第38話 船団護衛
『こちらたつなみ! 今のがレーザー砲か?主砲がレーザー砲になっているのか? 空対艦ミサイルが80発あったはずだが、一瞬で迎撃してしまうとは・・。あ!地対艦ミサイルを捕捉した、そちらでも捕捉できているか?』
『北海道方面より敵対艦ミサイル20発。』
ムサシもミサイルを捉えた。
「こちら武蔵、捕捉出来てますのでこちらで対処します。」
『たつなみ了解。』
無線の送信スイッチを切る。
「レイナ、頼むぞ!」
「了解!2番主砲、高エネルギーレーザーモードで連続発射、目標、敵対艦ミサイル!」
クォォン、ブゥーン、 ババババババァーン。
2番主砲からレーザービームが放たれる。
『敵対艦ミサイル全弾迎撃しました。』
またしても空が爆発の炎と煙で覆われた。
『敵航空機20機、護衛艦隊後方より接近中。護衛艦隊左からも20機、右からも20機接近中、艦隊が囲まれています。』
武蔵よりも護衛艦隊を先に狙ったか、弱い物を先に叩く、王道の戦術だな。そうすると、この位置からだとこちらの迎撃が遅れてしまうので、陣形の中心に移動してから、全方位に迎撃した方がベターだな。
無線の送信スイッチを入れる。
「こちら武蔵、本艦は輪形陣中央、あさひの左舷へ移動して全周囲に対する迎撃をする。」
『たつなみ、了解。』
「武蔵を陣形中央、輸送艦あさひの左舷へ移動して全方位へ迎撃する。急速回頭180度、あさひ左舷へ向けて最大戦速!」
「サイドスラスター全開、回頭180度、最大戦速、目標あさひ左舷。」
シオリが即座に対応する。
急激な加速とサイドスラスターの回転モーメントで、艦が立っていられないほどの角度で傾きながら動きだした。
ウォータージェット推進が軽い地響きのような振動をたてて全開で艦を推し進めたが、距離が近すぎたので、強烈なスタートダッシュをしただけで最高速度に達する間もなく、あさひの左舷に到達した。
『敵航空機から飛翔体240発の発射を確認。』
またしても圧倒的な物量で押しまくってくるな。
「レイナ、行けるか?」
「もち余裕よ!全主砲、高エネルギーレーザーモード。目標、1番主砲、前方飛翔体、2番主砲、左舷飛翔体、3番主砲、右舷飛翔体で連射開始! 全弾すべて薙ぎ払え!」
クォォン、ブゥーン、 ババババババババババババババババババァーン。
全主砲から一斉にレーザーを連続発射しているので、艦橋から見える景色はレーザーの光だけになってしまっている。
『敵飛翔体全弾迎撃しました。』
「よっしゃぁ!」
レイナが大きくガッツポーズ。
『警告!警告!高エネルギーレーザー用キャパシタの残容量30%。』
「おっと、シオリ、頼む。」
「了解、1番核融合炉、最大出力運転、高エネルギーレーザー用キャパシタへ急速充電開始」
シオリが充電を指示する。
『敵航空機、全機間もなく主砲射程距離に入ります。』
「キャパシタ残量が厳しいなら、高エネルギーレーザーは使わない方が良いかな、全主砲ウォーターガンモード、1番主砲、前方航空機、2番主砲、左舷航空機、3番主砲、右舷航空機を迎撃!」
レイナが指示を出す。
クォォン、ヴババババババババババババババババババババ・・・
全主砲からのウォーターガンで、艦橋からは虹が見えている。
『敵航空機、全機撃墜しました。』
「ふぅ、メッチャ数が多かったな。キャパシタ使い切っちゃってるし、こんな物量作戦が続くとキツイかもだな。」
確かにレイナが言う通り、物量作戦を繰り返されたら、こちらの攻撃オプションが減ってしまうぞ。後でジュンさんにも相談してみよう。
それでも、これで今回の第一波の攻撃は防げたようだな。
無線の送信スイッチを入れる。
「こちら武蔵、敵航空機、対艦ミサイルは全て迎撃。現在、索敵範囲内に敵航空機なし。各艦の被害状況を確認されたし。」
『こちらたつなみ。全艦攻撃による損害なし。全艦作戦続行可能。』
「武蔵了解。本艦はこのまま輪形陣中央での船団護衛を提案します。」
『こちらたつなみ。確かに今回のような攻撃があるなら、武蔵には中央から援護してもらったほうが効果的だ、陣形、承知した。それはそれとして、武蔵の主砲はレーザー砲だけじゃなくて、ウォーターガンにも換装できるのか! それも航空機を落とすほどの威力のウォーターガンに。武蔵は本当に想像を超えた艦だな。』
「こちら武蔵、陣形了解。この位置で回頭し、船首を苫小牧へ向けて、あさひに随伴します。はい、ウォーターガンも弾丸は海水を使用し、こちらも補給が不要なので、長期間無補給での作戦行動が可能です。」
『なるほど、独立遊撃艦とはそういうコンセプトなんだな。引き続き船団警護をよろしくたのむ。』
「武蔵了解。」
無線の送信スイッチを切って、シオリに指示を出す。
「回頭180度、その後は、あさひの速度にあわせて苫小牧まで並走しよう。」
「了解、サイドスラスタ―稼働、回頭180度。」
武蔵がその場での回頭を終え、あさひと並走しながらの輪形陣で苫小牧へ向けて再び進み始めた。




