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140/196

140話. えっ、まさかこんな場所でランクアップのチャンスが到来だとっ!?

 

 さて、我々は問題なく『ポイズン・アナコンダ』の魔石の査定と換金を終えた。


 そうして高額買取りの余韻に浸りながら鑑定士のお姉さんを交えてまったりとしていたところに突如として沸き起こったのがこのざわめきだ。


 この興奮冷めやらぬ雰囲気は一体どこから来るのだろうか?

 そしてその正体は?


 俺たちの頭の中に “???” が浮かんで来たちょうどその時。

 小走りの男二人が我々の真横を話しながら駆け抜けていった。


「あっちだ。あっち! 早くしないと始まってしまうぜ!」


「今回は成功するかな? やっぱりダメかな……」


 聞こえてきた会話はこれだけだ。二人はもうどこかへ行ってしまった。


 どうやら外で何かが始まるらしい。


「これから何が始まるのかしら?」


 そう尋ねたのはノエルだ。なるほど。確かに鑑定士のお姉さんなら何か知っているかもしれない。


「これはアレね。特別昇級試験が始まるときはいっつもこうなるの!」


「しょうきゅうしけん?」


 ユエが口をポカーンと開けながらそう口にする。


「そう、特別昇級試験。しかもE級からD級の」


「えっ!? ちょっと待ってくれ。C級までは確か、ポイントが貯まるまでひたすら依頼をこなさないとダメなはずじゃなかったか?」


 ビックリたまげた。まさかそんなシステムがあるとはな。


「う~ん、それは厳密には違うわね。おそらくサイがいたギルドでは昇級についての説明を省かれてしまったのかも」


「まったく知らなかった。よもやそんなことが出来るとは……」


「確かに、あくまでも道は用意されているわ。だけど、そう、とてつもなく険しいわね、その道は。普通に正攻法で上がるのが大半の人間にとっては無難でしょうね」


「それでも、すまないが、その方法を教えてくれないか?」


「ふふふっ。わざわざ私が教えなくても裏手の訓練場に行けばすぐに答えが分かるわよ。早く行った方がいいわ。でないと、もう始まってしまうかもしれないわ」


「分かった。ありがとう」


「急ぐわよ、サイ、ユエ!」


「お姉ちゃん、待ってーー!」



 ◇


 さて、慌てて裏の訓練場に移動すると、そこは黒山の人だかりになっていた。どこからこんなに人が集まってきたのやら。



 とりあえず、見やすい場所に移動して、近くにいた冒険者に何が起こっているのか尋ねてみる。


「すまないが、これから特別昇級試験が行われるんだよな?」


「お前さん、その様子だと、これを見るのは初めてか?」


「そうだが……。それにしてもすごい人出だ。いつもこんな感じなのか?」


「いっつもこうさ。何しろ絶好のショーだからな。それに昇級試験の『条件』でもあるからさ」


「条件ってどういうことなの?」

 ノエルが興味津々という具合で話に割って入ってきた。


「そうだな。特別昇級というのは普通の条件ではないだろ。いわば例外の扱いだ。そうなると、多少なりとも不利な状況でも成果を出さなければ認めがたい。つまり、多くの観衆にプレッシャーを与えてもらって、それでも所定の能力を発揮できるかが重要なんだ」


「確かにそう言われて見れば理にかなっているわね」


「それで、この特別昇級試験とやらは一体何をやるんだ?」


 いよいよ本題に入る。一体どんだけ過酷で困難な試験なのか。何をやらされるのだろうか。場合によっては候補者が大けがを負ってしまうかもな。


「いや、試験はしごく簡単なものだ。それに早く終わるぞ。それこそ一瞬でケリが付く」


「えっ!?」


 予想外の答えに戸惑いを隠せない。


 ギャラリーが多いとはいえ、そんな楽そうな試験で本当にいいのだろうか?


「そろそろ始まるぞ!」


 どうやら特別昇級試験の準備が始まったようだ。受けるのはひょろっとした男の冒険者1名。さぁ、どういう試験なのか。


 気になるその内容は? はてさて試験の結果は如何に?



最後まで読んで下さり誠にありがとうございます!


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