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4時間目「覇王華琳」

聖フランチェスカ学園男子寮


男子寮は一人一部屋あるのだが、広さが畳二畳しかなく、布団がギリギリ敷けるスペースしかない。(女子寮は2、3人部屋だが広さは畳8畳分でベット付き)他に小さな台所がある。


ピリリッ!


一刀「んっー! 」


昨日この部屋に引っ越して来た一刀が目を覚まし、


ピッ!


目覚ましのスイッチを押す。


そして朝食を済ませた後、一刀は鞄と昨日送ってもらった護身用の日本刀を片手に出かける。


一刀「行ってきま〜す! 」


誰もいないのについ言ってしまう一刀だった。


男子寮は学園から遠く、歩いて1時間以上かかるので通学バスがある。(バスを使えば10分、女子寮は寮から学園まで歩いて5分)しかし朝に3本しかないので乗り遅れると遅刻になりやすい。


一刀「何とか間に合ったな! 」


一刀がバスに乗り込むと


華佗「おはよう一刀! 」


左慈「転入1日目にしては間に合ったな! 」


于吉「これで全員揃いましたね! 」


友人になった華佗達が声をかけてくる。実は一人足りなかったのだが誰も気付いてなかった。


忘れられている及川は


及川「そのバス待ってぇな〜!! 」


バスに乗り遅れて一人走るのだった。


そしてバスが学園前に到着し、一刀が学園の中に入ると


ジロリッ!


他の生徒からの視線を受ける一刀


一刀「何でみんな俺を見るんだ? 」


一刀が不思議がると


于吉「この学園は人数が少ないですから噂が出ればあっという間に広がるんですよ 」


どうやら昨日の一刀に対する出来事(漢組のほぼ全員をKO、黄巾高校に殴り込み)はすでに学園内に広まったようだ。


そういう訳でそんな一刀を様々な視線が襲うのだった。


しばらくして、


キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン!


昼休みのベルが鳴り、生徒のほとんどが食堂に集まる。


男「俺が先に買うんだ! 」


男「いや!俺だ! 」


食堂の販売口に人が詰め寄るなか、


コロロ〜♪


食堂に真っ赤な絨毯が敷かれると


春蘭「華琳様のお通り〜! 」


黒髪長髪の女の子、夏侯 春蘭が叫ぶとそのすぐ後ろから水色の髪の女の子、夏侯 秋蘭が現れて絨毯が延びきった先に座り込む。


そして黒髪の女の子も秋蘭の反対側に座り込むと


タッタッタ


絨毯の上を骸骨の髪止めをつけた金髪ロールの女の子、曹操 華琳が通っていく。その後ろには猫耳フードの娘、荀イク 桂花が絨毯をたたんでいた。


そして華琳が進む度に混雑していた販売口が華琳を避けるように道を開けていった。


そして華琳が販売口に立つと、


販売員「これはこれは華琳様、本日は何をお食べになりますか? 」


販売員が聞くと


華琳「今日はそうねぇ、焼売(シュウマイ)をお願いするわ! 」


ピッ!


華琳は懐から黒色のカード(ブラックカード)を取り出して販売員に見せると


販売員「かしこまりました!! 」


販売員は先に注文がきていたにもかかわらず、焼売を作る。


桂花「さすが華琳様!お金を払うなんて心が広い!タダ飯を食べるあの馬鹿よりまともですわ! 」


あの馬鹿とは勿論生徒会長である麗羽のことである。彼女は生徒会長の権限を利用して食堂でタダ飯を食べていた。


華琳「当然よ桂花、人の上に立つものならばお金くらい払わなければ、みてなさい!次の会長争奪戦では絶対に私が会長になってやるんだから! 」


グッ!


華琳は拳を握って決意する。


そして華琳は出来上がった焼売を受けとり、席をとっていた夏侯姉妹の元に座り込む。


そして華琳が焼売を口に入れようとした時…


及川「かずピーの弁当美味しそうやなー!! 」


及川の叫び声に華琳は驚いてしまい


ポロッ!


箸で掴んでいた焼売を落としてしまった。


春蘭「華琳様の焼売! 」


ダッ!


桂花「私のものよ! 」


ダッ!


