102時間目「楽進家の試練」
一刀「新学期が始まろうとしていた朝、道端に倒れていたロボットを拾った俺は安藤呂井門という名をつけて漢組生徒の一人にする。しばらくは穏やかな日々が続いていたが落雷を受けたショックで呂井門は本来の目的である俺の抹殺をしようとする。様々な能力で俺を追い詰める呂井門だが最後は友情に目覚めて機能を停止し、飛琳先生によって完全に悪の心を消してもらうのだった 」
ある日の昼休み
バクバクッ!
一刀「ごちそうさんっ! 」
カランッ!
そこにはみんなからのお弁当(桃香・華琳・蓮華・天和達・そして新しく加わった月)のお弁当をきれいに平らげた一刀がいた。
華佗「相変わらず一刀の食欲はすごいな!? 」
左慈「最初にもらった時より更に強くなったから胃袋まで強化されたんだろ 」
左慈の言う通り最初のうちは夜遅くにトレーニングをしてお腹を空かしていた一刀だが相次ぐ戦いのなか一刀の胃袋まで強化され今では七人分の弁当を軽く平らげるくらいになった。
及川「けっ!モテ男くんはうらやましいのぅ 」
及川が悔し紛れに言うと
呂井門「(チューッ!) 」
及川の前にコーラを飲む呂井門がいた。
及川「呂井門!ロボットがコーラ飲むなや、わいに寄越さんかい! 」
パシッ! ゴクゴクッ!
及川は呂井門からコーラを奪い取って飲み始めた。
ところが
呂井門「それはコーラじゃない、ガソリン 」
ブブーッ!
それを聞いた途端及川の口から盛大にガソリンが噴出された。
于吉「お見事ですよ及川!ガソリン飲むなんて眉毛がつながったゴリラの警察官でも多分やったことありませんよ 」
それが誰なのかわかる人はいるだろう。
及川「変なとこに感心するなや!ゲホゲホッ!呂井門、お前もコーラの缶にガソリン入れるなや! 」
呂井門「雰囲気作りのために 」
安藤呂井門…前話から漢組に加わった大きな角が生えた四角いロボット。全身に多くの武器を持つ。
そして場は一刀にうつる。
とまぁいつものように一刀が食堂にて昼御飯を食べていると
ドドドーッ!!
突然地鳴りが聞こえてきて
ガラリッ!
真桜「ちょっとすいまへん! 」
沙和「会長はどこにいるの〜!? 」
勢いよく食堂の扉が開かれて真桜と沙和が入ってきた。
一刀「俺に何か用なの? 」
一刀が二人に聞くと
真桜「会長!大変なことが起きたんや!? 」
沙和「凪ちゃんが転校してしまうの〜!? 」
一刀「えっ!? 」
とにかく二人を落ち着かせた一刀が話を聞いてみると
真桜「最近凪が学校に内緒で休んでたからおかしい思たんや 」
一刀「あの凪が!? 」
一刀が驚くのも無理もない。
2年B組 楽進凪。この学園でも一番真面目を絵にかいたような性格(真面目すぎるが)で真桜や沙和ならともかく凪が無断で休むことなんてありえないのだ。
沙和「桔梗先生は『たまには真面目な凪もサボりたいんじゃろう』って言うしー 」
何事にも大雑把な桔梗先生らしい言葉である。
真桜「そしたら昨日の夜、凪からウチらにへんなメールが届いたんや!? 」
スッ!
真桜は自分の携帯を一刀に見せる。
携帯の画面には
『関羽
金魚
接吻
他
巣
毛
手
』
とおかしな文章が書かれていた。
沙和「沙和はメールが得意だからすぐにわかったの〜!これは凪ちゃんからのSOSなの! 」
実はこのメールの文章を最初の字だけ読むと
『かん・きん・せっ・た・す・け・て 』
沙和「そして接吻をチューに直すと『監禁中助けて』なの! 」
真桜「ウチが発明した携帯電波発信器で凪の居場所は自宅やとわかったんや! 」
沙和「あとは凪ちゃんを取り戻すだけなの! 」
二人が言うと
一刀「だいたい事情はわかったけど、何で二人が凪を助けに行かないの? 」
シーンッ
その場が静かになった。
真桜「だって凪のおとんはめっちゃ怖いんやもん! 」
沙和「沙和達が助けに行ったら絶対に殺されちゃうの〜! 」
二人が騒ぎだすと
真桜「その点会長なら相手が鬼だろうが龍だろうが勝てるやろし! 」
沙和「凪ちゃんを取り戻してほしいの〜! 」
二人に頼まれた一刀は
一刀「仕方がない。午後は欠席届け出しとくから何とか凪の父親を説得してみるよ 」
仕方がなく了承することにした。
そして午後
ドォーンッ!!
