第31話 初戦
『敵航空機から飛翔物体の発射を確認。本艦到達まで約1分』
統合管制AIが状況を読み上げる。
「1番主砲、高エネルギーレーザーモードで発射、目標敵飛翔体!。」
レイナがシステムに指示を出した。
クォォン
1番主砲の砲塔が巨大な砲塔とは思えない速さで大きく動く。
ブゥーン、 バァーン。
レーザー発生装置の音が大きくなった直後に砲塔の先端が強烈に光った。
1番主砲の3本の砲塔から青いレーザービームが一直線に飛翔体へ向けて発射される。
ズバァン。
前方の空が大きく爆発した。
『飛翔体に命中、迎撃成功です。』
「よっしゃぁ!」
レイナが小さくガッツポーズをした。
『続けて敵航空機から飛翔体6発の発射を確認。航空機、間もなく主砲射程距離に入ります。』
「1番主砲、高エネルギーレーザーモードで発射、目標敵飛翔体! 2番主砲、ウォーターガンモードで連続発射、目標的航空機!」
レイナがシステムに指示を出す。
クォォン、ブゥーン、 バァーン。
1番主砲からレーザービームが発射される。
同時に2番主砲も砲塔が首を持ち上げた。
ヴババババババババババ
2番主砲からウォーターガンが発射されたが、威力が強すぎて、水が連続発射されてるというより、砲塔から青白いパイプが空と繋がったようにしか見えない。
『飛翔体に命中、全弾迎撃成功です。』
ウババババババ・・・
ウォーターガンはまだ発射され続けている。
『敵航空機、全機撃墜しました。』
「よっしゃぁ!」
またしてもレイナのガッツポーズが出た。
『敵艦隊、まもなく主砲射程距離に入ります。』
「それじゃ仕上げはレールガンでいきますか! 1番、2番主砲、レールガンモードで発射、目標敵艦隊!」
クォォン、ヴァッシュッ。
大きな発射音と共に2主砲、6砲塔から一斉に鉄の矢が超高速で発射された。
『主砲、弾着します。いま。』
敵艦隊方向の海で大きく赤い爆発が見え、モニターには敵艦隊の艦が次々に火柱を上げるのが映し出されている。
『敵艦隊、2艦轟沈、3艦大破、航行不能。戦闘継続不可能、脅威は排除されました。』
「うぉぉ、やったぜ!」
「やったねー。」
「やりましたね。」
5対1、それも相手には航空機もあったのに、こちらは無傷どころか1撃で終了かよ、うん、凄すぎるな、武蔵。
「よし、よくやったよ、コンディションレッド解除、コンディションイエローへ移行。 念のため現戦闘海域を迂回しつつ引き続き津軽海峡へ向けて、速度30ノット。」
「コンディションイエロー。現戦闘海域を迂回しつつ、目標、津軽海峡、第一戦速のまま。」
シオリが復唱する。
ジュンさんが立ち上がった。
「皆さんお疲れ様でした、食堂にシュークリームを用意してあるので、どうですか?」
「うわ、さっすがジュンさん、もち、いただきます!」
「やったー、シュークリームだー。」
「ありがとうございます、いただきます。」
3人一緒に食堂へ向かって走って艦橋から出て行った。
「ユー、お疲れ様でした。」
「お疲れ様でした。しかし、武蔵の性能は凄すぎますね。」
「そうですわね、ちょっとやりすぎ感がありますわね。ふふふ。 それより、わたくしたちも食べに行きませんか?」
「いいですね、行きましょう。」
食堂では、戦闘チームから女子高生に戻った3人がケラケラ笑いながらシュークリームを頬張っていた。
「ところでジュンさん、このシュークリームもそうですけど、料理は本当にジュンさんが調理してるんですか?」
「まさか、そんなことありませんよ。大体、わたくしが地球の食事を作れるわけが無いじゃないですか。この食堂には食品3Dプリンターがあるんです、何でも作れるんですよ。」
「食品3Dプリンター・・。そう聞くとあまり美味しそうに思えなくなって来ましたよ。」
「地球の人達のそういう感覚がまだ理解できないのですよね。食材から作ろうが、3Dプリンターで作ろうが、細胞レベルで同じなんですけれどね?」
「いやぁ、その理論的な所に全く異議はないんですけど、どうも食べ物は美味しい食材のほうが美味しそうに思えちゃうんですよね。」
「ほら、モノは試しですから、シュークリーム食べてみて下さいな。」
「はい。。」
シュークリームをパクっと半分口の中へ入れる。
うん、美味いよ、だって食品3Dプリンターで完璧に作られてるんだから、失敗や個体差が無くて、普通に作るより美味しいに決まってるよね。
「美味いですよ、すごく美味しい。でも、美味しいんですけど、ポイントはそこじゃなくて・・」
「味じゃない部分ってことですよね。そこは解消のしようがないので、諦めて下さいな。」
「はい、もちろん、文句なんか無いです。こんな何もない海の上で好きな物が食べられることに感謝してます。」
「ジュンさん! おかわりはないんですかー?」
ミズキが空になった皿をもってオレ達のテーブルへやってきた。
「あらあら、もう全部食べちゃったんですか? ハイハイ、ありますよ、ちょっと待っててね。」
ジュンさんは皿を受け取って調理場へ入って行った。




