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29時間目「北郷夫婦の恋物語」

今回は切刃と優刀の過去の話です。

九州二日目の朝、


我らが主人公・北郷一刀はというと


一刀「んっ…?もう朝なのか 」


昨日の覗きの件で爺ちゃんと共に切刃に説教されたあげく、朝まで木に吊された一刀と爺ちゃんだった。


しばらくして


木の上から降ろされた一刀と爺ちゃんは鍛練を始めた。


北郷家の朝は早い。


家族のみんなは朝の5時に起きてそれぞれ鍛練を始めるのだ。


切刃「一刀、久々に帰ったんだから山まで往復ランニングしてきなさい 」


切刃が言うと


一刀「そうだな、久々に走ってくるよ 」


ちなみにこの家から山までは車で行っても5時間はかかる。いくら人間ばなれした北郷家の人でも3時間はかかるのだ。


優刀「せっかくだし、父さんと一緒に走るか? 」


優刀が誘うと


一刀「いいよ♪今日こそは父さんの前を走ってやるぜ! 」


優刀「まだまだ息子に抜かれるわけにはいかないよ! 」


二人共やる気だった。


刃「わしも暇じゃし、久々に走るとするかのぅ 」


爺さんが言うと


優刀「お義父さん!?もうお年なんですから無茶しないでくださいよ!? 」


一刀「そうだよ!?年よりは庭で碁でもしときなよ!? 」


二人が止めようとすると


刃「バカモン!!二人してわしを年より扱いするでない!こう見えても若い時は『(ハヤブサ)の刃』と呼ばれていて周りの女からは声援がとんで… 」


爺ちゃんが二人の方を見てみると


シ〜ン。


既に二人は走っていた。


優刀「お義父さんが昔の話をする時は長くなるから逃げるが勝ちだな!? 」


一刀「どこまでがホントで嘘かわからないしね!? 」


二人は話を聞きたくないために逃げていた。


刃「こらっー!!待たんか!わしの自慢話を聞け〜!! 」


ピュー!!。


爺ちゃんも二人の後を追って走っていった。


しばらくして


朝の7時


切刃「もうそろそろ帰ってくる頃かな? 」


切刃が朝食の準備をしていると


鈴々「ふにゃ〜…おしっこなのだ〜 」


愛紗「しっかりしろ鈴々! 」


愛紗が寝惚けている鈴々の手を引いて台所に現れた。


愛紗「すみません切刃殿、トイレはどこですか? 」


愛紗がトイレの場所を訪ねると


切刃「トイレなら風呂場の隣に… 」


とその時、


鈴々「もうここでするのだ〜 」


寝惚けた鈴々が台所でおしっこをしようとする。


愛紗「ダメだ鈴々!? 」


切刃「もうちょっと我慢してね!? 」


ダダッ!。


切刃は鈴々を抱えてトイレに走り出した。


しばらくして


愛紗「何とか間に合ったな!? 」


切刃「危なかったわね!? 」


鈴々「にゃはは♪ 」


鈴々はすっかり目が覚めてしまった。


鈴々「ねぇねぇおばちゃん! 」


鈴々が切刃に話しかけると


愛紗「こら鈴々!おばちゃんはないだろう! 」


愛紗が鈴々を叱ると


切刃「いいのよ別に、何か用なの鈴々ちゃん? 」


切刃は愛紗を静めた。そして切刃が聞くと


鈴々「お兄ちゃんのお父さんとはどうやって出会ったのだ? 」


鈴々の直球すぎる質問に対して


愛紗「何を聞くのだ鈴々!! 」


愛紗が怒るが


切刃「いいのよ別に、聞きたいかい? 」


切刃が聞くと


鈴々「聞きたいのだ! 」


鈴々が答えた。


切刃「あたしがあいつと初めて会ったのは二人が高三の時だった 」


ここで話は過去に遡る。


数十年前


ブロロッー!!。


学園にバイクの音が鳴り響いた。


切刃「オラオラてめえら!なめんじゃないぞ! 」


北郷切刃 当時18歳。彼女は九州最強のレディース『天象祢守(アマゾネス)』の頂点に立っていた。あだ名は『紅トカゲの切刃』


彼女がぐれた理由は父親である刃に原因があった。


それは刃がいつも娘に対してセクハラ行為をし続けたため彼女は高一の時にぐれたのだ。


後の一刀の祖母にあたり、切刃の母である北郷切子(せつこ)は刃のセクハラ行為に激怒し、切刃が中一の時に実家の大阪に出ていった。(現在も生存中。本人いわく、刃よりは長く生きてみせるのこと)


