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異能アカデミー夜月学園!!  作者: 稲荷
辛い記憶も宝物 編
14/19

第14話 取り返せ!

チュチュン…チュン…

「ただいま〜…ってあぁぁぁ!?」

「うーん…どうした…?…マジかよ…」

「スゥ…スゥ…」


朝5時…

妖怪運動会から帰ってきた(もも)がそう叫びをあげ、小牧(こまき)がゆっくりと起き上がる。叶音(かなと)はまだ寝ているようだ。


「おい叶音!!起きろ!!」

「うーん…何…?」

「何?じゃないって!」

「あぁぁぁ!?ペルどこ!?」

「「知らない!!」」


やっと起きた叶音も何が起きたのか分からない様子。ひとつ分かるのが、ペルが居なくなっているという事。


「…足跡…さらわれた!?」

「そうだな…痕跡はそれしかねぇ…」


叶音も小牧も、そう二人で話し合う。


「私が帰ってきた時にはいなかったから、深夜の犯行ね。」

「…叶音、なんか見てないか?」

「いや?…でも…」

「でも…?」


小牧がなんか引っかかってる様子の叶音にそう聞く。


「なんか変な夢を見たんだよね…」

「夢…だと?」

「うん。真夜中に怪しい二人組が来て、ペルの事をさらっていく夢。ペルが必死に抵抗して一旦突き放して、紙に何かを書いていたんだけどすぐに連れていかれた夢。」


と叶音がそう状況を説明する。

…なんか凄く細かく覚えてるな…


「…なんか妙に今と状況が似てるなぁ…」

「それ、現実の間違いじゃない?」

「…そういえば一回目が覚めた気がする。誰かの声が聞こえたあと、すぐ寝ちゃったけど。」

「…現実だな。」

「それ早く言ってよ!?」


今ので確信した。叶音が、ペルがさらわれる一部始終を見ていたと。


「それが本当なら、どこかにその紙が落ちてるんじゃ?」

「そうかも。探してみよう!」

「やるぞ!」


そして俺らは、ペルの手がかりを探しに行った。




「すみません。昨夜、誰かの悲鳴を聞きませんでした?」

「…分からないわね…」


「オッサン。昨晩この辺で何か担いだ2人組を見なかったか?」

「うーん…知らんなぁ…」


「昨日、この辺でなんか変なの見なかった?」

「分からない…」


俺たちは街中で色々な聞き込みをした…が…


「手がかりなし…か…」

「こっちも。」

「うーん…」


町人、近所のおばちゃん、桃の友達など、たくさんの人達に聞いたが、手がかりは掴めない。ふと…


「…あ。そういえば…」

「なんか閃いたか?」


と、叶音が何か覚えている事があるようで、俺達は叶音に聞いてみた。


「ちょっとついてきて?」

「…おう。」


そう言われて戻ってきたのは…神社だった。


「帰ってきてどうすんだよ…」

「昨日の夢だとこの辺に…あ。」

「なんかあった!?」

「これ…かも…」


と叶音は昨晩の夢を頼りに神社の玉砂利をフラフラと下を見て歩いた。そしてついに何かを見つけ、叶音はそれに手を伸ばした…




豊暮(とよくれ)市の南にある植野(うえや)市のさらに南の紅南(こうなん)市某所。釣り人達が行き交う布浦(きれうら)港付近のとある廃工場内…


「私を解放しなさい…!!」

「嫌に決まってるでやんす。お前は俺らの活動に使えるすからね。」

「人から奪う事しか出来ない貴方達に私が力を貸すとでも?」

「お前が断っても、無理矢理やらせる。お前の完全記憶能力(パーフェクトメモリー)があれば、他のヤツらの弱みも握り放題。俺たち紗洞(シャドウ)の独壇場ってワケだ!ハッハッハッハッハ!!」


