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異能アカデミー夜月学園!!  作者: 稲荷
辛い記憶も宝物 編
16/19

第16話 陽はまた昇る

「カナ…ト…」


オレもまた、叶音を見ていた。視界がグワングワンする。脳震盪いってるかもしれねぇな…安易に動くのはマズイ…


「…」


叶音は、なにか呟きながらコチラを見ていた。…飛んだお人好しだ。一番あぶねぇのはアンタなのによぉ…。


「…桃、悪ぃな。ちょっとだけ寝かせてくれ。」

「…させるわけないじゃん。」

「なぁに…ちょっと寝れば問題ねぇよ…それじゃ…おやす…」

「なんだアレは!!」


おいおい。少しは寝かせてくれよ。誰だ俺が寝返りうって寝ようとした瞬間に静寂ぶち破ったの。後で覚えてろよ。


「うるせぇ…」

「いや、無理もないよ。」

「は…?」

「あっち…。」

「…嘘だろ…」


信じらんねぇものを目にした。さっき撃たれた叶音が、宙に浮かび上がってそのまま謎の光と炎に包まれていきやがった…




「…」


光と炎に包まれる中、沢山の記憶が蘇ってきた。あの神社に住み始めて一番最初のお祭り、朝の通学中の出来事、便利屋仕事をした時の人々…その顔には、いつも笑顔があった気がする。僕の焼きそばを食べて微笑んでくれた、僕の元気な挨拶で街の人は笑ってくれた、僕の手伝いで、沢山の人が喜んでくれた。


「…僕の願いは…」


僕のあの日の出来事、小牧と桃の辛い日々、ペルの全てを失った時…それをもう二度と誰にも経験しないで欲しい。


「…僕の願いは…!!世界に幸せを届ける事!!」

パッキィィィィィンッ!!

…一気に僕の視界が開けたかと思えば、元の景色に戻っていた。僕は自分の体を見回す。…傷が塞がっている。なんか力が湧いてくる。そして特筆すべきは…背中に生えている白い翼。…どこまでも飛んでいけそうだ。


「…姿が変わったからなんだ。同じもんだ!!」ガオムッ

「…遅い。」シュインッ

「…何っ!?」


リーダーの銃弾も難なく避けれる。…自分が自分じゃないみたい。


「…君がした事。僕は許さないから。」


そう言って僕は弓を構える。…気のせいかな?弓も矢も変わってる気がする。…矢はまるで流星のような…


「…獅子座流星群(レオ・メテオシャワー)!!」


そう叫んで僕は弓を放つ。…それは途中で分離し、正に百獣の王が牙を剥くように、一直線に飛んで…


「ウワァァァァァ!!」ドゴォォォォォォォンッ!!


リーダーに着弾して大爆発を起こした…




「叶音…」


ありゃスゲェ。なんか傷ふさがってるし、姿変わってるし、飛んでるし、パワー格段に上がってるし…なんだありゃ。


「姉ちゃん。頭の方は?」

「問題ねぇよ。」


と強がっているが正直に言う。ヤバい。

今ここで目がパッチリ空いてるのが不思議なくらいだ。


「何よあれ!?」

「…あれ、安城クンじゃないかい?」

「「…!!」」


俺たちの後ろから叫び声が聞こえたので思わず振り向く。…あぁ、いつぞやの…女城(めじろ)だっけか。


「ありゃ、覚醒ってやつだな。」

「…あ。桃花台(とうかだい)さん…って頭から血がっ!?」

「心配すんな。致死量じゃねぇよ。」

「どう見たって重症ですよ!冷やしますっ!!」

「イデデデデデデッ!?」

「安静にしてる事だね。仔猫ちゃん?」

「誰が猫だ(すめらぎ)!!」

「おお怖い怖い。」


と駆けつけてきた生徒会の女城(めじろ)真由(まゆ)(すめらぎ)天馬(てんま)とそうひと悶着。…


「にしても驚いたねぇ。布浦港近くの廃倉庫から爆発音がしたと聞いて来てみたら大乱闘。4対90にもかかわらずこれ程とは…」

「私が誘拐されたのを助けに来てくれたんです。」

「君は…ペルだったかな?…どうやら、もう一度君の扱いに着いて話し合うべきみたいだね。」

「ヒッ…」


と、少し考え込むような感じで皇にそう言われたペルが青ざめている。…それはともかく。


能登(のと)かがり火!!」

「ドワァ!?」

「大文字!!」

「センナナヒャクゥ!?」


アイツはどうなってんだ?覚醒した瞬間バッタバッタと敵をボコしてるじゃねぇかよ。


「クソッこうなったら…!!」

「…全員で突っ込むぞ!!」

「「ワァァァァァァァァァァァ!!」」


ヤバッ。一斉に突っ込んできやがった。


「…」スッ…ボワッシュ!!

「なんだありゃ!?」

「退けッ!!退けェェェェ!!」


…が、いきなり逃げだした…。なぁ、これやばくねぇか?

