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154話. 俺が勇者なのか否かなんて些細なことだ

 

 えっと……。

 あまりにも情報過多で色々と頭がこんがらがってきた。


 ちょっと大変な話になってきた気がする。もしかしなくても、この世界に来てから最も混乱しているかも。


 まずは出てきた情報を整理しよう。


 【この世界に突如として現れた勇者という存在】


 彼らは魔物と同じく大人の姿でこの世界に突如として顕現し、あろうことか心臓と魔石の両方を持っていた。そして普通の人間とは比べ物にならない位、魔法の扱いに長けていたという。


 なるほど、なるほど。


 この話だけでもわざわざここを尋ねた甲斐があったというものだ。


 すごい。世界の真相に着実に近づきつつある話の数々に興奮を隠せない。いや隠し通さないといけない。核心に迫る情報だ。


 さすが伝道師。この胡散臭いガイという男だが、言っていることは逐一真実味がある。そもそも俺の鑑定スキルが通じなかったり、魔力覚醒について知っていたり、その辺りを含めると常人では決してない。


 それにしても、……勇者か。

 まさか俺が新たに生まれた勇者なんてことは、……さすがに無いよな。


 勇者にふさわしい人材など腐るほどいるだろう。もし俺を選んだなら、そりゃ、選んだ奴はとんだ節穴だ。


 まぁ、この話はこれで終わりかな。

 俺としては平和に生活できればそれでいいのだから。


 もっとも、平和を乱す奴は容赦しないがな。ニッコリ。



 ◇


「もし良かったら作業部屋を見せて欲しいのだけれど、可能だったりするのかしら?」


 ナイスだ、ノエル。俺が言いたいことを代わりに言ってくれた。さすがに俺が言うと不自然さが出てしまうかもしれないからな。


「う~ん。残念ながら、それは許可できない。これは掟というか不文律というか、我々、伝道師が守らなければならないルールのようなものなんだ。例え、ブロドリオ様であったとしても見せることはできない。遠いところから来てくれたのに申し訳ない」


「残念だけど、分かったわ。何だか秘密がたくさんありそうだし、理解できるわ」


「とりあえず話は終わったかな。君たちはどうする? お客人とあれば本当はここに泊めてあげたいのも山々なんだが、そういう理由で歓迎が出来ないんだ」


「この近くに宿があればいいが、どこか知らないか?」


「見ての通り、ここランドコールは何もない場所だ。だがな、家の前の道をひたすら進行方向へと進んでいくと『コルテア』という小さな村がある。大体そうだな、10キロといったところか。君たちなら今からでも夕飯の時間までにはたどり着けるはずだ」


「そうか、意外と近くに村があるんだな、ぜんぜん気が付かなかった」


「実はここから街までは少し峠のようになっていて、登って下る感じなんだ。だから、ここから村は見えないのさ」


「なるほど、そういうことか。了解した。色々と世話になったな。突然押しかけてしまってすまなかった」


「いやいや、こちらこそ久々に話ができて楽しいひと時を過ごせたよ。礼を言いたいのはこちらの方だ」


「お茶菓子、とっても美味しかったわ!」

「ユエもお礼を言いたい。お世話になりました」


「それじゃあ、俺たちはコルテアに行ってみるとしよう。世話になったな」


 こうして俺たちは伝道師のガイの家を出て、一路、コルテアの街へ向けてトボトボと歩いていく……はずはない。


 さすがに十キロは歩けなくはないが、今の我々が取るべき選択肢ではない。


「少し暗くなってしまったから、どうする? ひとっ飛びするか?」


 そう二人に尋ねてみる。


「ええ、もちろん!」

「飛びたい!」


「よし、そうと決まればさっそく飛行しよう」


 空間魔法で『空飛ぶじゅうたん』を速攻で作り、三人で乗り込み、コルテアを目指して飛んでいく。



最後まで読んで下さり誠にありがとうございます!


もし、ほんのわずかでも面白い、続きが気になると思って頂けましたら、ブックマークや評価、あるいは感想などのフィードバックをしてくださると飛んで喜びます。このページの下の方にある『☆☆☆☆☆』から評価を入れられます。


これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] わざわざ遠くから来るから、 遺物の複製でも依頼するのかと思ったら、 話を聞いただけか。よく来る気になったな
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