062:改めて言うけどアンジュは恋愛成就の天使です
「あのー……、本当にコレで大丈夫なのでしょうか?」
『いけるいけるっ! YOUチョー可愛いよっ!』
「え、そうですか? えへへへ~☆」
ここはクラスタの街の北部。
以前、俺たちが名画(?)である『女神の涙』を修復した際にお世話になったローリさんの屋敷にお邪魔しております。
目の前では自称『恋愛成就マスター』こと、バカ天使アンジュプロデュースのファッションショー、もといローリさんの勝負服の選定を行っている。
「はいっ、スカートはJKのように3回織り込むっ!」
「JK??? それに、あの……これ、パンツ見えそうなんですけど……」
『見えそうじゃなくて、見せて魅せるんだよっ! 一撃で意中の相手を落とすのに手段なんて選んでんじゃないよっ! 私の尊敬する神様なんて、意中の相手を射止めるのに禁制のゴニョゴニョを一服盛って落としたんだからねっ!』
何その神様怖いっ!!!
つーかコイツ、恋愛成就の天使というか、もはや結婚詐欺師の崇拝する悪魔なのではなかろうか。
しかもローリさんは名前の通りロリ……というか、ホビットと人間のクォーターだそうで、こんな合法ロリ……もとい、小柄な女性に手を出すには相当勇気が必要だろう。
俺も、エアリオやメリーザなら恋愛対象として見られるけど(アンジュは論外です)、ローリさんからは犯罪臭しかしない。
『普段通りのキミを見てても、きっと相手は愛玩動物を愛でる気分にしかならないよ!』
「がーーーーん……」
いくらなんでも言い過ぎだ。
せいぜい、小学生の集団下校を見守る、通学路に立つお爺ちゃんの気分くらいだろう。
……まあ、恋愛対象からは程遠いという事実は変わらないのだけども。
さてさて、何で俺たちがローリさんの色恋沙汰に関わっているかというと、コレが今回のフラグ回収条件だからなのである。
『No.20 天才画家の子孫の恋愛を成就するべし!』
これが今回のクエストであり、そしてアンジュが出しゃばる理由でもあるわけで、恋愛を成就~……って単語が見えた時点で、コイツは狂喜乱舞していた。
「そもそもローリさんの好きな相手って人間だろ? 異種族という壁もどうにかしないとなぁ」
俺の言葉に、エアリオがムッとした表情になる。
『魔王様はぁー、人間以外とぉー、お付き合い出来ないんですかぁー?』
こんな顔(- ε -)で不満そうにブーブー言うエアリオに、思わず笑ってしまった。
そういやレンが仲間に加わった時も、ムチャクチャ心配してたもんなぁ。
「ローリさんの意中の相手がその可能性もあるってこった。俺は種族で差別するようなコトはしねーから安心しろ」
俺の返事に、エアリオは一転笑顔になり『私にもチャンスあり……』などとブツブツ呟く。
『私にもチャンス到来にゃりね……』
「何度も言うけど、お前はペット枠だからな……」
『に゛ゃーーーーん……』
◇◇
「長身で、格好良くて、物静かで、イケメンです!」
ローリさんから相手の印象を聞いたところ、スゴい回答を頂きました。
『4要素のうち3つが外見で、その内2つが同じ意味でしたわね……』
『私も最初は魔王様を肩書きだけで慕ってたから強くは言えないけど、だけど……自分の恋愛すらまともに進展してないのに、コイツの恋愛を成就とか、何だか釈然としねぇ……』
唖然とするメリーザとエアリオ。
それを見て、リーリアがアワアワとローリさんに話しかける。
「が、外見より中身が大切ですよっ! その方は性格も素晴らしいのですよねっ!?」
「一度も会話したことが無いから、分からないです~☆」
「これは、恋愛なのですかね……? 私は恋というものがよく分からないのですが、少なくともこの方のそれは何か違う気がするのです……」
まさかの状況に、リーリアとレンもお手上げの様子。
「……んで、恋愛成就マスター様はコレをどうにか出来るんですかね?」
ジト目で見る俺に、アンジュとロロが同時に親指を立ててニヤリと笑った。
『『余裕っち!』』





