18
気づけば20話までもう少し、、、、、。
早いようで短い間にここまで来れて超うれしいっす(/・ω・)/
待て待て待て、何の話だ??
レイプ犯?
俺が??
陰キャどうこうの話ですら霞むんだけど!?
え、マジ何の話???
「おい琥珀、お前何聞いたんだ?」
「げほっ、お前がクラスメイトの女の子に告白して、フラれた腹いせにレイプしたって」
「んなことするわけねえだろ!!」
倒れてる琥珀の腹部に思い切り蹴りを放つ。
いやほんとにこいつ何を考えてるんだ??
俺がそんなことするわけないだろう。
「なあ、詳しく話せ。お前ホントに何を教え込まれた?」
俺は後ろに放り投げた金属バットを拾いながら琥珀に質問する。
よりにもよってレイプだと?
ふざけるのも大概にしてくれ。
「ああ話してやるよ。お前の悪事をな」
今ここで反論しても無駄なのがわかっているので聞き流す。
頭に血が上っている奴にはまず喋らせた方が早い。
そして琥珀から語られた内容に俺は呆れを通り越して笑うしかなかった。
「あー、整理するぞ。俺は中学で同じクラスの女の子にフラれた腹いせにレイプした。
ただ未成年ということもあって少年院にはいかず、女の子も恐怖で事実を話すことができなくて今こうして
学校に通えているってか?お前言ってて馬鹿らしいと思わないか?」
「なんだと?」
いや、こいつ気づいてないのか?
これがあり得ないってことに。
「お前、狼秋のことどう思う?」
「お前の弟がどうした?話しをすり替えるな」
「いいから!俺の質問に答えろ。狼秋をどう思う?」
琥珀が怒鳴ろうとしたが無理やり黙らせて俺の質問に答えさせる。
「、、、、、どうって、生徒会長で、勉強も運動もできる」
「まあ俺が言うのもなんだが完璧超人だ。できないことはないし、人望も厚い。それはお前も知ってるな?」
「ああ、、、」
不服そうにしながらも頷く琥珀だが、これがある意味証明になるのだ。
俺がそんなことをしていないという証明に。
「ならなぜ気づかない?そんなことをするやつをあいつが許すと思うか?」
「それは、、、、」
だが俺にはまだ証拠がある。
決定的な証拠が。
「、、、、、見せたくはなかったが、これを見ろ」
そう言って俺はある情報を携帯で検索し、琥珀に画面を向ける。
「これは、、!?」
「確かに俺はお前の言う通り犯罪者でクズだ。それは間違ってはいない」
「だがこれは、、」
間違っていない事実があるとすれば、それは俺がクズだってことだ。
しかしそれでも俺はやっていないし、俺が仮にそんなことをしたと仮定しよう。
狼秋が俺を許すはずがない。
「あとなー、、、。陰キャの俺がそもそもどうやって恋愛するってんだよ?」
俺は昔から陰キャだ。
高校になるまで友達もネットのバードさんしかいない。
それでどうやって誰かを好きになるってんだ?
ずっと陰口叩かれてんだぞ?
くらーい、きもーい、くさいーwwなんて言われて惚れるわけねぇだろ。
「そ、それは、、、、そうなんだけど」
「いい加減わかっただろ」
申し訳なさそうに頷く琥珀にやっと俺は肩の荷が下りる。
それはそれ、これはこれでやることはやっておこう。
俺は琥珀に手を差し伸べる。
疑いもせず俺の手を取った琥珀に対して俺は無言で顔面に拳を叩きこむ。
「がっ」
全力で、なんなら死ねばいいと思いながら拳を振りぬく。
琥珀の鼻から大量に出血している。
多分折れたな。
でも、俺の怒りは収まらない。
「で、俺からも聞きたいんだけど」
さっきまでの俺とは違う。
こいつが勘違いしていたから俺はそれを正した。
琥珀も理解して自分が間違っていると分かったから俺の手をとった。
なら話は次に移るべきだ。
「天根先輩にあんなことをした理由、俺関連だとしても見境なさすぎだよな?」
「わ、わるかっ」
「謝って済むわけねえだろ」
あんなに努力した天根先輩のイラストをこいつは俺が女の子をレイプする犯罪者だと勘違いしたとはいえ
関係なかったはずだ。
俺がキレている一番の理由はそこだ。
それにこいつは努力した人間を侮辱した。
