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うおおおお!

もう少しで20話行くぞ!!!

まずいまずいまずい!!!

どうしてこうなったの!?

あみの計画は完璧だった!!

途中までは良かったはずなのに、、、、!

千堂琥珀(せんどうこはく)、、、、あいつが台無しにした。

あみがわざわざ下僕達を使ってあの陰キャの情報収集をしてそれらしく事実を捻じ曲げたり、

偽の証言者を作ったり色々してやったのに!!

なんで、どうしてよ!?

天根美羽(あまねみう)があいつらにお願いしてイラストの練習をしているのも知っていたし、本人もごろうさんが

大好きって隠してなかったからそれを台無しにさせて仲違いさせているうちに潰すつもりだったのに!

ああもうイライラするー!!!

千堂琥珀が襲われているのは確認したけどまさかあんなに早く和解するなんて、、、。

あみが主犯ってこともバレたはず。

どうしよどうしよ、、、、。


「あ、愛美(あみ)ちゃん、、、まずいです」


「なあに!?」


下僕の一人が慌ててやってくる。

汗だらだらで気持ち悪いったらない。

あーあ、昔の愛美だったら絶対近づけてないのに、やになるなーもう!


月野狼秋(つきのろあ)がこちらに向かっています!」


「え、狼秋(ろあ)くんが!?」


確実にバレてる、、、、。どうしよどうしよどうしよ!?


