第76話 もっちもち
グルグルで味噌ラーメンを調べて、レビュー評価が高い店へ向かう。
車が店に着いた時には、時計はちょうど13時になったところだった。
平日で、かつランチタイムが過ぎてるからか、直ぐにカウンター席に案内される。
オレもジュンさんも味噌ラーメンを注文する。
5分ほどで着丼。
キラキラした脂が層をつくっている味噌スープにボリュームたっぷりのチャーシューと白く輝くもやしのコントラストが美しすぎる。
麺は見事な太麺。これぞ北海道味噌ラーメンっていうビジュアルだね。もう期待しか無いよ。早速頂きましょうか。
フーフー。ズズズルッ。
うっわ、もっちもちの麺にスープが絡んでむちゃくちゃ美味いぞ。
あぁ、これは大盛りにしとけば良かったかな。
「ジュンさん、めっちゃ美味いですね、これ。ビールにも合うと思うんですけど、オレは温泉入った後に冷たいビールを飲むまでお預けにしときます。」
「わたしくも、それ思ってました。頑張って我慢しましょう。温泉の後のビールがもっと美味しくなるために、ですからね。フフフ。」
着丼から約10分、2人共スープまで完食してしまった。
「ごちそうさまでした。」
「では、行きましょうか。」
店を出て車に乗り込み、10分少し走った所に大きな建物があった。入口部分が和風旅館風になっていて、温泉施設っていう雰囲気が醸し出されてる。
「もちろん、男湯と女湯は別々ですが、休憩所は同じだそうですから、また後で会いましょう。」
そう言ってジュンさんが女性エリアヘ向かって言った。
広くて綺麗な更衣室で、ささっと服を脱いで大浴場へ向かう。
身体を軽く洗って、ガラス戸を開いて、屋外露天風呂に入った。
ふわぁっと温泉の香りが漂ってきて、身体の芯から温まってくる感じがするな。
武蔵の湯船に浸かった時だって1年弱ぶり位の湯船だったんだから、温泉なんていつぶりになるんだろう? 大学の時、バイクツーリングで箱根の日帰り温泉に立ち寄ったのが最後だったんじゃないかな?ってことは2年ぶり位の温泉ってことか。
ぼーっと北海道の空を眺めながら温泉露天風呂に身体を沈める、幸せな時間だよな。でも、まだ北海道占領からの奪還作戦があるんだったよね。いやいや、今はそれを忘れてリラックス、リラックス。風呂は命の洗濯、ですよね、ミサトさん。
あ、そういえばペンペンって確か温泉ペンギンだったよね?なんて、どうでも良いよなことを色々と思い出してしまうのも、温泉でリラックスした効果だろうか。
大浴場へ戻って、ひょうたんみたいな形をした大きな湯船に浸かる。
うん、この大浴場の独特の音の響きを聞きながら浸かる大きな湯船、これって露天風呂とはまた違った気持ち良さなんだよね。
あ、サウナ室もあるんだ。でもオレあんまりサウナ好きじゃないっていうか、嫌いってわけじゃないんだけど、サウナ出るとなんか頭がクラクラってすることがあるから、ちょっと怖くて長くは入れないんだよね。ってことで、軽く入るだけのサウナなら意味ないからパスだな。
ずっと湯船につかってるとのぼせちゃうんで、一旦休憩しよう。
身体を拭いて、休憩所へ向かった。
休憩所は座敷の広間と一人用ソファーが並んでるエリアに分かれてるんだね。
座敷の広間にはショーとかやる場所なんだろうか、体育館にあったような舞台と緞帳がついている。でも今日は平日だからか、なんのショーもやってないし、休憩所にもほとんど人が居ないね。床には座布団とローテーブル。寝転がったら気持ちいいかもな。でも、今日のオレはソファの気分だぜ、と、1人でブツブツ言いながらソファに座った。
早速売店で何か買ってこよう。まぁ、何かって言うか、生ビールに決まってるんだけどね。問題はつまみだよな。何があるんだろう?
お、ゆでダコ?味噌田楽?コーンバター?ポテトフライ?素晴らしいラインナップジャマイカ。とりあえず、串物を攻めてみようか、ってことで、串に刺さったゆでダコを買った。もちろん、相棒はサッポロクラシックだよ。
窓際のソファーから遠くに見える山並みと空を見ながら、早速休日の戦闘開始だ。まずはビールを一口。グビッと。くぅぅ、温まった身体に冷えたビールが刺さってくるよ。牛乳は赤ん坊の飲み物だ。大人になったら、ビールを飲まなくてはならないってシュワちゃんも言ってたじゃないか。朝だろうが昼だろうがビールを飲む、とにかく飲む、飲まなきゃいけないんだ。
つまみも行ってみようかな。串に刺さったゆでダコを一つパクっと。うわ、すっごい弾力があって噛み応えがあるんだね。でも、一度プリッとしたところを噛んでしまうと後は柔らか。口の中にタコの旨味がぶわーっと広がってきて、たまらないね。これは直ぐにビールが必要だ、グビッと。
あ、口の中のタコ味が綺麗さっぱり消えてしまった。急いで次のタコを食べなきゃ。
もう一口ガブッ。よし、ここでビールだ。さらにタコ、続けてビール。
もう無限ループに入りそうな勢いだなこれは。