そんな切刃は中学時代からセクハラしてくる父を撃退してきたので男は弱いものと認識してしまった。


これが彼女がぐれた理由である。


しかし、学校にはちゃんと通い、弱いものいじめを許さない正義の不良であり、彼女自身も不良になりきれていなかったが、世間の目からはひどくあつかわられていた。


生徒1「またあの不良が来たよ!? 」


生徒2「あんな危ない人なんて来なくていいのに 」


生徒3「不良が勉強してんじゃねぇよ! 」


やはり世間から見れば不良は悪人扱いされていた。


しかし、ただ一人だけ切刃をそんな目で見なかった男がいた。


その男こそ、後の一刀の父親になる北郷優刀(旧姓・翠川(みどりかわ))であった。


当時の彼は成績優秀、スポーツ万能、武力も強い完璧超人だった。


さらに彼は周りの女子からは『白鳥の王子様』と呼ばれるほどモテていた。


女子生徒「優刀様〜、あんな不良なんか見てないで私を見てくださいよ〜 」


優刀は常日頃から切刃のことを見ていた。


そんなある日のこと


切刃がいつものようにバイクを改造していると


ザッ。


優刀が近寄ってきた。


切刃「何か用かよ!!! 」


切刃は優刀のことが嫌いだった。


常日頃から用もなく見られれば怒る理由も分かるのだが


すると優刀は


優刀「きみって可愛いいね♪ 」


優刀の直球すぎる発言に


切刃「あたしが可愛いいだと!ふざけるんじゃないよ!!! 」


グッ


切刃は優刀の胸ぐらに掴みかかった。


切刃は常日頃から父である刃に可愛いいと呼ばれていたため切刃は可愛いいと呼ばれることは侮辱行為だと誤解していた。


切刃「さっきの言葉を取り消しな、そうすりゃ殴らないでおくよ! 」


しかし優刀は


優刀「僕は本気できみを可愛いいと思ってるんだ 」


この言葉に切刃がキレた。


切刃「ふざけるんじゃないって言ってるだろうが! 」


ブンッ!。


切刃は優刀に拳を繰り出した。


その時、


ピロピロピンッ♪


切刃の携帯が鳴り出した。


切刃「ちっ! 」


切刃は拳を止めて携帯を取り出す。


切刃「あたしだ!何か用か! 」


携帯を聞いた切刃は


切刃「何だって!?沙耶の奴が捕まっただと!? 」


沙耶とは切刃の族仲間で切刃にとって妹分にあたる人物なのだ。


切刃「分かった!すぐ行くから待ってろよ!? 」


ピッ!


電話をきった後、切刃はバイクに跨った(またがった)。


切刃「おいテメェ、命拾いしたな!あたしは今忙しいからあばよっ! 」


ブロロッー!!。


切刃はバイクに乗って出ていった。


優刀「… 」


優刀はそれを見て何かを考えていた。


教室内


優刀「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど最近天象祢守と争っている族って知ってる? 」


優刀はクラスから情報を集めていた。


女子生徒「そうですね〜、暴走族の『イビルファング』が紅トカゲを嫌ってるって聞きましたよ。港の第3倉庫をアジトにしているみたいです 」


優刀「ありがとね桃恵ちゃん♪ 」


ちなみにこの時教えてくれたのが後の桃香の母である桃恵であった。(この事は当人達も知らない)


優刀は情報を集めると駆け出していった。


港の第3倉庫


切刃「ぐはっ!? 」


バタッ!


沙耶「切刃姉さん!? 」


金剛沙耶。切刃の右腕的存在


閻魔「さすがの紅トカゲも人質があれば手も足も出せないようだな 」


イビルファング頭、閻魔


彼らは複数で切刃をボロボロにいたぶっていた。


閻魔「紅トカゲさんよう、土下座すれば今日は許してやるぜ 」


閻魔は言うが


切刃「フンッ!女一人相手に男数人でかかる卑怯者に土下座なんて死んでもゴメンだよ! 」


切刃が言うと


閻魔「じゃあ、死にやがれ! 」


ブォンッ!。


キレた閻魔は切刃に金棒を振り降ろした。


切刃、絶体絶命の時


ガキンッ!


