始まった2人のアイドル人生
初投稿です!
これから不定期で投稿していきたいと
思います。
読んでいただけたら嬉しいです\( ˆˆ )/
〜これは、2人の少女がトップアイドルを
目指す物語である〜
「今日でオーディション落ちるの何回目だよ…」 ベットに寝転がりながら、先日受けたオーディションの不合格通知を見ている私、井上さくらは、アイドルを目指している18歳の女の子である。
よくある話、最近田舎から東京に上京してきたのである。
私がアイドルを目指そうと思ったきっかけは、みんなを笑顔にしたい、キラキラ輝きたい、そんな純粋な動機ではなく、ただただ「儲けたい」ということだった。
私のアイドルになりたい理由はそれ以外の何でもなかった。
ではなぜそんなに儲けることにこだわるのか。そのことに関して特に理由はなかった。
もし、私が家が貧乏で家族に贅沢させてあげたいから、といった理由を持っていれば、本当に私は出来た子だったと思う。そんな理由は全くないが。
地元では、みんなから、かわいい、かわいいとちやほやされていた。
特に何の特技もなかったが、実の母親からも「あんたは顔だけはいいわね」と言われたくらいだ。まあ、逆に言えば顔以外は何の取り柄もないと言われているようなものだ。実際そうなのだが。
勉強も運動も、中の下。特に卓越した特技もない。強いて言えば、中学生の弟にゲームに勝てるくらいだろうか。そんな私が、楽して儲ける方法…考えを巡らせて思いついたのが、「アイドル」だった。そこから両親に頭を下げて、東京に上京させて欲しいと頼み込んだ。最初は、猛反対されたが、最終的に
「勝手にしなさい。ただし、生活費は自分で稼ぐこと。」と突き放された。その時の私は
考えが甘かった。生活費くらい何とかなる、
上京を許してもらえればそれでよし、という勢いで東京に来て、今この状況だ。
中目黒で1番安い家賃のアパートに住んでいるにも関わらず、その安い家賃を稼ぐためにバイトに明け暮れる日々だ。オーディションも不合格ばかり。
初めてオーディションに行った時、周りの子のオーラに気圧された。ルックスは、私だって負けていないはずだった。しかし、私とは違う何かをあの子たちは持っている。まるで、同じ服でも着る人が違うだけで、全く雰囲気が違うかのように。
もう実家に帰りたい、その気持ちが頭の中の8割、いや9割を閉めていた。心身共に疲れて、ベットの上で眠りにつきそうになったその時だった。
「プルルルル…」そばに置いていた携帯電話の着信音が鳴った。どうせまた不合格のお知らせの電話だろうと、「はい…」と元気なさげに電話にでると、「スタープロダクションの谷川です。井上さん、おめでとうございます。オーディション合格です。これから事務所に来てもらえますか?」ハキハキとした女の人の喋り声が耳にスーッと入る。状況をすぐには把握出来なかった。「え…? 今なんて…?」「合格ですよ、おめでとうございます!」合格という言葉が頭の中でエコーする。「ほ、本当ですか?」「はい!今からこちらに来ていただけますか?」「え、えっと、分かりました…」「はい、ではお待ちしております!」電話が切れた後も、しばらくぼーっとしていた。合格?私が…?
「うそーーーーーー」思わずベットの上で飛び跳ねた。「やったーー!」しばらく部屋中を1人で走り回った。はたから見たら、明らかに変人だ。すると玄関の方から、ドンドンと乱暴に扉を叩く音がした。「ちょっと、うるさいよー!」「ご、ごめんなさい!」昼間だからといって、アパートで飛び跳ねたり、走り回ったりするのは、迷惑だったようだ。ふと、我に返って「そうだそうだ、事務所行かなきゃ」と急いで支度した。中目黒駅から電車に乗って、スタープロダクションの事務所がある、原宿駅まで行った。原宿駅から事務所まで徒歩10分。とうとう事務所の前まで来た。ごくり、と息をのむ。そこまでは大きな事務所という訳でもないが、事務所に来た事がない私にとっては、迫力満点だった。「よし!」思い切って扉を押し開け、足を踏み入れる。その瞬間、まるで感じたことのない空気に包まれた。これから私のアイドル人生が始まる、そんな未来を夢見る気持ちが心の底から感じられた。「へへ…私が儲ける未来もそう遠くはないなもな…」1人でブツブツ言っていると、背後から「井上さん?」という声がした。一瞬ビクッとなったが、振り返ると優しそうな小柄な女の人がにっこり笑って立っていた。「初めまして!電話させて頂いた谷川です。あっ、これ名刺です」どうも、と緊張しながら名刺を受け取る。「スタープロダクション 谷川 夏実」という文字がはっきりと印刷されていた。気が張っていたのが感じられたのか、「緊張しないで大丈夫ですよ!
こっちの部屋へどうぞ!」と谷川さんが優しく声をかけてくれた。「はい、ありがとうございます。」と案内された部屋に入ろうとした瞬間、「もう1人いますからね。井上さんだけじゃないんで、余裕ですよ!はは!」と谷川さんが言った。「もう1人…?」「はい!
お待たせしました、一条さん!」一条…?
谷川さんが部屋の扉を勢いよく開けると、そこには、私と同年代くらいの女の子がいた。私も戸惑っていたが、その子もポカーンと口を開けて目を点にしていた。「あの、谷川さん、こちらの方は…?」私が聞くと、「はい!2人にはコンビでデビューして頂きます!」「は…?」ここから私の、いや、私達のアイドル人生が始まった。これから起こる、想像も出来ない事を知らずに…
最後まで読んでいただきありがとうございました!次の投稿がいつになるか分かりませんが、次回も良ければ読んでいただきたいです(´∀`)