6話
その哀れな姿をして、下着すら見えている少女。
それはあの生意気ユーリシア。
つっても助けてやるにも気が進まない。
は!いっそそのままヤクザもどきにあれやらこれやらされてデュフフされてろ!
デュフフが何とは言わない。
さて、まあ人が見てるし何より。
「あれって救世主様?
ん?って待てあそこにいるのって黒剣じゃないか?
相棒の狐連れてる!」
なんか市民A氏に気づかれて噂立てられた。
すると周りも「ユーリシア様を助けてあげて!」とか無責任なこと言ってくるやついるしよぉ!
するとユーリシアの方を見ると俺に気づいたのか歯を噛み締めて悔しそうな顔をしている。
(これはチャーンス)
俺は思った。
ここで散々無能だと罵倒した奴に助けられるって状態。
最高じゃねーか!
「よし助けるか!」
「コン!?」
隣で様子を見ていたタマモは拳でポーズを取る俺にちょっと驚いていた。
「おいおっちゃんたち!」
「あ?なんだ目つきの悪いガキ!
俺らは今お楽しみ中なんだよ!
へへ、さすがは学園都市だぜ!
ガキも美女揃い!
特にこのガキは色気もありやがる」
すると男の一人は股間を膨らませ、ユーリシアの下着を切ろうとする。
すると、「くっ!」と顔を赤くして悔しがるユーリシアの姿を見れた。
(ごっとーさん!)
俺は男たちめがけて足を踏み込み駆けた。
「なんだ!」「はえ!?」
俺は二人の男にまずどっ腹めがけて拳を一発。
「おえぇ」と胃酸を吐く男どもは実に滑稽。
「さーてあとはてめーだな?」
「やめてくれ!」
「やめませーん!」
「ごるぱ」と男は腹を殴られ痛みで気絶する。
まあ内臓破裂したけど、こっそり光で治した。
「さーて、大丈夫か?英雄令嬢様?」
俺のその嫌味ったらしい顔は果たして彼女にはどう映っただろうか?
俺はこっそり切り傷つけられた学生も治療すると、
「んで?護衛は必要だろ?」
とニヤリと決めポーズ、決まった。
「ん?」
だがユーリシアは拳をプルプル顔を真っ赤にすると、
「決闘よ!」
「は!?」
「あんたが強いのはわかったわ。
でもそれは私が彼女を庇ってだだけで!」
「あん?庇いながら戦えない雑魚じゃねーか」
「あんた言いたいだけ言って!」
すると学生は「待ってください!」と取り持とうとするが意味を成さず、この日旅疲れがあるのに決闘が始まってしまった。
さて、俺の今の使える剣を確認する。
ユーリシアとの決闘は真剣使ったなんでもあり戦闘。
幸い上級のさらに上、特級魔法のスクロールがあるらしいので腕が飛ぼうがすぐ生えるらしい。
と言っても、俺には光があるから別に必要ないんだがな。
だが下手に英雄の子と気づかれると厄介なので今回は事前に剣を召喚してから行く。
俺はあらかじめ、メイン武器の筋力の剛剣(大)これは昔盗賊と戦った際進化した。
他にも蚕の糸剣以外は全部進化した。
残念なことにこの地域では大蚕の上位種はいないので、ただの高級で丈夫な糸を出すだけ。
今回使うのはさっき言った通り剛剣と新たに手に入れた弱竜の爪剣(大)だ。
これは以前亜竜を倒した際に獲得する。
他はバレずに能力を使って、完封亡きまでぶっ潰す。
そして2度と歯向かわなくさせてやる。
さて決闘の時間だ。
場所は学園の練習場。
今回は英雄令嬢ユーリシアとこの俺の試合をするってことで興味ある学園側が許可を出した。
まあ相手は良くてA級ってとこだが俺は何せS級に最も近いB級だ。
勝算はある。
学園のセキュリティを超えて俺は入場すると、
そこは観覧席が学生で埋め尽くされていた。
「なんだこれ?」
すると対象側にいるユーリシアは俺を見ると、「ふん」と笑い、
「あら?怖気ついたの?
