1.弱肉強食
この世は弱肉強食だと理解したのは、わたしがミドルスクールの頃からだった。
わたしには物心つく前には既に両親が離婚してて、父なんて存在は既に存在してなかった。
だからうちはお母さんが2倍働いていて、わたしはいつもおじいちゃんとおばあちゃんと三人で暮らしていた。
わたしは別にそれに対して嫌な気持ちになったことはなかったけれど、どうしても服装や持ち物が周りとちょっとズレてたり古かったりするので目立ってしまった。
そのせいか、ミドルスクールに上がってすぐクラスの“女王蜂”であるジェニーや取り巻きに目をつけられてしまった。
ジェニーは高飛車で高慢ちきで、自分の父が会社の偉い立場なのを鼻にかけて威張ったり、先生達も多額の寄付金のせいで何も言えなかったり、とにかくやりたい放題している。
私が登校すればロッカーの中はぐちゃぐちゃに荒らされてるのはいつもだし、ランチの度にわたしのご飯を眺めてはいつも嫌みを言うのだ。
でもそんなのは序の口、最悪なのは水をかけられたりノートを破られたり、わざとわたしの横で転んだフリをしてわたしを悪者扱いすること。
先生達もジェニーの父親が怖くてわたしをすぐに犯人と決め付け、挙げ句の果てにはお母さんを呼びだして謝れと言ってくる。立場の弱いお母さんは平謝り。
幼いながらにこの世は弱い者には優しくないと悟るには十分すぎるほどだった。
そしてハイスクールの今も変わらず、なんなら前よりも最悪で初めて出来た彼氏はジェニーに誑かされたどころか、別れた理由もわたしのせいにしてきたのだ。
「君には見損なったぞ、ベアトリクス・ロビンソン!」
「え?なんのこと……?ちょっと待って、話が全然見えないのだけど……」
「すっとぼけてもそうはいかない、ジェニーのことだ!!」
「え……?」
「君は変わってる自分を特別みたいに見せてるけど、変わり者の君のせいで周りはうんざりしてるんだぞ。
そんな君を心配してジェニーは陰ながらフォローしてくれてるのに、わざと転ばせただなんて……!!」
彼が正義感強めなのは知ってたけど、人の話も聞かずに暴走するのは知らなかったな。
「悪いけど、僕は性格悪い人間が大嫌いなんだ、そんな君よりも心優しいジェニーと付き合うことにする。
この機会に心を入れ換えることだよ、トリクシー」
そんな事を言いながらアイツはジェニーの肩を抱きながら歩いていく、ジェニーがコチラをバカにしてるのなんか気付きもせずに。
二人が去ってから一気に力が抜けてその場にへたり込んだ。
「あーあ……自分の見る目の無さにガッカリだな……」
あれ、おかしいな、目の前がぼやけて……
気付いたら涙がひとつふたつと溢れてきた。
わたしは自分で思ってるより弱かったみたい。
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