表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜明けのソラの契承者 封印楽園都市  作者: やたか なつき
二章
20/34


「貴方の異能ではあるまい」

「さて、どうでしょうか?」

 白面は、答えない。言うまでもない。

自身の異能をひけらかすことなど愚の骨頂である。

異能者同士の戦いとは、即ち情報戦である。

如何に自身の異能を隠し、相手の不意をつくかが重要になる。

「こちらとしても意識が戻ってからでは面倒ですので、先に確保させて頂きました」

「面倒であれば、全てこちらにお任せ頂ければよいものを」

 白面は、仮面の下で苦く笑うしかない。

「では、私もこれにて、と立ち去りたいところですが、それでは少し可哀想ですね」

 それは心からの言葉ではない。

そも、逃げる気であれば、既に姿を消している。

「つまり、私たちを足止めしておきたい事情があるということですね。

例えば、あまり遠くへは転移させられないとか?」

「見透かされていましたか。

ですが、気が咎めるというのは嘘ではありません。

お二方が叱責されるのは、公平とは言えませんから」

「お気遣いをありがとうございます。

確かに、侵入者を逃してしまいました。

それを咎められることは仕方のないことです。

ですが、心配は要りません。

貴方を捕らえれば、立つ瀬もあるというもの」

「そこまでする必要はありません。

私のせいにして頂ければ、矛先はこちらに向かいますので。

とはいえ、何もせず、見逃したとあっては、風紀委員の名折れとの謗りを受けるかもしれません」

「お優しいこと」

 互いに表情を覗きながら、出方を窺う。

膠着は続くが、双方に焦りはなかった。

「どうやら、先に仕掛けるつもりはないようですね。

正しい対応です」

 リンファとレアは風紀委員であり、対する白面は手配の身である。

「郊外とは言え、ここは学園の中枢である本島。

環境を鑑みれば、基本的には、時間が経てば経つほど、状況は体制の優位になる」

「連絡が途絶えれば、何かが起きていると考えるのが自然です」

 役に立たなくなったインカムを耳から外しながら、レアが不適に告げる。

既に、果たせなかった任務のことは頭にない。

白面との対峙に集中していた。

そして、それは正しい。

「私としても、時間が稼げればいいのですが、それはそれとして。

貴方がたは有望なようだ。

折角ですので、ここで手を合わせておくのも良いでしょう」

 白面は首を傾げるように、二人の少女の姿を覗き、そして、言葉を接いだ。

「では、始めましょう」

 短く告げられた飾らない言葉には、ただ威があった。

「違うな」

 だが、ここに怯む者はいない。

「違う?」

「私は既に仕掛けている」

 リンファは、静かに告げた。

その瞳は、虚空を刻んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