「それもかなり激怒しているみたいで、、、、おまけに兄の月野秋兎(つきのあきと)西園寺帝(さいおんじみかど)千堂琥珀(せんどうこはく)やその他も全員います、、」


え、、、、、もう、詰みじゃん。

この前の一件であみの権力もガタ落ち。

今じゃあみのいうことを聞いてくれるのもこんな陰キャ達だけ。

、、、、どこで間違えたのかな、、、。


「おい、柏木愛美(かしわぎあみ)はどこにいる?」


あみのクラスに乗り込んできちゃった。

ほんと、かっこいいなあ。

裏表なしで惚れたのはこれが初めてだった。

だからやれることは全てやった。

でも、あみにできるのはこんな後ろ暗い裏工作だけ。

だって、あみが勝てるわけないもん。

あみが一番わかってる。

あみはいわゆる今だけの女の子。

ぶりっ子なんて今しかできないし、あみはただ可愛いだけ。

でも他の2人は違う。

私とは違って本物の天然のフィーネ・ゼイン。

明るくてぽわぽわしてて、、、紛い物のあみとは大違い。

天根美羽もそう。

美人を体現してような人。

凛としてて、世の中の女性が憧れるかっこいい美人さん。

あみも、そっち側が良かったな、、、。

でも現実逃避してるあみを見逃してはくれないみたい。

狼秋くんとその他大勢があみの方にやってくる。

下僕達もビビッて離れていくし、、、、やっぱり頼りないなー。

そうして、とうとうあみの目の前にやってきた。


「、、、、用件は、わかっているな?」


「、、、、、」


怖い。

ここまで怖い狼秋くんは初めてかもしれない。

でも、しょうがない。

あみなりに狼秋くんにアプローチした結果だもん。

だから、最後まで意地は通そうと思う。

それが、負けた私なりの最後の抵抗。


「あーあ、バレちゃったかー」


華々しく散ってあげる。








俺達が柏木愛美の元へ向かうと奴は堂々とふんぞり返って俺達を見返していた。

取り巻きも以前とは違い激減している。

それに今のあいつの傍には誰もいない。

だが、手を抜く気は一切ない。

あの女は許されないことをしたんだ。

相応の罰を与えてやる。


「貴様、、、いい度胸だな」


「べっつにー。あみだって覚悟もなくしたわけじゃないしー」


実際問題、俺がやれることはない。

一生徒がやれることなどたかがしれている。

生徒会長などという肩書があろうと私利私欲に使える筈もなく、やれることもない。

だからこれは警告であり、完全な決別だ。

これまで近くに寄ろうが害はなかったため放置していた。

だがここまでだ。

こいつにはこの学校から消えてもらう。

どんな手を使おうと。


「で、あみに何かするのー?わー、怖い怖い。何されちゃうんだろうなー?」


俺が何もできないと思っているからこういう態度をとっているのだろうな。

俺は今まで自分の人気や権力をひけらかすことをしなかった。

それは俺のポリシーに反するからだ。

でも、今この時だけは破るとしよう。

秋兎流に言うなら、クズに容赦する価値はない、だ。

俺は柏木愛美のクラスメイト全員に聞こえるように声を張り上げる。


「これからこの女に手を貸すこと、助けること、ありとあらゆる行為を禁じる。破ればどうなるか考えることだな。

ただの脅しだと思うなよ?俺は本気だ」


「なっ!?」


柏木愛美の顔色が変わる。

俺がここまでするとは思っていなかったのだろう。

いい気味だ。

柏木愛美のクラスメイト達も同じように青ざめているから、脅しを跳ねのけて手伝うやつもいないだろう。

それにこの脅しの効果はこれだけじゃない。

どうなるかはまだわからないが、まともな学校生活は遅れないだろう。


「あと僕からも言っておくけど、2度と近づかないでねー?君のこと大っ嫌いだからー」


帝も俺に続いてダメ押しする。

これで大多数の女子生徒が柏木愛美の敵になるだろう。

ナルシストな考えであまり好きじゃないが、俺と帝はかなりモテる。

俺と帝がこういえばいよいよ手助けする生徒はいなくなるだろう。


「私も、あんたにされたこと許してないから。ぶりっ子って、きもいからやめた方がいいんじゃない?」


「冴ちゃん、言いすぎだよ。でも、貴女がしたことは最低です。ちゃんと反省してください」


冴とフィーネも鬱憤が溜まっていたのだろう。

視線も冷ややかだ。

琥珀が2人の肩を叩いて後ろに下がらせる。


「お前の偽の情報に踊らされたが、俺達を舐めすぎだな。お前はもう終わりだ。せいぜい足掻いてろ」


操られた身としては言わずには入れなかった琥珀はそれだけ言うと狼秋にバトンタッチする。

柏木愛美は絶望の表情を浮かべるだけで何も喋らない。

本当にいい気味だ。

思い知れ、自身が行った罪の重さを。


「言いたいことは言った。じゃあな」


そうして俺達は教室を去る。

これであの女は完全に失墜し、この件も完全に片付いた。

天根先輩もイラストに集中できるだろう。

俺はこれからやることに思考を切り替え計画を立てる。

みんなには隠してるが、もう一つ、大事なイベントもあることだしな。

それから各々自分の教室に戻って大人しく学生の本文に励み、放課後また集まることになった。










「こ、これは、、、!」


「ああ、完成したな」


全員が視線を向ける先、そこにはウィスキーを飲みながらグラサンをかけ、ゴム鉄砲を構えるオリジナルだが

完璧なごろうさんがいた。

