第3話 生徒会
「「失礼します。」」
「1年A組、新城勝守と」
「同じく、安城叶音です。
重要な話があると聞いて参りました。」
生徒会室の戸を開け、名乗ってから中に入ると、
両側に4名、正面に1名、合計9名の生徒会役員が
姿勢をピシッと正して座っていた。
…なんというか、すごく重々しい雰囲気だ。
コレが…生徒会…
緊張した雰囲気を断ち切るかのように、正面に座っていたいかにもな服装の女性が話し始める。
「急に呼び出して済まないね。
二人ともよく来てくれた。
私が生徒会長の帝信名だ。
今、私は君たち二人に会えて気分が良い。
会長は今日も快調さ。」
シーン…
急に静かになる。
これが俗に言う『冷たい風が頬を撫でていきました』
というヤツだろう。会長本人も「あ、滑ったわコレ。」
とでも言うように体がプルプル震えている。
「あ、あ〜…とりあえず今後は僕らとの関わりも
深くなっていくだろうし、自己紹介でもしようか。
僕は近衛誠。副会長をさせてもらってるよ。」
そんな気まずい雰囲気を断ち切るかのように、
会長席の右斜め前の席に居たフレンドリーな印象の
男性がそう話す。
「わ、私は大奥真美。これからよろしくね?
(キャー!?何この可愛い子!?安城くん…だっけ!?
私の推しにしちゃいたいくらい可愛いんですけど!?)」
その隣に座っていた桜色の髪と丸メガネが特徴的な
女性がそう話す。が、なんだその最後の
ちょっとキュンとしたような感じで叶音を見る目は。
あれか?そういう癖なのか?
「皇天満。よろしく頼むよ?
可愛い可愛い子猫ちゃん?」
その隣に座っていたのはいかにもナルシっぽい
ニヒルな印象の男性。僕らを子猫扱いしている。
「名将剛だ!よろしく!」
続いていかにもエネルギッシュな
体育会系の男性。…もうちょい音量下げれないのか。
「武士竹千代ッス!
風紀委員長もか兼ねてるのでよく会うかもッスね!」
続いて会長席の左側に座っていた男性。
これまた熱血系。印象としては
昭和時代の教師という所だろうか。
あの竹刀担いで立っている感じの。
「天王寺桜ですわ。
よろしくお願いしますわよ?」
お次にいかにもお嬢様という感じの女性。
清楚な印象が強い。
「カプチーノ・ニューヨーカーです…よろしく…
…あ、新城さん…あなたの後ろに悪霊が…」
「ひいっ!?どこどこ!?」
「あ、どこかに行きました…
貴方…結構取り憑かれやすいのかも…
私…見えるんです。そういう類のが…」
続いてはちょっとホラーな印象の女性。
霊感持ちらしく、僕の後ろに幽霊が居たんだとか…
「…」
最後に水色のロングヘアとピアスが特徴的な女性。
どこかで見たことがあるような顔をしている。
…何故か一向に喋らない。
「…女城?どうかしたのか?」
「おいおい君らしくないじゃないか。
もしかして、期待のルーキーに見惚れてるのかい?」
帝会長や皇先輩もちょっと心配している感じ。
恐らく、普段はそんな性格じゃないのだろう。
…期待のルーキー?どういう意味だ?
「…ハッ!?すみません。ちょっと気が遠くに。
女城真由です。よろしくお願いします。」
「…!!」
やっと自分の番だと気がついたのか、
慌てて自己紹介している。
…大丈夫だろうか、この先輩。
あと叶音がピクッと反応していた気がするが
気のせいだろうか…?
「なんか…珍しいですね…
普段は隙がないくらい真面目な
あなたがポカーンとしてるなんて…」
「ですね〜。なんか二人が入ってきた時から
ボーッとしてましたね。女城さん。
(ハッ!?まさか女城さんも…?)」
などとほかの役員達が話している。
…にしてもなんだろう…この既視感…
僕は前に女城先輩とどこかで会ってるのか…?
