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スキル習得

 間に休日を挟み、1週間でウォーウルフの討伐依頼を全て達成した。

 俺たちはCランクにランクアップした。といっても、このゲームはレベルなどはないので、はじめの頃から何か劇的に強くなったかというとそういうこともない。

 実力不相応かというと、そうでもないと思う。俺の持ち込んだ兵器の寄与は大きいが、3人は見習いとはいえ狩人だったので、普通のプレイヤーのパーティーよりも元々ポテンシャルは高かった。

 所持金は1人あたり銀貨60枚ほどある。武術学園の入学金分は十分稼いだので、再びメルドーシュを目指すこととなった。


 ジルオラとメルドーシュのちょうど中間、50キロほどの場所に宿場町がある。そこで1泊し、次の日の夕方にはメルドーシュヘ着いた。

 平原側から見るメルドーシュはまさに要塞という言葉が相応しく、夕陽にその荘厳な城壁が照らされていた。


 武術学園の受付で、皆それぞれ申込書にサインをし、入学金として銀貨10枚を納める。

 明日からさっそくスキルの説明を受けることができるようだ。学園には男子寮、女子寮がある。今日からそこに泊まることができて、食堂も利用できるようだ。

 俺たちは早速食堂へ行った。食堂は向かい合う兵舎と共通になっており、兵舎側にあった。

 オートミールにカレーのようなものをかけた夕飯が出た。なかなか美味かった。

 男子寮は備え付けの2段ベッドが2つある4人部屋だった。しばらくはここでアランとドロンと3人で過ごすことになる。


 翌日より授業が始まった。1日目はスキルの歴史と、使う上での心構えで終わった。学園の授業は午前中しかない。午後は正直暇だったので、皆で街を散策した。

 

 2日目には早速スキルの訓練だ。すべての冒険者にオススメのスキルと、槍用のスキル、弓用のスキル、剣用のスキルから選べる。

 共通スキルは集中(コンセントレイト)覚醒(アウェアネス)の2つ。はじめはコンセントレイトしか習うことはできない。両方同じく集中力を強化するスキルであり、アウェアネスはコンセントレイトの強化版ということだった。

 弓や槍も同じく2つから3つスキルがあり、習得する順番があるものもあった。

 弓は自動照準(オートエイミング)強射(パワーシューティング)の2つ。どちらからでも習得可能だった。俺のような素人が弓を使うには良いかもしれないが、3人のようにもともと腕前のよい冒険者にとっては少し微妙かもしれない。

 3人も同じ意見のようで、皆で話した結果、まずはコンセントレイトを全員で習得することになった。

 入学金で覚えられるのは1つだけで、もっと必要な場合はまた銀貨10枚らしい。


 習得にはスクロールをまず使う。さあこれで使えるのかといえば、はやくて1週間、遅くて1ヶ月時間がかかるということだ。その間寝床と食事は学園で面倒見てくれる。

 ただ待っていればよいのかというとそうではない。コンセントレイトであれば的に矢を射るとか、槍で的を狙うなどの鍛錬が必要だという。その中でスキルが開花するということだ。

 集中力向上のスキルが、そもそも効果が曖昧であるので、習得したことが自覚できるのかと聞くと、必ずわかると言われた。習得者にしかわからないことがあるのだろうか。何かしら鍛錬をすれば1ヵ月以内で必ず習得できるとも言われた。何もせず寝ていたりすると、スクロールの効果が切れて銀貨10枚が無駄になる。


 その日から午前中だけとはいえ、ひたすらに弓で的を狙う訓練が始まった。弓の扱いが下手でも特に問題がないということだったが、カガミやアランがそこはちがうとか、矢の持ち方はこうだとか色々指摘が入り、1週間たつころにはそれなりに形になってきた。

 しかし1週間たってもスキル習得したものはおらず、ほんとに大丈夫かと不安になる。

 初めての習得者はアランだった。ちょうど20日目だった。

 できた!とアランが叫んだ。よしじゃあ見せてみろと教師がいい、アランが練習場で一番遠い50メートルの的に向かって矢を放った。見事命中させ。教師からスキル習得を正式に認められた。

 無風状態で50メートル先の的にあてるのは、アランの腕前では普通のことなので、何が違っているのか見ていてもわからない。教師に聞くと、スキルを使っているとき、人は見の色が変わるのだという。比喩ではなく、うっすら青くなるらしい。

「どんな感じ!?」

 すかさずカガミが聞きに行く。

「なんかこう、ズバッと的が近くに見えて、どこに当たるかなんとなくわかる感じ」

 アランが答える。なるほど、わかりやすい。

 しかし俺はその感覚を捕まえることなく、翌日にカガミが、その2日後にアランがスキル習得するのを横目で見ていた。サイボーグだと駄目とかあるのかではないかと思い始めた矢先、ついに俺にもその時が来た。

 ズバッと音がするような感覚で的が近くに見える。ゆっくり時間が過ぎる。矢で狙っている場所が妙に明るく、それ例外の視界は妙に暗かく感じた。

 これがコンセントレイトか。いま目玉が青くなってるんだろうな、きっと。

 俺も教師から習得を認めてもらい、晴れて皆でスキル習得を果たした。


 それから、続けてスキルを学ぶか聞かれたが、俺たちはジルオラへ行くことを決めていた。

 コンセントレイトが思っていたより強力で汎用性があるので、アウェアネスには非常に惹かれたが、習得に銀貨30枚という金額で断念した。強化版のスキルは普通のスキルより高い。

 弓用のオートエイミングも、弓を引き絞った体勢でしばらく獲物を見ることで、自動照準できるスキルのようだが、ロックオンに結構時間がかかるらしい。腕があれば自分で狙ったほうが早そうなので皆パスした。

 パワーシューティングは教師からカガミには結構おすすめされていた。魔人は強化人間のように血が通ってない奴のほうが圧倒的に多く、そいつらには痺れ毒の類が効かない。

 弓で戦うには素で威力が高いものを使う必要があるが、女性では苦労するのでパワーシューティングは取っておいた方が良いとのことだった。

 魔人には魔法は効くのかと聞くと、魔法は効くらしい。じゃあ魔法を覚えますとなって結局パスした。


 一ヶ月を費やしたが、良いスキルを得られて皆満足げだった。 

 学園にいる間はほとんど金を使わずに済んだので、皆手元には銀貨50枚が残っていた。これだけ金が残っていれば、魔術学園の入学金として足りる。

 俺たちは再びジルオラを目指すこととなった。

 

 

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