私は昨晩のクソ野郎共とその仲間10人くらいに、柱に縛られて動けない状態でいた。…コイツらと同じ場所にいるってだけでも嫌なのに喋る事しか出来ないとはね…前はロープだったから歯で噛みちぎって脱出したけど今回は手錠だからそうは行かない。あーちょっともうコイツら消えてくれないかしら…私は神社に帰りたいのよ。


「死ねやバーカ!」

「なんとでも言っとけばいいでやんす!どうせお前はそれしか出来ないっすから。」

「ブス!!雑魚!!ボンクラ!!これが終わったら貴方達を海に沈めてやるわよ!海で魚の餌にでもなりなさいよ!どうせそれぐらいしか役に立てないバカなんだし。あーもうゴミ捨て場の臭いがする。風呂はいってんのアンタら。今すぐ消えてくれないかしら?五感全てに毒だわ。」

「そ…そこまで言わなくても…」


片方は案外メンタル弱いのね。すぐ撃沈した。…もう少し心強くしなさいよ犯罪者それでいいの!?

…まぁ、いいけど。


「おい女…調子に乗ってんじゃねぇぞ。」

「ひっ…!!」


が、ついにリーダーの男の責任に触れてしまったらしい…私は首にナイフを突きつけられて思わず青ざめる。


「使える存在かと思ってたんだがなぁ…まぁいい。お前みたいなヤツ、すぐに見つかるさ。かと言ってここから逃がす訳にも行かねぇ…死ね!」

「叶音さん…」


リーダーがナイフを振りかぶり、私が死を覚悟してそう呟いた瞬間…


「誰だお前は!!エァァァァァ!?」

「ウガァッ!?」

「何!?」


外から悲鳴。中に居た私達は、思わず動揺する。


「えっと〜こんぐらい?…えいっ!!」

ドガァァァンッ!!


聞き覚えのある声が聞こえた次の瞬間、リーダーの後方50メートル先の扉が大爆発と共に吹っ飛び、中から二人の人影…


「随分と派手にやったなぁ…」

「火力調整間違えた。…それはともかく…助けに来たよ!!」

「パッ(参上)」


それは間違いなく…叶音さん達だった。


「昨日の…!!なぜここがバレた!?」

「ペル。ありがとね。」

「オレ達がココだと分かったのは…」

「コレのお陰!」


そう言って叶音さんがポッケから1枚の紙を取り出す。

それは私が昨晩、さらわれる間際に書いたメモだった。


「これが神社の玉砂利に落ちててね。それで分かったよ。」

「叶音さん…」


私は思わず泣いた。自分を大切にしてくれる人が居たから。


「とりあえず、そこまでにしてもらおうか…」

「ヒッ…!!」

「ちょっとでも動いたり音立ててみ…この女殺すぞ!!」


リーダーは私にナイフを突きつけ、そう脅してきた…

一方の叶音さん達は…


「やれるもんならやってみなよ!!ヘイ!!」

「ホイホイッ」ビリリッ!!

「えいっ!!えいっ!!」ドシンドシンッ!!

「「…は?」」


なんか普通に踊ったり音立てたりしはじめた…。

は?え?そこって従うとこだよね!?なに普通に動き回ってるの!?リーダーも私もお口あんぐりよ!?


「ストップストップ!!」

「え?」

「いやなんで踊ってんだ!?女の命惜しくないのか!!普通そこは動き止めるとこだろ!!教えはどうなってんだ教えは!!」


男も思わずそうつっこんでいる。いやホントそれ。これは喜劇じゃないんだから。


「…もちろん、助けるつもりでやってるよ?小牧!!」

「あいよ!!」

「何!?」


叶音さんはニヤッと笑ってそう言うと、小牧さんに合図を出した。電光石火で私に近づき、手錠を壊して私を抱き上げてそのまま戻る。…全ては私から目を離させる為…計算通りだったのだ。


「で?音でも立てたらどうするって?」

「…調子に乗んじゃねぇぞ!行くぞ野郎共!!」

「予定通りね!」

「「おう!!」」


そして、私を賭けて二つの勢力がぶつかった…!!

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