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今回は少し長めになりました!

良いところで区切れなかった(笑)

「いやー、世間て狭いねー」


「お前、ふざけてんのか?」


「あーはいはい、そう怒んなよ。顔近づけんな」


メンチを切ってくる千堂にうんざりしながらも俺は学校の案内をする。

さすがに先生の頼み事、無下にはできん、

てかサボったのばれたらボランティアさせられるし。


「で、昨日はなんであんなことしてたの?ナンパ?やめとけお前には高根の華だぞ」


「死にてぇらしいな、、!」


はい、胸倉掴まれて壁に押し付けられてます。

お巡りさん、助けて。


「あのなぁ、今どきワルなんて流行ってないの。別に迷惑かけないならいいけどあれはないだろ」


髪もオレンジに染めてピアスもあけてまるで高校デビューしたかのような出で立ち。

いいんだよ?高校デビューはむしろこれまでの自分を変えようとした結果だ。

誇っていい。

ただそれとこれとは別だが。


「お前、勘違いしてねーか?」


「は?お前がナンパ失敗して腹いせに囲んで逆にいじめられて負けて暴走して手を出そうとしたことか?」」


「て、手をあげようとしたのは悪かったけどよ、いや違うんだよ!」


こいつは何を言ってんだ?

秋兎の?を表情で感じ取った千堂の次の発言にはさすがに驚愕した。


「あいつは俺の妹なんだよ!」


「、、、、、、、は?」


思考がフリーズした。

妹?

あれが?

家族に対してあそこまで暴言言えんの?


「いやまぁ、その、俺達も悪かったけどさ。あの時妹が門限までに帰ってこなかったから探して説教したら逆ギレされて、、、」


ん?もしかしてあいつら全員こいつの妹探しを手伝っただけのいい奴らだったの?

それを俺はナンパと勘違いして狼秋と一緒に助けに行ったわけか。

で、俺は奇襲したと。

ふむ、、、、。


「でも妹に手をあげたよな?」


「うっ、それは、、、、」


こいつ、多分いい奴だな。

めっちゃ後悔してるもん。

必死に友達にもお願いして探した妹にあんな暴言吐かれたらそりゃ怒るよな。


「そんで俺の弟殴ったよな?」


「わ、悪かった、、、、あとで謝りにいく」


いやほんといいやつだな。

なんで不良みたいな格好してんだ?


「はぁ、しょうがねえな」


「悪い、、、、」


「俺も手を出した手前、喧嘩両成敗だろ。ただ弟は手を出してないからな。幸い、この学校にいるしわかりやすいから謝っとけよ」


「この学校にいる?」


「1個下。んでこの学校の生徒会長」


「い、一年で生徒会長!?すげぇな」


「だろ?マジすげーんだよなあいつ」


実際にかなりすごいとは思う。

おまけに人気が学年問わずあるからなぁ。

カリスマ、とでもいうのだろうか。

昔から人を魅力する何かがあるのだろう。

あいつの周りには絶対に誰かがいて、その中心にいる。


「そうか。ならもしかしたら妹と同じクラスになってる可能性もあるな」


「あ?お前の妹も1個下なの?」


「あ、ああ。ちなみに横にいた子は妹の友達で親戚の子だ。親が海外に数年出張になったからうちで暮らしてるんだ」


うわあ、嫌な予感、、、。

これ絶対恋愛フラグ狼秋(ろあ)にいっただろ。


「そか。まぁ俺には関係ねーや」


「お、おう?」


その後、一通り学校を案内し終えたころにはある程度は喋れる仲になっていた。

うんほんと、いい奴だった。

終わった後もありがとうって言われたし。

授業態度もまじめでノートもきちんととるし話もちゃんと聞く。

俺は寝てる。

おかしい、立場は逆のはず、、、、。



あとやはりというか、狼秋(ろあ)のクラスにあの2人がきたらしい。

イケメンは死ね。










千堂が転校してきて早2週間。

元々の性格の良さかクラスにも馴染んでいる。

人が困っていると率先して助け、この前なんて椅子を使って高い所に置いてあった機材をとろうとした女子生徒が倒れてきたときにはいち早く反応してお姫様抱っこで救出していた。

そんなことが多数起き、次第に溶け込めていったのだ。


「やっぱイケメンは死ぬべきだよなあ」


「それだと俺も死んじゃうんだけどー」


「帝、今彼女何人?」


「ん?4人ー」


「爆ぜ散れ!!」


「あはははー」


昼休み、俺は帝とくだらない争いをしながらご飯を食べていた。

帝は普段女の子とご飯を食べているのだが週1でかならず俺とご飯を食べる。

本人曰く、ずっと女の子に気を遣うのが疲れるからとのこと。

いやはや死んでくれ。


「あ、そういえば弟君大変だねー」


「あ?狼秋(ろあ)が?」


「知らない?うちのトップ3の女子がこぞって狙ってるらしいよー」


帝の話を整理すると大変なことになっていた。

現在、この学校で最も可愛いとされている3人の女子が狼秋(ろあ)を狙っているのだ。

1人は3年生の天根美羽(あまねみう)

1年生の時から不動の1位を勝ち取っており、帝と同じく読者モデルもやっているほどの超美人。

次に2年生の柏木愛美(かしわぎあみ)