そうよね、たかがB級冒険者が公然試合するの初めてだもね?」
それはあからさま俺を小馬鹿にする様子。
「テメェ笑ってるのも今のうちだぞ?」
俺はまさに悪役ムーブかましているが、だが負ける気はない。
相手のユーリシアも勇爵家秘伝のミスリルソードと、おそらく龍の鱗でできている鎧を着ている。
「へぇ、龍の鎧ねぇ」
「そうよ、これはお父様が昔倒した魔龍王ベルゼフリードの素材でできてるわ。
まあ浄化するのに数年かかったみたいで出来上がったのは最近だけど、でもまさしくこれは傑作よ」
すると俺の魔剣が脈をうつ。
(おい大人ししろ魔剣!)
俺は必死に出ようとする魔龍王の魔剣を押さえ込もうとした。
「さて構えなさい!
私はユーリシア・フォウ・ブレイブル、世界を救うものよ」
ここは俺も名乗るべきか?
だが俺はシンプルに、
「ベルゼ、平民だから姓はねぇ。
まあだけど黒剣として恥じない戦いは約束しよう」
(ブースト!)(剛剣!)
ユーリシアはおそらく強化魔法だろう。
一方俺は剛剣のオーラを身に纏う。
「へえ、黒剣ってのはあながち嘘じゃないのね!」
すると彼女のミスリル剣の突きが俺を襲う。
それは風魔法を纏った突きで暴風が待っていた。
そのあまりの突風に絶叫する観覧席。
だが、
「おらよ!」
俺は風の猛攻を剣ごと大剣でぶっ飛ばす。
人のどこにそんな力が?と驚く周囲。
ユーリシアもまた俺の超人離れした筋力に驚愕していた。
「おら、もっと行くぜ!」
俺は大地を剣で破壊して地割れを起こしていく。
足場がガタついて上手く歩けないユーリシアは、水魔法を凍らせて、さらにそこへ土魔法で砂利を引く、まるで大魔導師顔負けの魔法操作をする。
「あんたオーガ以上ね?」
「それは褒め言葉と受け取るぜ!」
「まだだ(よ)!」
俺と二人で賭けては剣を撃ち合い、
そこ力が怪物級の俺と、全力の強化魔法で列強クラスになるユーリシア。
だが俺はこっそりズルして治癒の光を浴びているので、無理して起きた筋肉断裂を瞬時に治していたしまう。
だがユーリシアの方は限界を超えた魔法の行使で肌から血が滲んでいた。
「どうしたもうばててるのか?」
「……っ、あんた化け物……」
ユーリシアは既にボロボロだった。
だけどどこにそんな底力があるのか?
「私は負けられない!
英雄の子供として、勇者と聖女の娘として負けられないの!」
すると彼女を渦巻く魔力が奔流となった。
それは鎧を通して剣に伝わり、神々しい光となる。
(なんだあれ?聖剣でも光の力じゃない。
もっと高位の、龍クラスの力だ!)
「剣聖流奥義、ムラクモ!」
彼女の剣撃はまるで龍のブレスのような。
だが流石にあれを浴びると俺が危ない。
するとだった。
ユーリシアの鎧の呼応するような俺の魔剣が出現して、弱竜の爪剣に混ざる。
この魔龍王の魔剣は俺の持つ魔剣に混ざり合って、力を増幅できる。
つっても疲れるのが傷だけどな。
「おらよ!」
俺は魔剣から魔龍の力のこもった爪撃を放った。
すると二つに力がぶつかり、かけた時だった。
「聖剣よ」
するとどっからともなく現れた白銀の騎士。
すると男は、聖なる剣を下ろすと、俺たちも技を一瞬で消滅させた。
「勇者シリウス……」
誰かがそう呟いた。
するとシリウスはユーリシアを方に近寄り、
「お父様……」
潤んだ様子の彼女だったが、次の瞬間、ゴスっと重いものに叩かれた鈍い音が鳴り響いた。
「痛い!」
すると悶えて転がりまわるユーリシア。
「全く、ユーリ!
依頼を出した冒険者くんを一方的に追い出すなんて何考えてるんだい?
ああ、そうだ君がベルゼ君だね?」
「あ、そうです」
「そうか良かったよ。
まあつもる話もなんだから、
ちょっとうち来ないか?」
流石に行く行く!とは言えないけれど、なんだか断れない雰囲気だった気がする。