意図がなかったとしても結果はそれ以外にない。
ならば俺がやることは一つ。
仲直りなんてクソくらえ。
「歯ぁ食いしばれ。金属バットを使わないだけありがたく思えよ」
「いやちょっ」
結果として俺は琥珀をボコボコにして一緒に俺の家へと向かう。
まずは狼秋に相談しよう。
この馬鹿が誰かの口車に乗せられてこうなったんだと。
俺ではこの事態に収拾をつけられない。
というかどうやれば元凶の奴をとっちめれるかわからないからだ。
狼秋怒るだろうなあ、、、キレるだろうなあ、、、。
彼女のお兄さんボコったの、兄貴だもんな。
痛くもないお腹をさすりながら俺は家へと帰る。
、、、、、あ、本当にお腹痛くなってきた。
「なんでお前ら全員いるんだ?」
俺が家に着くとそこには狼秋、帝、フィーネさん、千堂冴さん、そして天根先輩もいた。
どこか沈んだ表情なのは天根先輩の一件のせいだろう。
あれだけ嬉しがっていたのに破り捨てられたのだ。
落ち込むのも無理はない。
「秋兎、お前、何をやった?」
「ちょっ、なんで兄貴そんなボロボロなの!?」
狼秋が険しい顔で俺を見ながら質問し、千堂冴は兄のボロボロな姿にびっくりする。
ああ、そういうことか。
まあ、怪我だらけの琥珀がここにいればそうなるわな。
それにあんだけのことをしでかしたこの馬鹿をつれてくればこの反応なのもわかる。
だが俺が色々考えて仲直りさせるなんて無理な話だ。
だから俺がとった行動は
「あー、今から1から説明する。まずは話を聞け」
「、、、、聞けると思うか?」
天根先輩からどすの聞いた声が響く。
人は恐怖を克服すると後から来るのは怒りの感情だ。
怖いからパニックになったり、行動できなくなるんだ。
それがなくなった今なら残るのは怒りだけだ。
つまり、超やばい。
「落ち着いてください、天根先輩。俺のせいだったんです」
「なんだと、、、?」
木刀を俺に向けながら鋭い眼光を向けてくる。
いや待て、どこから出したその木刀?
冷や汗が流れるが、今は何よりも会話できる状況を作らなければならない。
「俺が標的で、先輩は巻き添えを喰らったんです!いいから話を聞いてください!」
「巻き添え、、、君のせい、、、?そんなことで、、、そんなことで私のごろうさんを、、、っ!!!」
あ、これミスったか?
天根先輩の木刀を握る力が強くなる。
俺にも聞こえるくらいだからな。
握力強くね?
「許さない、、、、私のごろうさん、、、!!!」
ああー、、、鬼キレてる、、、。
頼む狼秋、止めてくれ!!
俺は目配せで狼秋に視線を向けると呆れながらため息を吐いて立ち上がる。
やっぱりこういう時は頼れる弟だぜ!!
「天根先輩、一度話を聞きましょう。琥珀がボロボロになってるのも気になります」
「狼秋くん、しかしっ」
「天根先輩」
「くっ、いいだろう。だが私が納得できなかったら、わかっているな?」
うん、俺の首元に木刀当てるの止めてね?
マジ怖いから。
こうして俺は琥珀と起きた出来事を全て話す。
何があってこうなったのか、俺がなにしていたのか、琥珀がなんでボロボロなのか。
全てを説明し終えると反応はそれぞれだった。
まず狼秋。
「バカ兄貴がマジですみませんでした」
「い、いや、俺も悪かったから、、、」
「狼秋、てめぇ、、、っ!!」
話しを聞き終えるなり俺の鳩尾に拳をぶち込んできやがった!!!
このクソ弟が!!!
狼秋は琥珀に謝罪しているがされている本人はおどおどしていた。
次に帝と天根先輩。
「美羽ちゃんに謝れ」
「本当にすみませんでした!!!!」
「許すかあああ!!!」
「ごふっ」
キレイなボディーブローと共に倒れ伏す琥珀。
はは、ざまあみやがれ。
最後に千堂冴とフィーネさん。
「兄貴、、、今すぐ死ねよゴミが」
「次からはちゃんと相談してくださいね?」
「本当にごめん!!!!」
妹の冴からは暴言、フィーネからは注意をされていよいよ琥珀の頭があがらなくなった。
実際、この件に関しては琥珀が悪いからしょうがない。
人が怒られてるのみるのやっぱり楽しいー!!
