第79話 北海道食祭り?
ジンギスカンでビールを3杯片付けて、ようやく少し落ち着いてきたな。
さて、刺し身はどんなもんだろうかと舟盛りを見たら、でっかい船皿にてんこ盛りの刺し身が乗ってるじゃないか。ジンギスカンしか目に無かったけど、こりゃまた凄い舟盛りだな。マグロ赤身、中トロ、サーモン、イカ、タコ、ホタテ、タイ、いくら、これはアジかな? あ、ちゃんと短冊に名前が書いてあるんだ、これは、ニシン? へぇ、ニシンの刺し身なんだ。 よし、キミにきめた!
ニシンの刺し身を一切れ、少しだけ醤油につけてパクリ。
うわ、初めて食べたけど、脂が乗ってて甘みと風味が広がる、うまいぞ、これ。
刺し身だと、合うのはビールかな?日本酒かな? 悩むところだけど、オレはガブガブ飲む方が好きだから、ビールのままでいっちゃおう。
「お待たせしました!」
スタッフが3人入ってきて、注文した品物を持ってきてくれた。
テーブルにはジンギスカン、大きな舟盛り、アスパラオリーブオイル焼き、じゃがバター、ざんぎ、オニオンサラダ、ニシン漬け、ちゃんちゃん焼き、いかめし、松前漬け、ルイベが並んで北海道食祭りみたいな光景になってしまった。
「すっごいねー、みんな美味しそうだけど、やっぱりアスパラから食べよーっと。あ、いかめしも良いな、これももーらいっと。」
ミズキが楽しそうだ。
北海道食祭りは盛況なまま進み、みんなある程度食べたからか、メインは食べるから喋るに変わってきたようで、個室の中は女子校の昼休みみたいになってきた。とは言っても、オレは一度も女子校の昼休みを体験したことどころか、女子校の敷地にすらはいったことは無いんだけどね。
「なぁ、レイナ達は昼何食べた?」
ちょうど目があったレイナに聞いてみた。
「アタシたちは味噌ラーメン食べたよ。アイススケートガッツリやった後だったから、大盛り頼んじゃった。うまかったよ。」
「そっか、オレ達も味噌ラーメン食べたよ。グルグルで評価高かった店に行ったんだけど、麺がもっちもちで美味かったな。」
「アタシたちもグルグルで調べて行ったんだよ?もしかして同じ店?」
「オレ達は13時ごろ行ったかな。で、カウンターで食べたよ。」
「えー、ユーさんたちも味噌ラーメン食べたのー?」
ミズキも雑談に入ってきた。
「わたしたちも13時過ぎまで居たよねー。でも、店にはカウンターは無かったから違う店かなー。」
「そっか。北海道だから味噌ラーメン屋多いしね。でもこれで北海道グルメコンプリートしたよ。」
「うん、北海道来て良かった。北海道を奪還したら、また上陸したいな。」
「だよねー。今度は札幌とか小樽とか行ってみたいなー。」
「そうだな、また来ような。」
「ユーさんたちって、午後は何してたの?味噌ラーメン食べた後。」
「オレとジュンさんは日帰り温泉行ったんだよ。2種類の源泉があって、気持ちよかったよ。」
「ひとつは美肌の湯って書いてありましたよ。」
ジュンさんも加わった。
「そんなのあったんだー。今度また来たら温泉はいらなきゃだなー。」
「みんなは午後何してたの、買い物行くって言ってたけど。」
「うん、買い物行ったよ。ミズキなんかドンキでこんなデッカイくまの縫いぐるみ買って、車のトランクに入れるのヤダって騒いで、助手席にシートベルトして乗せてあるんだよ。」
レイナが両手を大きく開いて大きさを示した。
「すっごい可愛いんだよー。」
「可愛いって言ってもミズキより大きいじゃんか。」
「いいのー。私の部屋の相棒になったんだからー。」
「私も相棒買っちゃいまいた。ミズキ先輩みたいな大きいのじゃないですけど。」
軽く肩をすくめてシオリが言った。
シオリが縫いぐるみ買った? だってシオリとは言っても中の人はエルダルン研究主任、ヤギのおっさんだよ?
「えー、シオリが買ったのは縫いぐるみじゃなくてプラモデルでしょー。」
「シオリが買ったのはガンプラ、確かストライク、とか言うんだよな?」
「えぇと、正確には、劇場版ガンダムSEED FREEDOMで登場した機体、マイティーストライクフリーダムガンダムですけれども・・。」
あら、そう来たか。それなら中の人が欲しがったとしても納得だわ。というか、中の人は欲しがるけど、本物のシオリは欲しがらないような・・。
「じゃぁ、相手が何かは別にして、ミズキちゃんもシオリちゃんも相棒が出来たってことですね? レイナちゃんは相棒買わなかったの?」
「相手は何かを別にして、であれば、うん、実は相棒買っちゃったんだ。」
「あー、あれかー。確かに相棒だねー。」
「なになに、何買ったの、レイナ。」
「楽器屋で中古の『ぞうさん』って、アンプ内蔵ギター売っててさ、形も可愛いし、夜でもヘッドフォン繋いで弾けるからさ。」
「あ、オレもぞうさんは知ってるよ。これでも高校の時バンドやってたから、ギターのやつが学校に持ってきて弾いてたよ、ちょっと小さいギターだよね。」
「そうそう、それ。 見てたら可愛くって、つい買っちゃった・・。へへ。」




