第30話 戦闘開始
「・・仕方ないですわね、もう正直にお話ししますわね。それは、わたくしが乗艦するからなのです。わたくしが乗艦することを父に報告したところ、当然なのですが、とても強く反対されました。」
「それはそうですよね、ジュンさんはブランディーユ公国の王族なんですから。」
「それでも、わたくしは婚約者を守りたいと父を説得しましたの。最終的には父も納得してくれましたわ。」
「あ、それで、もしかして・・」
「そうなんです。乗艦を認める代わりに条件として、ブランディーユ公国として、エーデルシュタイン連邦政府にわたくしの安全確保に関して、公式に要請書が出されることになりまして・・。」
「あれ?という事は、元を辿るとオレが乗船するからってことのような・・」
「もう、ユーったら。何を言ってるのですか、そんな当たり前のことを。ユーはわたくしの婚約者ですのよ?わたしくがどれ程ユーのことを心配していることか・・」
ジュンさんが明らかに顔を赤らめた。相当無茶な婚約だったのにジュンさん、オレとの婚約を結構気に入ってるみたいだな。それはそれで嬉しいよね、オレもまさかオレの人生で婚約者が出来るとは思ってなかったしね。
「あ、ありがとうございます、ジュンさん。」
「あ、そうそう、武蔵の説明は置いておいて、クルーの件なのですが。」
あらら、急に声のトーンが変わったぞ。
「はい?」
「シオリさん、レイナさん、ミズキさん。確かに3人ともクルーの適正は満点ですわね。でも、なぜ戦艦のクルーが全員女子高生、それも、可愛い女子高生、しかも所謂色んな方面に対して可愛い子達なんでしょうか?わたくしには、なにか意図的な作為を感じるのですが。」
うっわ、この話キター。来るとは思ってたけど、この話の流れで来るのか・・落差激しい分だけキッツイなぁ。
「いや、えぇと、あの、お話しした通りですね、オレも筋肉粒々とか、軍人さんっぽい人とか、いかにもってタイプの人をチェックしたんですよ?でも本当に該当者が居なくて・・。」
「えぇ、ユーが色んなタイプの人をチェックした、そこは信じましょう。でもですね、仮にも戦艦のクルーを探しているのに女子高生をチェックしてみたっていうこと自体にユーの趣味が入ってるのではないか、と邪推してしまうのですけれども、違いますか?」
げ、好かれるっていうのはこういうヤキモチ的な側面も出るんだね、アニメでは良く見る設定だけど、実際に自分がその立場におかれるとは思わなかったな。これって正直ベースじゃないと、どんな言い訳も通用しないよな、実際オレの趣味、というか、無意識で見ちゃったことがきっかけだったし・・。
「・・・はい、それはそうかもしれません。でもそれは、一般的に可愛い、ということであって、要するにアニメの推しキャラ的なことであって、個人的に彼女が好きとかではなく、ですね・・。」
「ユー、その言い訳はちょっと苦しいですわね。何度でも言っておきますわね、もし、超絶可愛い女の子を見つけて嫁にしようなんて考えたら、わたくし、ガッツリ噛みつきますからね。」
「はいです。わかってますです。。」
その後も、3人の中で誰がタイプなんだ、とか、出会った時に何を話したんだ、とか、根掘り葉掘り質問攻めにあって、コーヒー1杯のはずが、2時間位彼女たちの話をすることになってしまった。でも、そんなに心配しなくても、オレ、自慢じゃないけどモテないんだから大丈夫なんだけどね。
『ヴワー、ヴワー、ヴワー。』
艦内アラームが鳴った。
『コンディションレッド発令、コンディションレッド発令。レーダーに未確認艦隊捕捉。繰り返します、コンディションレッド発令、コンディションレッド発令。レーダーに未確認艦隊捕捉。』
統合管制AIのアナウンスが続いた。
「ジュンさん、行きますか!」
「えぇ。」
ジュンさんと艦橋へ向かうエレベーターへ乗り込んだ。
「出航してからまだ3時間位ですよね? こんな首都圏に近い所までロビスコの艦隊が居たってことですかね?」
「レーダー捕捉されて急遽派遣された可能性もありますけど、どちらにしても、この対応でロビスコにもわたくし達の存在がフォーカスされることになりますね。」
艦橋に入ると既にシオリ、レイナ、ミズキの3人がスタンバっていた。
「状況はどう?」
「進行方向約250キロに5艦、30ノットでこちらに向かって進んでます。敵艦隊からの航空機3機の発進を確認、敵ミサイルの有効射程距離まで約5分です。」
シオリが答えた。
「ロビスコ、遂にご対面だね。それでは、武蔵の力を少しだけ見せてやろうか。戦闘システムセーフティーロック解除、オールウェポンズフリー。対空戦闘用意。以降の索敵、監視は統合管制AIへ移譲。敵艦隊の映像をメインモニターへ。全クルー戦闘配置。」
「戦闘システムセーフティーロック解除了解。」
「オールウェポンズフリー、対空戦闘用意了解!」
「索敵、監視を移譲、戦闘配置了解!」