金棒は弾かれた。


目を閉じていた切刃が目を開けるとそこには


優刀「どうやら間に合ったみたいだね!? 」


2メートルはある巨大な金棒を刀一本で弾いた優刀がいた。


閻魔「この野郎が!野郎共、やっちまいな! 」


閻魔子分達『うぉー!! 』


向かってくる閻魔達に対して優刀は


優刀「悪いけど、僕は女の子に手を出す奴が一番嫌いでね、本気で成敗させてもらうよ! 」


そして戦いが始まり切刃は目を疑った。


何故なら数百人いた族が優刀一人に手も足も出さずにのされていったからだ。


そして最後に残された閻魔も


閻魔「ぐほっ!? 」


簡単にやられていった。


数百人いた族が一時間もたたずに全滅したことに切刃が驚いていると


タッタッタッ。


優刀が切刃に近付いて


ガバッ!。


お姫様だっこをした。


これに驚いた切刃は


切刃「馬鹿野郎!何しやがるんだ!/// 」


顔を赤くしながら怒鳴ると


優刀「可愛いい女の子が怪我して歩けないというのにほっとく男はいないよ 」


優刀の言葉に切刃は


切刃「また可愛いいって言いやがったな!あたしなんて可愛くな… 」


切刃が最後まで言おうとすると


優刀「断る!君や周りが何と言おうと僕は君を可愛いいと思ってるんだ! 」


さらに続けて優刀は


優刀「僕は君のことが好きになった!君のことは僕がどんなことがあっても絶対に守るから高校を卒業したら僕と結婚してください! 」


ズッキューン!!。


優刀の直球発言に切刃の心は天使の矢に撃ち抜かれた。


そしておもわず切刃は


切刃「こ…こんな女でいいならあんたと一緒になってやるよ!/// 」


告白を了承した。この時、切刃の中にあった『男は弱くて変態』という認識から『男は一部を除いていい奴だ』に変わっていった。


そして次の日


切刃はレディースの仲間を集めて叫んだ。


切刃「今日限りであたしは天象祢守の頂点をやめる!代理は沙耶に任してあるからな! 」


この言葉に告白現場の側にいた沙耶以外は驚いていた。


そして高校卒業後、二人は結婚の話を刃に伝えたが


刃「ダメじゃ認めん! 」


刃は二人の仲を認めてくれなかった。


刃「大事な一人娘を貴様に渡してたまるか! 」


その一人娘に散々セクハラしていたのは誰だ。


刃「そんなに切刃がほしけりゃ貴様が北郷の姓を名乗るがいい! 」


つまり養子に来いということだ。


だがそんなことで優刀の決意は変わらなかった。


優刀「わかりました!切刃のためなら喜んで養子になります! 」


これには刃も認めるしかなかった。


その後、優刀の両親は納得し、二人は結婚式をあげて後に一刀が産まれるのだった。


現在


切刃「というわけさ 」


話を聞いていた愛紗と鈴々は


愛紗「すばらしい過去ですね 」


鈴々「鈴々も大胆な告白されてみたいのだー! 」


そして切刃の話が始まった時、実は桃香・華琳・蓮華も聞耳を立てていた。


桃香「(てことはいずれ一刀くんも大胆に///) 」


華琳「(案外悪くないわね///) 」


蓮華「(ロマンチックだな///) 」


三人がそれぞれ妄想していると


一刀「母さん、ただいま〜! 」


ランニングを終えた一刀達が帰ってきた。


優刀「お義父さん、だから無茶したらダメだといったじゃないですか!? 」


刃「何のこれしき! 」


刃はぎっくり腰になって優刀に背負われていた。


切刃「おかえりなさい!すぐ朝御飯の用意するからね♪ 」


北郷家は今日も平和であった。


今まで送られてきたオリキャラは多少学年などの設定を変えてでも全員は大変ですが登場させますので安心してください。



送られてきたネタはいくつかのネタを参考に話を書いていきます。


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