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異世界エレベーター リストラされたオレが異次元の力で地球を救う、のか? ~復活の戦艦武蔵~  作者: Sakamoto9


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第90話 キタキツネ函館

「ツキノワグマの第一段階である今回の苫小牧、札幌、小樽ラインの奪還は、時間的にはほぼ予定通りなんだが、想定と違ったのは地上部隊の損害の小ささなんだ。これはもちろんイッヌの活躍のおかげなんだが、これで地上部隊がそのまま函館へ向けて道南エリアへ向かうことが出来ることになったんだ。そして、もうひとつ、苫小牧港で守りを固めていた『キタキツネ』の艦隊も想定より損害が無かったために、ツキノワグマの道南奪還へ参戦することになったんだ。」


「大隅艦長のたつなみですか?」


「そうそう、護衛艦たつなみ、しらなみ、ふじ、掃海艇やくしま、陸自輸送艦のあさひ。あの艦隊が函館港奪還作戦、『キタキツネ函館』を展開することになったんだ。そうすることでツキノワグマの道南奪還は苫小牧、札幌、小樽ラインと函館からの挟み撃ちにして、スピードアップしようっていう計画だ。」


「なるほど、では、我々は『キタキツネ函館』の支援ですね?」


「うん。ただ、懸念事項もあるんだ。ここ小樽は苫小牧と違って日本海を挟んで大陸と向き合っているんで、対空防衛として武蔵が居てくれると安心できる、というのもあるんだ。」


「なるほど、それでは苫小牧の時のように対空兵装を配備しておく、というのはどうでしょうか?」


「あ、ツバメだったね。でも、あれは確か稼働は3日間だったよね?」


「ツバメ、DTH-1の派生型のDKH-1ではどうでしょうか?」

シオリが言った。


「DKH-1? それはどんな兵装かな?」


「DTH-1は苫小牧港で陸上からの近距離攻撃に備えるために迎撃速度を優先して空中待機型としましたが、DKH-1は遠距離からの攻撃を想定して、迎撃速度よりも待機時間を優先した兵装です。」

シオリが説明したが、山喜3佐はあまり納得した表情をしなかった。


「えぇと、第三者的な解説を加えますと、苫小牧で使ったのが空中で待機してるツバメで、派生型は海上に浮かんで待機するカモメなんです。」


「あ、なるほど。カモメは飛び立つのに時間がかかるけど、海に浮いてられる。浮いてるから稼働時間が長いってことだね。それは良いな、それを小樽沿岸に配置してもらえないだろうか?」


「シオリ、カモメはまだ作れるよね?」

シオリの方を向いた。


「はい、図面データも残ってますし。すぐ作れます。」


「それでは武蔵はカモメを配置してから函館支援へ向かうことにします。ここを出発する時間を決めるために『キタキツネ函館』の作戦時間をシェア頂けませんか?」


「了解した。作戦の詳細が決まり次第、武蔵に連絡するよ。」


「山喜3佐、失礼します。」

作業服姿の隊員が山喜3佐に小さな声で声を掛けた。


「お、どうした?」


「トラックの準備が整いました。」


「そうか、了解。小笠原艦長、お待たせしてしまったが、充電器受取用のトラックの準備が出来たんで、今から武蔵へ向かわせるよ。」


「了解です。ではトラックが着き次第荷揚げするように指示します。シオリ、ミズキに連絡してもらえるか?」


「山喜3佐、例の件も・・」

作業服の隊員がさらに小さな声で山喜3佐に話しかけた。


「お、そうだった。小笠原艦長、質問があったんだ。あの黄色い対戦車用強粘弾、あれの除去方法は、洗うってことだったんだが、効率よく除去する方法はないだろうか。あれは奪取された陸自の戦車なので、稼働できるようになればツキノワグマに投入できるんだが。」


「シオリ、何かあるかな?」


「戦車が動けないように粘度をあげたものなので、簡単には落とせないと思います・・。」


「まぁ、確かにそうだよな。簡単に落とせたら意味がないって言えばそのとおりだよな。もし可能なら、洗うヒントになるかもしれないんで、材料を少し教えてもらうことは出来ないかな?」


「材料は全部お伝えします。マシュマロを溶かしてペースト状にしたもの、よく混ぜた納豆、水飴、ピーナツバター、寒天、片栗粉、ワサビ、白ゴマ、ターメリックです。」


「・・・え、あ、本当に全部食材だったんだね。なんだか聞いただけでも体中がベトベトして来た感じがするよ。確かにこれは単体でもクリーニング屋も嫌がるベトベトだね。うん、わかったよ、必死に洗い流すことにするよ。有害物質が使われてないってだけでも有り難いことだしね。うん。 でも・・、ワサビと白ゴマ、ターメリックってそんなに粘度があったかな??」


その後は山喜3佐と北海道の食べ物の話しで盛り上がって、仮設指揮所を出た時には正午少し前になっていた。


マリカーが武蔵のスロープに着いた時には既にトラックの姿は無かったので、犬用キャリー、いや、充電器の荷下ろし、引き渡しは終わったみたいだね。


「私はカモメ製造の準備をしますね。」


「お、よろしくね。でもちゃんと昼飯は食べなきゃダメだよ。」


「はい、後で工房に何か持ってきてもらうんで、大丈夫です。」


工房へ向かったシオリと別れて、艦橋へ上がる。


「ユーさんお帰りー。」

「お疲れ様。」


ミズキとレイナが居た。

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