボロボロの一刀は華琳達の姿を見ると忍の攻撃を避けた。
忍「なっ!? 」
これに忍は驚いてしまい
ズササーッ!
スッ転んでしまった。
そして華琳達は一刀を見ると
蓮華「話はテレビで見させてもらったわ! 」
実はこの大会はテレビの生放送で全国中継されていた。
華琳「そして急いでお母様に連絡をとっておいて女を殴っていい許可をもらったから好きにしなさい! 」
何故華琳がお母様と呼んでいるんだと疑問に思う一刀だが今はそんなことを気にしている場合じゃなかった。
母から許可をもらったと言うことを聞いた一刀は
一刀「わかった!今だけ相手になるぜ! 」
シャキンッ!
さっきまでの怪我の痛みはどこへやら?一刀はやる気全開で復活した。
忍「ふんっ!だったらその本気を見せてもらおうじゃないか! 」
ビュンッ!
忍はさっきよりも早く向かうが
一刀「甘い! 」
サッ!
一刀は簡単に避けると
一刀「ちょっと痛いけど我慢してね 」
忍「なにっ!? 」
忍が一刀の方を向いた直後
一刀「俄龍魂絶撃! 」
ドガッ!
一刀は忍に対して剣ですさまじい威力で殴り倒した。
忍「ぐはっ! 」
ドサッ!
殴られた忍は気絶してしまった。
一刀「威力はおさえたからすぐに立ち上がれるよ 」
あれで押さえたなんてとても思えない!?
改めて一刀の実力を知るみんなだった。
恋「(…一刀強い、本気なら恋も負けるかもしれない) 」
そして試合は
陳琳「服部忍選手、気絶により勝者、北郷一刀選手! 」
一刀の勝利が決定した。
そして一刀がリングから降りると
華佗「ひやひやさせやがって! 」
左慈「あんな奴に負けたらただじゃおかなかったぞ! 」
一刀「ごめんごめん!! 」
一刀は頭を下げるのだった。
蒼魔「まぁ、勝ったからいいじゃねぇか!俺が勝利すればそれで勝ちだしな! 」
蒼魔は戦いが始まれば相手が女子供だろうがリングに立った以上、本気で相手をする人だった。
桃香「(蒼魔君が勝てば私の出番がなくなるから頑張ってもらわないと) 」
心の中で応援する桃香だった。
そして二戦目がはじまる。