本当に意味があるの?GPSって
「GPSっ?」
藤崎は渋い顔をした。
「意味があるんだろうか、逃走予防に」
今回のゴーン被告の逃亡劇。
逃亡防止のため、保釈者にGPSをつけるのだという。
「無意味だな」と藤崎は呟いた。
国外逃走プロジェクトの参加者は数十人、
プライベートジェットを用意し、
手薄な空港を選び、逃走。
「GPS装置なんて外れるし、
体内埋め込み式でも、再手術すれば取り出せる。
まあ、映画みたいに外せば、爆発するなら別だが」
GPSは置き捨てられ、容疑者は逃走。
一般的には有効だが、今回のような場合効果があるか疑問だ、
というのが自称名探偵藤崎誠の言い分だ。
だったら、どうするのか?って。
「徹底的に関係者を追及するべきだ。
手助けした協力者を特定し、訴追する。
プライベートジェットも証拠品として押収するんだ」
ゴーン被告と同じで、容疑者を引き渡してもらえない?
「彼はレバノン国籍をもっているから、引き渡されない。
でも、他の容疑者はそうではない。
欧米人がいるという。
彼らを日本の威信をかけ逮捕すると日本政府は表明するんだ。
IPCOを通し、各国に捜査協力を求めるんだ。
そして協力者の報酬も押収し、
ゴーン被告にプレッシャーをかける。
逃走方法が明らかになれば、世界の世論も日本側につくかもしれない」
じゃあ、つまりGPSは無駄だってこと?
「だから、一般的には有効だ。
でも、今回に限っては効果はなかったかもしれない。
ニュースの解説者が気軽にGPSをつけておけば・・・
というコメントにちょっと反論したかっただけだ」
「ついでに言うが、大麻使用で逮捕された元オリンピック代表の国母さん。
今後は日本では使用しないと言ってるのがなぜ悪い。
大麻が合法の国だったら、大麻を使用しても何の問題はない。
問題があるなら、その国へは渡航禁止にするべきだ。
じゃあ、なぜカジノは批判しない。
日本で禁止されていて、平気で海外でするんじゃないか。
芸能人は、そうテレビ番組で平然と言う。
同じ理屈じゃないの・・・」
ゴーン被告の逃走について、
コメントを求めていた記者は熱くなった藤崎の取材を打ち切った。