「まぁとにかく全員の自己紹介が終わった事だし、
本題に入ろうか。」
会長のその一言で、生徒会室が静まりかえる。
さっきは思いっきり滑ってたが、これでも生徒会長。
その威厳はあるのだ。
「近衛。」
「はい。では、まず確認から入りましょうか。
まず、お二人は安城叶音さんと新城勝守さんで、
階級はそれぞれC+とD+。
お間違いありませんか?」
「はい。」
「大丈夫です。」
帝会長に指示され、近衛副会長が僕らにランクを問う。
誤りのひとつも無いので答えはイエス。
その旨をしっかり返す。
「大丈夫ですね。では話しましょう。」
「まず、君たち二人は1年生の中でも
トップクラスに成績が良かったんだ。
最初からあんな好成績を出せる者は年に1人程度。
大体が最高でもE+なんだよ。そこで君たち二人に、
ひとつ仕事をして貰いたくてね。近衛。」
「はい。まずスクリーンをご覧下さい。」
そう言われてスクリーンの方を見ると、
柱状グラフが映し出された。
「これは、年々この街で増加する犯罪件数の
グラフです。見てわかる通り、10年程前から
犯罪が急増しています。この原因は既に掴めてます。
それがこちら。犯罪者組織、紗洞です。
最近、紗洞の動きが活発になっており、
銀行強盗や誘拐はもちろん、建造物の爆破といった
テロ行為まで行われています。
それに対抗する為、当学園ではA-以上の力を持つ
実力者がそれらの殲滅の仕事、紗洞狩りを
行っているのですが、肝心の活動拠点に攻め入るのが
困難であり、100%殲滅できている訳ではないのです。
活動拠点の場所は分かっているのですが、
その規模が分からない事には戦略が練れません。」
「そこで、今年の階級付けで好成績だった
君達に、仕事を頼もうと思ってね。
まぁ簡単に言ってしまえば、潜入捜査ってヤツだな。
活動拠点に忍び込んで見取り図や、敵の数をメモして
戻ってくる。簡単な話だろう?」
なるほど、そんな事が話し合われていたのか。
皇先輩が期待のルーキーと言っていた意味が
やっと理解出来た。
「話はわかりました。僕でいいならお受けします。」
「出来る限り精一杯、頑張らせていただきます。」
「よく言ってくれた。では、お願いするとしよう。」
命に関わる話だが、それが平和に繋がるというのなら
こちらとしても精一杯頑張らせていただこう。
僕達がそう言った瞬間に周りから拍手。
「内容についてはまた後日お話しましょう。
また放送で召集があると思うので、
よろしくお願いします。では、二人については
これで終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
この後は生徒会のみで会議を行うので
お二人は退室願います。」
「はい。」
「失礼しました。」チラ…
近衛副会長の一言を聞いて、僕と叶音は
生徒会室を出ていく。叶音は何か引っかかる所でも
あるのか、去り際に女城先輩の方をチラと見ていた。
叶音もどこかで見た気がするのだろうか?