二人が醜く焼売を奪い合っていると


華琳「二人共!やめなさい! 」


ピタッ


華琳の一喝に二人の動きが止まった。


華琳「一体何の騒ぎかしら! 」


華琳が騒ぎの元である一刀達が座る席に近寄ると


一刀「及川、あまりでかい声出すなよ! 」


及川「んなこと言われてもマジでかずピーの弁当が美味そうやったから! 」


この学園の学食は中華がほとんどであり、学食代が払えない時や違うものが食べたい時には自分で用意するしかないのだ。


華佗「しかしホントに美味そうだな! 」


左慈「んな弁当よく作れたな!? 」


于吉「作り方を教えてください! 」


そういうみんなのお昼は


及川 パンの耳 タダ

華佗 野菜定食 250円

左慈 あんパン 100円

于吉 梅おにぎり 100円

であった。(男子は基本節約派)


一刀「作り方だなんて、俺はただ実家から送られた食材で弁当作っただけだしな! 」


実は一刀の元に実家から日本刀だけでなく食材も送られていた。


一刀「よかったら一口食ってみるか? 」


一刀が言うと


及川「マジで!?やったー! 」


及川は箸を一刀の弁当に狙いをさだめて突き刺そうとするが


スッ!


及川の箸より先に別の誰かの箸が先に入った。


パクッ。


そしてその人はつまんだおかずを口の中に入れて食べた。


先に食べた人は


華琳「モグモグ。これは!? 」


華琳であった。そして華琳は一口食べた後に驚き出した。


春蘭・秋蘭・桂花『華琳様、どうかなさいましたか!? 』


華琳の驚いた声を聞き付けて3人が一刀達の席に近寄ってきた。


桂花「ちょっと!全身精液男共!華琳様に何を食べさしたのよ!!! 」


桂花が一刀達に向かって罵詈雑言していると


華琳「違うのよ桂花! 」


華琳が桂花をとめると


華琳「何なのこの弁当!?美味しいわ!? 」


ドォ〜〜ン!


華琳のこの一言に一刀を除く全員が驚いた。


一刀「何でみんな驚いてるんだ? 」


一刀が聞くと


及川「そういえばかずピーは知らへんかったな!? 」


そして及川は懐から及川メモを取り出すと読み始めた。


及川「彼女の名は2年C組の曹操 華琳。大会社曹操グループの社長令嬢で味覚が厳しくその舌は『神の舌』と呼ばれている。3サイズは上から… 」


ドンッ!。


華琳「説明ありがとう。でももう説明は結構よ 」


及川は華琳の裏拳を顔面に喰らって倒れてしまった。


華琳「北郷一刀、あなたの噂は聞いているわ私のものになりなさい! 」


ドンッ!


この華琳の言葉に食堂内がざわめき出した。


桂花「華琳様正気ですか!?汚らしい男を華琳様の側に置くのは賛成できません! 」


前に説明したが桂花は共学反対派の一人で大変な男嫌いなのだ。


桂花が反対すると


春蘭「私も桂花の意見に同感です!こんな見掛けが弱そうな奴が噂通りかどうかわかりません! 」


春蘭も桂花の意見に賛成しだした。


華琳「じゃあどうすればいいの? 」


一刀「俺の意見は無視かよ! 」


一刀の意思を無視して話を進める華琳達


春蘭「簡単なことですよ華琳様! 」


すると春蘭はどこから取り出したの自分の得物である大剣・七星餓狼を取り出すと


春蘭「今、この場で私とこやつが戦い、こやつが勝てば認めましょう! 」


春蘭は剣を一刀に向けながら言う。


一刀「ちょっと待てよ!俺は別に華琳のものになる気は…!? 」


一刀は言うが


春蘭「問答無用だ!いくぞ『お年の北郷』! 」


ブォンッ!!。


春蘭は七星餓狼を振り降ろした。


一刀「あぶねっ!? 」


サッ


一刀が何とか避けると


ドッゴォーーンッ!!


振りおとされた七星餓狼が落ちた先にはクレーターが出来ていた。


春蘭「貴様!何が『お年の北郷』だ!全然避けられる程若いではないか! 」


春蘭が避けた一刀に文句を言っていると


秋蘭「姉者、『お年』ではなく『おとし』だぞ 」


春蘭の妹である秋蘭が説明すると春蘭は


春蘭「成程、わかったぞ『おろしの北郷』!貴様なんぞ醤油をつけて食べてやる! 」


全然わかっていなかった。


春蘭はかまわず七星餓狼を振りまくり、それを見事に避け続ける一刀


華琳「春蘭!もうやめなさい!食堂を壊す気なの! 」


春蘭が暴れまわるせいですでに食堂の中は崩壊し、怪我人が多数できていた。華琳が春蘭にやめるように言うが


春蘭「貴様、避けないで戦え−!!! 」


春蘭の耳には華琳の声は入っていなかった。


そんな時、


グララッ…


ヒュー!