天根美羽が綺麗な美人と評するのであれば、彼女は可愛い美人だろう。

妹のように人懐っこい性格であると評判がある。

ただ実際はぶりっ子ではとも噂されておりその真偽はわからない。

今まではこの2人の2大巨頭だったのだが、新たに第3勢力が参戦した。

それがこの前転校してきた千堂の妹の友達、フィーネ・ゼインさんだ。

ハーフだと思っていたが親は2人ともアメリカ人で純血。

しかも英語も日本語もぺらぺら。

学力も高く、狼秋(ろあ)についで2番目の地位を獲得しているらしい。

実際はまだ5月なので中間テストも期末テストも行われていないんだからわかるはずもないが、それくらい高いとのこと。

人当りもよく、まさに高嶺の華。

そしてその3人ともが弟の狼秋(ろあ)を狙っている現実に俺は思う。

世界は不公平だ。


「あれ、でもお前その内の1人と付き合ってなかったっけ?」


「、、、、、複数の子と付き合うのダメだったらしくてさー」


「なるほど、把握」


「それで、弟くんの本命って誰なのー?」


「知るかよ。兄弟でそんな話しねーよ」


もし仮にされてたらそれをネタに女子生徒に高値で売りつけるつもりではある。

実際にやったこともある。

クリームパンうまかったなぁ。

あとでバレて殴られたけど。


「あー、あと彼さっきから空気みたいにいるけど、いい加減構ってあげたらー?」


視線を向けるとちらちらこっちをみながらそわそわしている千堂がいた。

いやかまってちゃんかよとも思うが知らない仲ではない。

何より謝ってくれたし、実際にはいい奴だった。

なにより、いい加減鬱陶しい。


「、、、、はぁ、おい千堂。そんなめんどい雰囲気出してないでこっちこいよ」


「お、おう、、、いいのか?」


首をかきながら恥ずかしそうに、だが嬉しそうにやってくる千堂。

とりあえずこれだけは言っておこう。


「前の件ならお前が100悪いから安心しろって」


秋兎(あきと)ー?お前は完全に悪だよー」


何を言ってるんだこいつは?

オレが悪い?

正義のヒーローが悪いなんてことはあるはずないだろう。


「いやいや待て、オレボコられたんだけど」


「逃げれたのに喧嘩売ってボコられただけじゃん」


「はぁ?ボコられてないし、ちょっとやられただけだし」


「雑魚おつー」


「帝、お前とは拳で会話した方がいいらしいな」


オレはこう見えてボクシングジムに通っている。

優男のこいつに負けるはずがない。


「ひゃー怖い。琥珀くん助けてー」


「え!?お、おう!」


「よし交流会終わり。改めて自己紹介しようぜ」


「あ、逃げた」


逃げた、違う。

オレは思考を切り替えて改めて話し始める。


「改めて自己紹介しとくか。まぁオレはいらないだろうけど。お前の後ろに隠れた優男は西園寺帝(さいおんじみかど)。色んな女侍らしてるクズ野郎だけど、信頼できる奴だ」


「どーもクズにクズって言われた帝でーす」


オレに向かって中指を立てながら元気に挨拶する帝。

その中指たたき折ってやろうか?あん?(# ゜Д゜)


「お、オレは千堂琥珀(せんどうこはく)だ。よろしく、、、」


「よろしくねー琥珀くん」


「お、おう、、」


帝の握手に応じる千堂の姿に違和感を感じる。

千堂はオレンジ髪に染めており、服装、言動からも不良、ないしヤンキーみたいだと思っていた。

ただこの反応だったり、さっきの隠れてこっちを伺っている様子からどうも違うみたいなんだよな。

この前も話してて気さくだったし。


「なぁ、お前って不良じゃないの?」


面倒くさいから直球で聞いてみる。


「は?不良?オレがか?」


「髪をオレンジに染めて、ピアスもつけて、服装も不良みたいだったし」


完全には覚えてないが、制服にチェーンみたいなのをつけてまさに不良みたいな恰好だった。

、、、、、、た、確かだけど。


「ちょ、ちょっと待て、オレは不良じゃないぞ」


「だよねー。クラスでもそんなことしてないしー」


「これだって今の流行に合わせてやってるだけだぞ!」


「は?」


流行?これが?え、そうなの?

オレは帝に視線を向けるが首を横に振っている。

最新の流行を常にチェックするのが日課の帝が言うんだ。間違いはない。

ということは


「ちなみにどこ情報?」


「妹だよ」


「嵌められたな、、、お前不良にしか見えない」


「なっ、アイス買ってやったのに!」


「「どんまい」」


地面に項垂れる千堂の肩にやさしく手を置いてやるオレと帝。

騙されたんだろうな。

けどそれが兄貴ってもんだ。

オレも兄貴だからよくわかる。


「まぁこの学校そういうのに緩いからいいんじゃねぇか」


「そーそー。それに秋兎(あきと)の私服に比べたら全然マシだよー」


「は?」


「全身ジャージは今時やんないよ、、、、」


全身ジャージはあるに決まってるだろ。

何を言ってやがるこいつ。

それに陰キャはファッションなんぞしないのが暗黙のルールだ。


「あと、オレにはファッションなんぞに気を遣う時間はねぇんだよ」


「ま、それもそだねー」


「あ?どういうことだよ」


キーンコーンカーンコーン、と昼休みの終わりのチャイムが鳴り響く。


「やばいな、チャイムなっちまった」


「もどろっかー」


「だな、行こうぜ」


「お、おう」


俺達はそのまま教室に戻るのだった。

それと今度帝の噂広めてやろ。

そうだな、男にも興味があった的な感じだと面白いはずだ。


「あ、変な噂広めたら秋兎(あきと)が僕をいじめたって女の子に言うからねー」


「俺達友達だろ。そんなことするわけないじゃん」


「前に10股してる噂流したの秋兎でしょー?」


「あははははなんのことかわかんないな」


友達大事。

それはそうとなんでバレてる?

次回更新はできれば明日にしたいと思います。

無理な場合は1週間以内になります。

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