以前破かれたイラストよりさらにレベルアップしていたごろうさん。

これは下手ではなく、誰がみても上手い!と言われるクオリティのイラストだった。


「みんな、ありがとう!ここまでこれたのは間違いなく君達のおかげだ!!」


感謝の言葉を述べる天根美羽に全員が笑顔を返す。

約1ヶ月近く努力し続けここまで来たのだ。

ダークマターからたった1ヶ月で進化したのは本人の努力ゆえだ。

他の人だったらこうはいかないだろう。


「美羽ちゃん、、、よく頑張ったね」


帝が天根美羽の頭をポンポンと叩きながら労う。

今回一番協力したのは帝だ。

いつもやっている他の彼女との食事や遊びを全てキャンセルして天根美羽のために割いたのだ。

あの女たらしで有名な帝がだ。

それくらい本気で応援してたし協力した。

まあ、理由はもうわかってはいるが素直に俺は尊敬する。


「本当にダークマターだった時はどうなるかと思いましたけど、流石ですね天根先輩」


「ほんっとーに上手だよ!ごろうさんすっごく可愛いと思います!」


2人からの賞賛に天根美羽は照れながら感謝する。


「2人ともありがとう。おかげで快適に過ごせたし、とても集中できたよ」


フィーネさんと千堂冴さんはイラスト自体の協力はできなかったが集中できるよう補佐していた。

飲み物や食べ物などを提供したり、適度な休憩時間をとれるよう調整したりなど様々だ。

献身的な行動はやろうと思ってやれるわけではない。

そのおかげでイラストのみに集中することができたからこそここまで辿り着けたのだ。

彼女たちのおかげといっても過言ではない。


「あの、、、、天根先輩」


琥珀が申し訳なさそうに声をかける。

渾身の出来栄えだったごろうさんを破り捨てた本人であるがゆえに罪悪感も倍増だろう。

天根美羽の表情からも笑みが消える。

怒るのも無理はない。

それに破いて集めたのまたぶちまけるとか思い出せば本当にクズいことやってたからな。

恨みも深いだろうなー。


「千堂くん。君には言葉では表現できないほど酷いことをされた」


「はい、、、、」


美人は怒ってても綺麗だなーと他人事ながら見ている。

自分が怒られてない時ほど他人が怒られているのを見るのは正直、楽しい。

そんなクズなことを考えていると天根先輩が口を開く。


「だが、君は妹やみんなのことを考えて暴走したゆえだと聞いた」


んー、まあ間違いではない、か?

俺に対して言ってたが妹やみんなに近づくな犯罪者とか言ってたし。


「だが、私としてはごろうさんを侮辱した君を許すのは間違いだと思っている」


ごろうさん愛が強すぎる。

理由に納得したと思ったら全然納得してないし。

流れ的には納得だったんだけどね?

琥珀も青ざめちゃってるもん。


「本当なら今すぐ八つ裂きにしてごろうさんのありがたみを全身に刻んでやりたい気持ちだ」


さらっと怖いこと言うなこの人。


「でも帝に止められた。ごろうさんを理由にそんなことをすれば後悔するぞと」


帝、よくやった。

お前が止めなければ多分琥珀はボコボコにされていただろう。

木刀持ってたくらい出しな。


「だからごろうさんに免じて許してやろう。ちよかわみないと殺すからな」


「はい!絶対に見ます!!!」


殺害予告をしながら謝罪を受け入れた天根先輩にビビりながら返答する琥珀。

まあ怖いよな。

受け入れながら殺害予告入れてくる人初めて見たんだけど。

長いようで短かった天根美羽ごろうさん強化計画。

うまくいって本当に良かった。


「みんな、ちょっと話があるんだ」


帝が声をあげる。

それに天根先輩の顔が少し赤くなりながらも帝の腕に自身の腕を絡ませる。

おい、まさか、、、、

冗談だよな?


「狼秋はもう知ってるんだけど、改めてみんなに報告しようと思って」


スコップは玄関前の戸棚にあったよな、よし取りに、、、、おいおい弟よなぜ俺の肩を掴んでいる?


「余計なことはするな」


俺の浅はかな計画が見破られる中、琥珀の口から予想通りの言葉が紡がれる。


「美羽ちゃんとつきあうことになりましたー。これからもよろしくね」


「私としても帝の友達の君たちと仲良くしたい。改めてよろしく頼む」


この報告に全員(俺以外)が拍手を送る。

予想はしていたのだろう。

誰も驚いてはいない。

というかあんな2人を見てて予想しない奴なんていないだろ!?

リア充がまたできやがってー!!!

許せねぇ、、、、。

これは、やるしかないな、、、。


「おめでとう。いやーめでたいなー。折角のお祝いだし、ジュース持ってくるから待っててくれ」


俺はそう言いながら部屋から抜け出し飲み物を取りに行く。

コーラは、あった。

んで、唐辛子、激辛ソース、わさび、、、と。

よし、みんなの分も準備できたし持っていくか。

そして俺が振り返ると全員いた。


「、、、、、、、、帝、これ飲めよ。お祝いだ」


「「「「「秋兎(先輩)、、、、、」」」」」


ちっ、計画が失敗したか!

そんなこんなで計画はとん挫したがそのあと全員で楽しくプチパーティをしながら2人を祝福するのだった。














いつか絶対に飲ませてやるからな!!!!

リア充は許さねええ!!(# ゜Д゜)

次回は記念すべき20話になります!

絶対に更新できるよう頑張ります!


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