一刀は凪の実家である気伝流楽進道場(学園から1時間の場所)にたどり着いた。
一刀「何とか真桜達からもらった地図でたどり着いたけど、どうやって入ろうか? 」
凪を連れ戻しに来たので堂々と玄関から入れるわけがない(瞬間移動は一度行った場所にしか使えない)ので一刀は
一刀「やはり塀から入るしかないな 」
ヒョイッ!
塀をよじ登って入ることにした。
その頃、家の中では
凪「父上、私を学園にいかせてください! 」
珍しく着物姿の凪と
?「ならぬ!お前を二度とフランチェスカには行かさんぞ!♯ 」
ドンッ!
凪の父親、楽進巌が口論していた。
※容姿は三島平八(鉄拳)と江田島平八(男塾)を合わせたような頑固親父の設定です。
巌「だいたいお前をあの学園にいかせたのが間違いだったのじゃ!お前は別の学園に転校させてやるわ! 」
凪「そんな!? 」
凪が驚いていると
ガササッ ザッ!
一刀「あれっ!? 」
塀の上から一刀が現れた。
凪「会長何故ここに!? 」
巌「お前が生徒会長だと!? 」
ジロリッ!
巌は一刀を見つめる。
一刀「(俺って凪の親父さんに何かしたっけ?) 」
一刀は自分を見つめる凪の親父に驚いていた。
しばらくして
シーンッ
何とか部屋に入れるようになった一刀だが、場の空気は重かった。
巌「お前はフランチェスカの生徒会長らしいがこれは親子の問題、部外者が口出しするでないわ 」
まさに正論であるが
一刀「ですが凪から聞いた話じゃあ理由もなく転校なんてひどいじゃないですか!せめて理由を聞かせてください! 」
一刀が言うと
巌「理由だと?よかろう聞かせてやるわ! 」
巌は凪を転校させる理由をはなしはじめた。
巌「まず一つ、ガラクタばかりあさる娘とおしゃれというまやかしに興味をもつ低級な友人。二つ目に最近何かと事件が多い学園。最後が… 」
巌が転校させる最後の理由を話そうとすると
ビシッ!
いきなり凪の胸を指差して
巌「凪が学園の誰かに恋をしていることじゃ!その証拠にフランチェスカに入学してから凪の胸が大きくなっている!我が娘に恋愛など必要なし!婿はワシが選ぶ! 」
バンッ!
最後の理由はアホらしかった。
凪「父上!そんなアホらしい理由で私を転校させようとしたんですか!/// 」
凪が顔を赤くして父上に反論する。
ちなみに凪の胸が大きくなった理由は一刀にあった。
それはまだ凪が一刀大好き連合に入りたての頃、とある筋から『一刀は巨乳好き』と聞いて胸を大きくしたのだった。(ちなみに情報源は真桜と沙和である)
巌「アホらしくても理由は理由、絶対に凪は転校させるぞ! 」
凪「そんな!? 」
何度言っても折れない巌に一刀は
ガバッ!
頭を下げると
一刀「凪の親父さん、生徒会長としてではなく同級生として言います。凪を転校させないでください! 」
一刀の必死の説得に巌は
巌「よかろう、ならばお前には楽進家に伝わる試練を受けてもらおうか。それを見事クリアすれば転校は無しにしよう。少し待っておれ! 」
スッ!
巌は部屋から出ていくと
一刀「試練って何だ? 」
頭に?を浮かべる一刀だった。
しばらくして
ガラリッ!
巌が部屋に入ってきた。
しかも手には鍋を持っている
ガシャンッ!
巌は鍋をテーブルに置くと
巌「この鍋を残さず全て食べれば転校の話は無かったことにしよう! 」
巌が言うと
凪「この鍋は!? 」
凪が驚く!?
一刀「大丈夫だって凪、こう見えても胃袋には自信があるんだ。こんな鍋くらい… 」
パカッ!
だが一刀が鍋のふたを開けてみると
モワ〜ッ!!
そこには真紅に染まった麻婆豆腐があり、見ただけで辛そうなものだった。唯一白い豆腐さえも真っ赤である。
凪「やめてください会長!これは我が家に伝わる『火炎鍋』で名の通り火を吐くほど辛いのです。辛党の私ですら退くほどですよ!? 」
辛党の凪が退くほどの辛さって一体!?
