第22話 贅沢三昧?
レイナは夕方からバイトのシフトに入ってるってことで、16時頃に中野駅で別れて、そのまま地元の駅へ戻って来た。
2日続けて候補者見つけたんで、今日は昨日よりも思いっきり贅沢に好きな物食べて自分を褒めてあげなきゃだよね。こういう時のレパートリーが焼肉と回転寿司しかないオレを脱却しようと、今日は焼肉と寿司以外という縛りをつけて夕食を探すことにした。
とんかつ屋のショーケースを覗いてみた。ミックスフライか。一口ヒレカツと大海老フライ、ホタテフライ、それとカニクリームコロッケの盛合わせ、これも良いよねぇ。こういう時のカニクリームコロッケって、めっちゃ美味いんだよね。
お次はイタリアンの店だね、美味そうなピザと、オリーブが乗った彩の綺麗なサラダ、カルパッチョ。うん、これでワインも良い感じだよな。
その隣は石窯焼きのハンバーグ屋だ。店の外までハンバーグの肉汁の香りが漂ってきてるよ、これも良いな。
ここは中国料理屋だね。町中華とは違った本格中国料理なんだよね。プリップリのエビチリ、香ばしい北京ダック、濃厚なふかひれスープ、これを紹興酒と合わせたら最高なんだよね。
こっちの店は備長炭焼鳥だ。ここも心を鷲掴みにされる煙と香りなんだよね。
あぁ、どうしよう、もう決められないよ。追加装備で今日のメニューを決める機能を作ってもらおうか。いやいや、何言ってんだ、慌てるな、心と胃袋がつんのめってるぞ、オレ。
いろんなメニューを見ちゃうと、かえって一つに絞れなくなっちゃんだよな。こういう時に大人にも、お子様ランチみたいに色んな大好物が全部詰まってる、みたいな料理が欲しいよね。そうか、色んなメニューが詰まってる、か。なんだ、あるじゃないか、色んなメニューが楽しめる、大人のネズミ―ランドみたいなところが!
駅前のチェーン店の居酒屋へ入った。いつもはカウンター席だけど、今日は2人掛け席を選んだ。なんせ色んなメニューを頼まないといけないからね。
早速メニューを開く。ほら、あった。
「えっと、一口ヒレカツ、フライ盛合わせ、鉄板ハンバーグ、イタリアンサラダ、後は、カルパッチョ、は無いんだね、じゃ、刺身3品盛合わせ、あと、ネギマ、タレで2本。飲み物は、生ビール。メガジョッキでお願いします。」
「メガ生、お待たせしましたー!」
テーブルに生ビールのメガジョッキとお通しのクラゲの和え物が置かれた。
頭の中で注文を反復してみる。今日食べたかったものは全部揃っただろうか、抜け漏れはないだろうか。あ、中国料理が抜けてるジャマイカ。追加でオーダーするべきだろうか。
とりあえず、まずはキンキンに冷えた生ビールを飲みましょか。
ゴキュ、ゴキュ、ゴキュ。ぷっはー。良い仕事をした後のルービーは最高だよね。最高の仕事に最高の食事・・・って、あれ?オレ、なんで居酒屋に居るんだっけ?確か一昨日もここで飲んでたよね?今日は自分を褒めてあげる最高の食事を探すんじゃなかったっけか? 料理の種類に引っ張られて、いつもの居酒屋に入っちゃってるよ、オレ。で、何頼んだんだっけ?うっわ、こんなに一人で食べきれないって、何が中国料理が抜けてるだよ。追加してたら大惨事だったよ。やっぱり、お腹ペコちゃんの時に店選びしちゃダメなんだって。
テーブルの上には大好物がずらっと並んだ。一口ヒレカツ、フライ盛合わせ、鉄板ハンバーグ、イタリアンサラダ、刺身3品盛、ネギマが2本。豪華ですよ、豪勢ですよ。夢のような光景ですよ。でもね、これ、多すぎるから・・。
そして、一人フードファイター祭りみたいな感じで全力で食べて、全力で飲みましたよ。思いっきり贅沢に、だったのが、軽く罰ゲームみたいになっちゃってたけどね。結局、腹パンなんてもんじゃないってくらい食べて、帰り道、いつもはコンビニ寄って、軽くツマミ買って帰るんだけど、流石に今日は無理で、真っすぐ家に帰ることにしたよ。
ま、何はともあれ、幸せな夕食だったことには変わりないんで、後はゆっくり風呂にでも入りましょっか、ってことで、のんびりと小さな湯船に浸かった。ふー、風呂は命の洗濯だからね。
風呂からあがって、ジュンさんにメッセージを送る。
『適正レベル10のクルー候補がもう一人見つかりました。人物特定してもらったので、詳細情報見てみて下さい。』
『ユー、お疲れ様。これで候補者が2人ですか。お2人には明日にでも、ワタクシとオルフェン少佐で直接接触してみますね。残りあと2日ですが、引き続き候補者探しをお願いしますわね。あ、こちらの準備は着々と進んでますから、ご安心下さいね。』
そうか、2人見つかったとはいえ、もう残り2日しかないんだったな。あと2日って、クルーを探すこともだけど、オレが武蔵に乗って戦うまでのカウントダウンでもあるんだよな。戦艦に乗って戦うとか全く実感湧かないけど、なんとなく不安な気持ちが大きくなってくるよね、ま、当然だよね。