そんな事を考えながら僕らは廊下を歩いていった。
「今年は、あの二人の活躍が期待できそうだ。」
「そうですね。あの二人ならのし上がって来ますよ。」
「ま、ボクには追いつけないだろうけどね!」
「そんなことばかり言っていると…
追い越されますよ…私には見えました。
あの二人には太陽神と鍛治職神が
守護霊として取り憑いてます。
あの二人が本気を出せば…我々など
足元にも及びませんよ。」
「ハッハッハ!!それは期待できるな!」
「あの二人なら百人…いや、一千人力ッス!!」
二人が去った生徒会室では、会議までの長休みで
役員達が二人についての話で盛り上がっていた。
そんな中、女城真由は二人が去っていった廊下の方を見て、
ボーッとしている。
「…」
「女城さん?どうされましたの?」
「先程からずっと我ここにあらずという感じですよ?」
「…ハッ!?…すみません。少し考え事を…」
同期の桜と真美に話しかけられ、
彼女はやっと我に返った。
普段はこうでは無いのだが…
「すみません、少し外の空気を吸ってきます。」
気分転換でもしようと彼女が椅子から立ち上がった時の
事だった。
「…ウッ…!!」バタリ
「女城さん!?気を確かに!!」
突然彼女を詳細不明の頭痛が襲い、
彼女は頭を抑えて倒れる。
慌てて桜が駆け寄り、彼女を抱き起こす。
「ッ…ただの片頭痛です。問題は…ありま…せん…」
彼女はそう言って立ち上がるが、すぐによろけて
また床に膝をつく。
「どう見たって問題あるッスよそれは!」
「うむ。女城くん。話し合いよりも君の身体の方が
最優先だ。今日は早退してくれ。」
「…分かりました…ご迷惑をおかけします。」
帝にそう言われ、彼女は渋々早退する事に。
少し頭を抑えつつ、立ち上がる。
「僕が送っていこう。また倒れてしまっては大変だ。」
「では皇。頼んだぞ。」
「おまかせを。では女城くん。行きましょう。
肩、お貸しします。」
そして彼女は、皇の肩を借りて歩き、
生徒会室を出ていった。
一方その頃…
「…叶音どうした?元気がないみたいだけど…」
「いや、ちょっとね。」
僕達はあの後一緒に下校してたんだけど…
さっきから叶音の元気がないんだよね。
「何か相談があるなら言って?力になるから。」
「そっか…じゃあ話すよ。」
そう言って叶音は、話し始める。
「今日の生徒会にさ、女城先輩って居たじゃん?」
「ああ、君がチラチラ見てた先輩かい?」
「あ〜分かっちゃってた?」
「当たり前じゃん。友達なんだし。
それで?女城先輩がどうかしたの?」
僕がそう聞いたが、
叶音の答えは意外すぎるものだった。
「女城先輩って…僕の姉ちゃんかもしれないんだ。」
《キャラクター紹介》
名前:安城 叶音
仮名:ナシ
種族:人間
性別:男
所属:夜月学園
能力:炎を操る能力
炎を生成して自由自在に操る能力。
ボールを作って投げたり、炎の武器を生成して戦ったりと自由自在。武器は弓矢の「晴天朱雀」と刀or薙刀の「炎」がある。
『炎』の矢と火の玉はなにかにぶつかると爆発する。 そうでなくても、自分で指パッチンすることでも起爆できる。
技:
『炎・炎舞』
『炎』を装備している時に、回転させたり縦横無尽に降ったりして相手に攻撃する技
『晴天朱雀・日本晴』
『晴天朱雀』を装備している時に斜め上に矢を乱れ打ちする技。着弾すると何回も大爆発する。
『サンシャインストライク』
実演はしなかったが巨大な(直径50メートル!!)火の玉を作り出して思いっきりぶん投げる技。着弾するとそこで超大爆発を起こし、周辺の物を消し飛ばして焼け野原にするあまりにも危険な技で、叶音は最初構えて相手が降伏しなかったら投げるという核爆弾的な扱いをしている。
好物:抹茶、ミルクティー、和菓子、人々の幸せ
特技:
キャラ弁作り
最近のマイブームは猫らしい。
打ち上げ花火
正確には自分で作った火の玉を空に放り投げて爆発させる投げ上げ花火。花火大会でやって欲しいという依頼もしばしば。
その他の情報
新城と共に入学した生徒。いつも明るい太陽みたいな存在で、周りの人も元気にしてしまう。普段は高台の神社で生活しており、便利屋で生計を立てている。客人が来るといつもお抹茶を出すらしい。両親は彼が小学校の頃に火事で亡くなっており、叔父に育てられた。いつもヘッドホンをしていてよく音楽を聴いている。人情家で、誰かのために動くことが彼の生き甲斐なのだとか。だが、感情的になり過ぎると口が悪くなる。
生徒会の女城真由とも関係が?