巌「ならば転校じゃ 」
凪「くっ!卑怯ですよ父上!これは今まで父上しか完食できなかったじゃないですか! 」
凪が騒いでいると
カチャリッ
一刀はスプーンを手に取り
スッ バクッ!
激辛麻婆豆腐を一口口に入れた。その直後
一刀「かれ〜!? 」
ゴォーッ!!
一刀の口から炎が噴き出された。
凪「会長大丈夫ですか!?お水を… 」
スッ
凪は一刀に水を渡そうとするが
巌「ダメじゃ!水は一杯でも飲んだらいかんぞ! 」
無茶を言う凪の父
だが一刀は
ガツガツッ!
炎を噴きながらも激辛麻婆豆腐を食べ続ける。
凪「会長何故ですか!?何故私のような一生徒のために!? 」
凪が聞くと
一刀「俺は仲間(学園の生徒)を守るために頑張ってるんだ!俺が生徒会長である限りは誰も転校させはしないぜ! 」
凪「会長/// 」
ポッ
凪の顔が赤くなる。
そしてついに一刀は
一刀「ごちそうさんっ! 」
カラーンッ
唇をタラコにしながらも激辛麻婆豆腐を完食した。
凪「会長大丈夫ですか!?お水をどうぞ! 」
スッ
凪がお水を一刀に差し出すと
ゴキュゴキュッ!
コップの水はすぐに無くなった。
凪「すいません少なかったですね!? 」
ガバッ!
そして凪は洗面器に水を入れて持ってきた。
ゴキュゴキュッ!
一刀「プハッ!ようやくましになったよ!? 」
まだ少し唇が腫れているがましになった一刀だった。
そして一刀は
一刀「凪の親父さん、これで転校の話は無かったことになるんですね? 」
一刀が言うと
巌「うっ!? 」
巌が驚いて黙っていると
?「もういいじゃないですかあなた 」
ガラリッ
部屋の中に傷のない髪をほどいた凪のような女性が入ってきた。
凪「は…母上!? 」
一刀「母上ってことは凪のお母さん!? 」
?「初めまして会長さん。凪の母で楽進波と申します。それとお母さんと呼ばずにお義母さんと呼んでくださいな 」
一刀・凪・巌『へっ!? 』
波の言葉に驚く三人。
波「あらあなた知らなかったんですか?あの鍋を他の男が残さず完食した場合、我が家の娘を嫁に差し出すという決まりがあるのですよ 」
波が言うと
巌「認めん!♯ワシは貴様を息子だなんて絶対認めんぞ!♯ 」
波「早く孫の顔が見たいので頑張ってくださいね♪ 」
一刀「そんな馬鹿な!?凪も何か言ってくれよ!? 」
一刀は凪に救いを求めるが
凪「会長と私が結婚///(プシューッ!) 」
バタンッ!
凪は顔を赤くして倒れてしまった。
そしてこの時、凪の自宅の玄関では
真桜「会長が気になったから授業サボって様子見に来たけど♪ 」
沙和「いい情報が入ったからみんなに知らせるの〜♪ 」
2年B組 于禁沙和。おしゃれ好きで噂話が好きな女の子
そして凪と一刀が婚約したということは沙和の噂により学園中に広まってしまい
桃香「一刀くん、お弁当だよ♪ 」
一刀「おっ!ありがと… 」
一刀大好き連合からは
モワ〜ッ!
桃香「特製激辛お弁当。残さず食べてよね♪♯ 」
華琳「奇遇ね桃香、私も激辛お弁当よ♯ 」
蓮華「私もだ♯ 」
物凄く辛い激辛お弁当攻撃を一刀は食らったという。
一刀大好き連合『残さず食べてよね♪♯ 』
一刀「俺が何したって言うんだ〜!? 」
数日間、タラコ唇で生活する一刀であった。
そして
凪「(会長の奥方となる以上私もお弁当を作らなければ!) 」
一刀への弁当がまた一つ増えたという。
桂花「桂花よ。何なのよこの学園は乳お化けの巣窟じゃない!ただでさえ巨乳の比率が多いのに雫まで転入してくるんだからたまったものじゃないわ!こうなったら私が独自ルートで購入した『巨乳丸』を使って巨乳になってやるんだから!次回、『北郷一子!?』どうなってるのよこれは!? 」