「おい秋兎、お前もだからな??」
狼秋が笑顔を浮かべながら青筋を浮かべている。
こういう時、大体キレてんだよなー、、。
俺の頭掴んでる力鬼強いもん。
このまま潰れろとでもいわんくらいに。
「そもそも金属バットを持って襲い掛かるなんて何を考えてた?」
ああなんだ、そのことか。
なら答えるのは簡単だ。
「琥珀が本物のクズだったら殴り殺すつもりだったぞ?」
俺の言葉に全員が呆れる。
「あんたねぇ、冗談でもそんなこと言うのやめてよ。笑えない」
千堂冴の呆れた声に追従して全員が注意し始める。
「秋兎さん、そもそも君陰キャで度胸もないでしょー?」
「私も感心しないな。殺すだなんて、友達に冗談でも向けてはだめだ」
「あの、秋兎さんも冗談でしょうから、ほどほどに」
「まあ、襲っても返り討ちに合いそうだけどね」
冴の一言で空気が和む。
狼秋だけは険しい顔をしていたが、まあ兄弟だからな。
「そもそもこうなった原因を説明してほしい。なんであんなことをしたんだ?」
「、、、、わかってる。順番に話すよ」
そして琥珀は口を開いた。
この事件の黒幕であり、琥珀を騙し、俺達に攻撃をしかけた主犯。
それはよく知っている人間だった。
「はあ、懲りてないんだな、、、」
「なんとなく俺はそんな気はしてたけどな」
犯人は柏木愛美。
彼女が琥珀を騙し、俺の嘘の情報を流した張本人だった。
琥珀や他のみんなにも話したが俺はレイプなんぞしていない。
にもかかわらず承認がいたり、証拠として出された事件があったりしたのはただの工作だ。
まず証人に関してだが、見たわけではないが俺の中学時代を知っている狼秋がそもそもそんな
事件を知らないのだ。
兄である俺がそんな事件を起こして気づかないはずがない。
大事件だしな。
それに俺が中学時代、女子生徒全員といってもいいほど嫌われていたのを知っているし、俺も
嫌っていたのを知っているのでありえない。
仮に好きな子がいたとしても学校生活以外はボクシングジムに通うかネットゲームを永遠にやっていたのだ。
それは狼秋も母も知っているし、ログを調べればすぐにわかる。
そして琥珀が俺に出したレイプ事件。
確かに存在はしているがそんなもの、ネットでコピーして改ざんしようと思えばできる。
というか、された形跡がわかるくらいの出来栄えだった。
明らかにピントがずれている俺と狼秋の中学の名前。
年代も他の文字に比べて字体が違う。
パッと見は見分けがつかないかもしれないが、ちゃんとみれば違うとはっきりわかる。
「お前、、、、こんなんで信じてんじゃねぇよ、、、」
「すまない、、、」
もう土下座だった。
だがいきなりこんなものを見せられたら俺を疑うのも無理はない。
出来映えも悪くはなかった。
何も知らないで見破るというのも難易度が高いだろう。
「それに、クラスメイトにお前が危ないって忠告も重なって余計にわかんなくなっちまったんだ、、」
危ないって、、、、。
陰キャの俺のどこが危ないってんだ、、、。
「事情はわかった。とりあえず、全ての原因は柏木愛美、あの女だな、、、」
天根先輩。怖いから木刀握り締めるの止めて。
このまま襲いに行きそうな勢いを感じるから。
「ただそれでも琥珀くん」
「なんだ、みかっ!?」
帝の渾身の一撃が顔面を捉える。
キレイな右ストレートによって吹き飛ぶ琥珀だが、誰も驚かない。
まぁ、しょうがないよな。
やっちまったことは最悪だし。
「女の子をあそこまで泣かしたの、許さないから。次はないからね」
今日はとことんボコボコにされる琥珀だった。
琥珀をボコボコにしてわだかまりを解消した俺達は一旦落ち着き、天根先輩の前回のごろうさんを
超えるイラストを描けるよう練習を再開した。
今は帝がついているはずだ。
俺はみんなに飲み物を出すため狼秋とキッチンに向かう。
「秋兎、お前本気だったろ?」
狼秋の主語のない言葉に俺はしっかりと答える。
「だったらどうした?言ったろ。クズは許さねぇ」
これだけは譲らない。
実は、あいつらには言ってはないが琥珀の言った言葉も全て噓ではない。
俺は過去に事件を起こした。
俺の意思で行い、後悔はしていない。
それにクズであることもまた事実だ。
俺は中学の頃、陰キャだったわけではない。
常に一人ではあった、だが違う。
あの時の母と狼秋の姿を見てもう一度やろうと思いはしないが、、、状況次第では必ずやる。
「、、、、次からは俺に言ってから動け」
そんな思いを狼秋も理解したのだろう。
ため息を吐きながら軽い忠告をする。
「きひひ、わりぃな」
俺はそんな不器用な弟の優しさに笑いながら答える。
、、、、、まあ、お前に迷惑はかけねえよ。
クズは俺だけで充分だ。
これからも頑張っていくんで、よろしくお願いします!!