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18話. 鑑定、鑑定、そして鑑定

 

 バタン。

 宿に戻った俺はゆっくりと部屋の扉を閉めた。


 誰もいないのが分かり切っているのに、思わずキョロキョロと周囲を確認してしまう。そりゃそうだ。今から新しいスキル、鑑定を試すのだから。


 まずはステータスの確認だ。


「ステータス・オープン!」


 --

 名前:サイ

 種族:ヒューマ

 職業:冒険者(Fランク・ノービス)

 HP:280 / 320

 MP:164 / 164

 魔法:戦闘火焔魔法(超級)、日常火焔魔法(超級)

 スキル:身体強化、鑑定

 特記事項:状態異常(迷い人)

 --


「んなっ!!」

 思わず驚きの声を上げてしまった。


 俺のステータスには確かに新たに習得した鑑定スキルが表示されている。

 が、驚いたのはそこではない。

 それは当然のことだからだ。


 ステータス画面には見ての通り、何と新たな項目が色々と追加されていたのだ。この中では【状態異常(迷い人)】というのも気になるが、それよりも今、重要なのはHPとMPだ。


 おそらくHPはヒットポイントのことを指す。俗に言う体力に相当するはずだ。MPはマジックポイントのことだろう。こちらは魔力量のことに違いない。


 突然これらの数値が現れた心当たりは一つしかない。そう、『鑑定スキル』だ。さっそく最大限の効力を発揮してくれたようだ。


 この世界に来てから気になっていることがあった。

 それは俺の魔力が一体どれくらい使えるのかという点だ。


 このように具体的な魔力量が可視化されると戦闘も依頼もかなり精密にこなせるようになるだろう。


 特に撤退のタイミングについては、単純な疲れ具合だけではない、根拠のある数字を頼りに判断を下せるようになる。これは今後の活動をしていくにあたって重要な指針となるに違いない。


 見たところ、HPの方がMPよりも高い。


 おそらくHPは身体強化スキルを使って体を動かしているので数字が良くなっているとして、問題はMPか。予想よりも低い。いや、ある意味想定内か。


 実際のところ、俺が魔法で倒した獲物はギガ・マンティス1匹だけ。あとは、練習や登録試験の際にファイアー・ボールを放ったにすぎないのだから。


 果たして俺の数字が他人と比較してどれくらいなのかという相対的な位置を知りたいのだが、それは後回し。


 ついついステータスを見ただけで興奮してしまったが、まだ肝心の鑑定スキルを試していない。


「鑑定」


 適当に声を出してみた。目の前にあるのは硬貨1枚。案の定、目の前に画面が出現した。


 --

 品目・種別:100クラン大銅貨

 素材:アンゴルギラ銅鋼

 総合等級:D(低級)

 技術レベル:D

 素材レベル:D

 特記事項:サンローゼ周辺地域で流通している汎用硬貨

 --


 おぉ!

 これは凄い。


 役に立つ情報がてんこ盛りだ。しかも100クラン大銅貨であることは元から承知しているので、この鑑定が正しいことも証明された。


 明日から存分にこの有用スキルを使っていこう。


 念のため、対象物を見ながら頭の中で念じてみても発動した。言葉を発しなくても使えることが分かり、さらに安心だ。


 さらなる収穫は今となっては解読できない古代言語のルーン文字であったとしてもスキル、そしておそらく魔法も習得可能だということ。


 もしかすると、身体強化スキル獲得のパズルに書かれていた文字は同じものだったのかもしれない。


 そういえば文字の雰囲気が似ているような気がしてきた。


 う~ん、さっきは浮かれすぎて粘土板をちゃんと見なかったが、これは大失敗だったな。身体強化スキルの件は、おそらく文字と同じ効果を発動する魔法陣が裏側に描かれていたため、そちらが機能して獲得できたということだろう。



最後まで読んで下さり誠にありがとうございます!


もし、ほんのわずかでも面白い、続きが気になると思って頂けましたら、ブックマークや評価、あるいは感想などのフィードバックをしてくださると飛んで喜びます。このページの下の方にある『☆☆☆☆☆』から評価を入れられます。


これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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