見てみろよ…あのバカでかい火の玉。


「サンシャイン…!!ストライクゥゥゥゥゥ!!」

「逃げろ!!」

「「「「え!?」」」」バッッッッッッ!!


それを叶音がぶん投げた瞬間に、オレは全員にそう指示を出す。あんなの吹っ飛ぶなんてレベルじゃねぇぞ…


「「ドワァァァァァァァァァァァ!?」」

ドッッッッガァァァァァァァァァンッ!!


ヤバいヤバい!!あれはマジでやばい!!

人も建物もみんな吹っ飛んでやがる。ヤバすぎるぞあれは。


モクモクモク…


「叶音!!」


オレは煙に向かってそう叫ぶ


「…安心して!!大丈夫だから!!」


と、叶音の声が帰ってきたかと思えば、煙から姿を現した。もうさっきの覚醒した姿ではない。


「カナトォォォォ!!」

「うわっ!頭平気!?」

「お前が無事なら治ったのと同じだ!!」

「ホント良かった!!」


オレ、叶音、桃は三人でワイワイと喜んだ。




「…本当に…良かった。」


私も涙ぐんでそう呟く。


「君が無事でよかったよ。」

「ウウッ…正直な話怖かったァァァ!!ありがとォォォォ!!」

「君は僕の家族じゃん!お互い様!!」


私は思いきり泣いた。助けて貰えたのが嬉しかった。家族だと言ってくれたのが嬉しかった。…彼となら大丈夫。きっと…


「あ〜…安城クン?」


そんな感動を遮るように、皇先輩が話しかけた。


「皇先輩と女城先輩?どうしたんですか?」

「どうしたもこうしたも無いわよ!!」

「これ…どうするの?」

「…あ。」


後日…


「バッカモォォォォォンッ!!」


生徒会室に(みかど)会長の怒号が響き渡る。


「すみませんっ!!」

「随分と派手にぶっ飛ばしたな!?周りに一般人が居たらどうする!!」

「つい夢中になってました!」

「それで済むわけないだろう!!」

「アハハ…叶音ドンマイ…」

勝守(かつもり)くん助けてヨォォォ!!」


この後、僕は一時間説教を食らった。…まぁ、ペルが無事だったならそれでいいや。


[完]






《キャラクター紹介》


名前:安城(あんじょう) 叶音(かなと)


仮名:ナシ


種族:人間


性別:男


所属:夜月学園


能力:炎を操る能力


1.炎を生成して自由自在に操る能力。


ボールを作って投げたり、炎の武器を生成して戦ったりと自由自在。武器は弓矢の「晴天朱雀」と刀or薙刀の「炎」がある。


『炎』の矢と火の玉はなにかにぶつかると爆発する。 そうでなくても、自分で指パッチンすることでも起爆できる。


2.Sunrise 〜陽はまた昇る〜

大ピンチに陥った際に勝手に発動する覚醒能力。

姿が変わったり翼が生えたりパワーが上がったり。色々とある。


技:


『炎・炎舞』


『炎』を装備している時に、回転させたり縦横無尽に降ったりして相手に攻撃する技




『晴天朱雀・日本晴』


『晴天朱雀』を装備している時に斜め上に矢を乱れ打ちする技。着弾すると何回も大爆発する。




『サンシャインストライク』


巨大な(直径50メートル!!)火の玉を作り出して思いっきりぶん投げる技。着弾するとそこで超大爆発を起こし、周辺の物を消し飛ばして焼け野原にするあまりにも危険な技で、叶音は最初構えて相手が降伏しなかったら投げるという核爆弾的な扱いをしている。今回は敵を消し飛ばす目的で実用した。


『大文字』

名前の通り、相手に向けて大の字に形成された火の玉の塊を放つ技。


『能登かがり火』

覚醒技。薙刀の制度を高めてさらに素早く攻撃をかます。


獅子座流星群(レオ・メテオシャワー)

覚醒技。弓を放ち、相手に獅子のように牙を剥く。着弾すると大爆発。




好物:抹茶、ミルクティー、和菓子、人々の幸せ




特技:


キャラ弁作り


最近のマイブームは猫らしい。




打ち上げ花火


正確には自分で作った火の玉を空に放り投げて爆発させる投げ上げ花火。花火大会でやって欲しいという依頼もしばしば。




その他の情報


新城と共に入学した生徒。いつも明るい太陽みたいな存在で、周りの人も元気にしてしまう。普段は高台の神社で生活しており、便利屋で生計を立てている。客人が来るといつもお抹茶を出すらしい。両親は彼が小学校の頃に火事で亡くなっており、叔父に育てられた。いつもヘッドホンをしていてよく音楽を聴いている。人情家で、誰かのために動くことが彼の生き甲斐なのだとか。だが、感情的になり過ぎると口が悪くなる。


生徒会の女城真由とも関係が?


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