春蘭が斬りまくった食堂の瓦礫が華琳の上に落ちてきた。


秋蘭・桂花『危ない華琳様!? 』


秋蘭と桂花が気付いて駆け寄るが間に合わない!


華琳「えっ!? 」


華琳がようやく落ちてくる瓦礫に気付いたが避ける時間も受け止める時間もなかった。


華琳「キャッ!? 」


誰もが華琳に瓦礫が直撃すると思い目を閉じた瞬間


ドンッ!


華琳の体は突き飛ばされた。


ズッシーン!


瓦礫が落ちてきてみんなが目を開けると


桂花「華琳様!? 」


桂花が無事だった華琳に近寄る。


桂花「華琳様、よくご無事で! 」


すると華琳は


華琳「誰かに突き飛ばされたのよ… 」


そして華琳が瓦礫の方を見てみるとそこには


バッターン!


いつの間に来たのか華琳をかばい代わりに瓦礫に押し潰された一刀がそこにいた。


春蘭「貴様!いつの間に移動したのだ!!! 」


春蘭が一刀に怒鳴ると


華琳「しゅ〜ん〜ら〜ん〜!!! 」


ギロリッ!


華琳が春蘭を睨みつけた。


春蘭「華琳様!? 」


華琳に睨みつけられたことを脅える春蘭


華佗「そんなことよりも早く一刀を救わねば!?左慈、于吉瓦礫を退かすのを手伝ってくれ! 」


華佗が言うと二人は


左慈「仕方ねぇな! 」


于吉「力仕事は苦手なんですが 」


ググッ!


そう言いながらも二人は瓦礫を持ち上げて一刀を救出した。


華佗「頑張れよ一刀!今すぐ保健室に連れていってやるからな! 」


華佗は一刀を背負って走り出した。


左慈「于吉、俺達も行くぞ! 」


于吉「左慈と一緒ならどこまでも行きます! 」


そして二人はのびていた及川を引きずりながら華佗の後を追って行った。


そして残された華琳達は


華琳「春蘭!あなたには後でお仕置きするわよ! 」


華琳がきつく言うと


春蘭「華琳様のお仕置きならば喜んで! 」


逆に喜ぶのであった。


華琳「秋蘭と桂花は怪我人の保護と被害の計算をお願い! 」


秋蘭・桂花『わかりました華琳様! 』


二人はすぐに行動に移った。


そして華琳は


ドクンドクンッ!


華琳「(何なのこの胸の痛みは?) 」


実はさっき一刀に突き飛ばされた時に一刀は華琳に対してスマイルしていた。


華琳がこの感じを恋だと知るのはちょっと先の話である。


その頃、保健室では


華佗「一刀、お前どんな体をしてるんだ!? 」


華佗は驚いていた。何故ならば…


于吉「まさか瓦礫が頭に当たったにもかかわらず大きなコブと多少の出血ですむとは凄いですね!? 」


一刀はほとんど無傷で頭に絆創膏を貼るだけで済んだのだった。


一刀「昔から鍛えていたからな! 」


一刀が言うと


紫苑「君はすごい体をしているのねぇ!? 」


聖フランチェスカ学園校医


黄忠 紫苑 独身。


校医である彼女も一刀の体の頑丈さに驚くのだった。


及川「紫苑せんせ〜い!僕も顔が痛いんです〜! 」


及川が気持ち悪く紫苑に言うと


紫苑「君はそれだけ元気なら大丈夫よ! 」


軽く言われてしまった。


紫苑「でも無茶をしたんだから今日は安静にしてなさいよ! 」


紫苑は一刀に向かって言う。


一刀「はい、すいませんでした! 」


一刀も納得して頭を下げるのであった。


クラス紹介


・2年C組


担任:何進(かしん)


生徒数 9人


関羽 愛紗

曹操 華琳

夏侯 春蘭

李典 真桜

袁紹 麗羽

張遼 (しあ)

甘寧 思春

陳琳 仁美

デザーン=リー(留学生)


何進と陳琳の名はアニメの声優からとりました。

リーについては西森の前作を見てください。

何進と陳琳についてはアニメを見てください。


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