表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/163

039:Marisaと書いてメリーザと読む

『ダルクディザスタダルクディザスタダルクディザスタ……』

『ブリワヴァラブリワヴァラブリワヴァラブリワヴァラ……』

『カムカラミティカムカラミティカムカラミティ……』


 高速に唱えるため、二人と一匹は呟くようにひたすら呪いの言葉を吐き続けている。

 それに伴って俺の身体を黒いもやが包み込み、カジノ全体がどんよりとした雰囲気になっていく。

 この雰囲気ではとてもお客さんは入ってこれまい……後で営業妨害で怒られないか心配だ。


「四天王二人と天才魔術師が一人相手に全力で呪いをかけるなんて、200年前の勇者との戦いでもこんな場面は無かったですよっ!?」


「う、うーん……」


 特にやることのないレンとリーリアの二人は、ひたすら混沌がうごめく俺を呆然と眺めている。


『今ですわっ!』


 メリーザの合図と共にディーラーがカードを配ると……


[ワンペア]


「くそったれえええええええええええぇぇぇっ!!!」


 俺の叫びと同時に、後ろの二人と一匹が力尽きてバターンと倒れた。



◇◇



 宿に戻った俺たちは、ぐったりした二人と一匹をベッドに寝かせ、頭を抱えていた。


「まさかこんなコトで苦戦するとはなぁ……」


 そんな中、アンジュが必死にシステムコンソールのヘルプ画面を眺めている。

 一体何を探しているのだろうか。


「俺の手持ちスキルには運気アップはあったけど、ダウンは無かっただろ」


『ううん、私が探してるのはそこじゃなくてね……あった! これだぁっ!!』


 アンジュの目線の先には『ステータス異常の条件について』というシステムヘルプが表示されており、LUKの欄には下記のようなコトが書かれていた。


『LUK値は触れた相手にも影響するため、例え本人が不運であっても、強運な人と触れ合いながら敵を倒すことでアイテムドロップ率が向上する。当然、逆もまたしかり』


 触れた相手……ああああぁっ!!

 俺は改めて全員のステータスを表示してみた。



- Member status -



-----


NAME:Ange

TYPE:Angel

HP:527 SP:238

STR:1 AGI:1 VIT:30 INT:40 DEX:1 LUK:1 ←!

GOLD:0

ITEM

 恋愛成就のショートボウ

 天使のローブ

 天使のリング


-----


NAME:Lilia

TYPE:Half elf

HP:5122 SP:386

STR:67 AGI:15 VIT:70 INT:30 DEX:30 LUK:1 ←!

GOLD:4,140,900

ITEM

 貴族の帽子

 貴族の服

 貴族の靴


-----


NAME:aerio

TYPE:Dalk elf

HP:2120 SP:159

STR:500 AGI:200 VIT:1 INT:1 DEX:50 LUK:1 ←!

GOLD:0

ITEM

 デモンズブレード

 破光の鎧

 隼の靴


-----


NAME:crow

TYPE:Monster cat

HP:2961 SP:2043

STR:1 AGI:50 VIT:15 INT:200 DEX:50 LUK:1 ←!

GOLD:0

ITEM

 なし


-----


NAME:Marisa

TYPE:Reaper

HP:3800 SP:4502

STR:90 AGI:30 VIT:30 INT:500 DEX:30 LUK:1 ←!

GOLD:0

ITEM

 死神の鎌

 黒装束

 革の靴


-----


NAME:Len

TYPE:Human

HP:2132 SP:341

STR:150 AGI:400 VIT:1 INT:1 DEX:99 LUK:1 ←!

GOLD:0

ITEM

 日本刀

 旅人の服

 革の靴


-----



「全員LUK1かーーーーーいっ!!」


『これはひどい……』


 もはや呪われていると言っても過言では無い散々なパーティメンバー達の運気ではあるが、これで方向性は決まった!


「行ける! これなら行けるぞっ……!」


『明日こそはリベンジだーーーっ!!』



◇◇



 ざわ・・・ ざわ・・・


 連日のポーカー台のイベントに、噂を聞きつけた人たちが集まっていた。

 カジノ的には商売上がったりだろうし、大変申し訳ない。


「今日は一発で決めるぞっ!!!」


『『『おーっ!!!』』』


「行くぞ! フォーメーション!!」


 俺の合図に合わせて、俺の両肩にはエアリオとメリーザが抱きつき、頭の上にクローを乗せ、アンジュをおんぶしながらリーリアが前から抱きつく……という謎な状況に、周囲は騒然。


 ……騒然と言うか、野郎共の「なんでテメェだけ……」という呪詛のような視線に、ゴリゴリとLUKが減っていく(気がする!)。


「よし、詠唱始めっ!」


『『『ぶつぶつぶつぶつぶつ……』』』


 謎のハーレムから全力で放たれる呪いにより、辺りの空気は一変。

 あまりの呪いの強さに、周囲のギャラリーたちも後退あとずさりしながらその場から逃げ出して行く。


『今ですわああぁぁっ!!!』


 メリーザの掛け声と同時にディーラーがカードを配り、オープン!!!



 手札はっ……!?








[ノーペア]








 一瞬、カジノ全体が辺りが静まりかえった。

 そして……



 ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!



 カジノが大歓声に包まれると同時にシステムコンソールが表示され『フラグNo.12回収に成功しました』とアナウンスが流れた。

 周りの人たちにはその意味が理解出来なかっただろうけど、泣いて喜ぶ俺たちを見て呪いが解けたと判断したようだ。

 オーナーやディーラーのおっちゃんも喜んでくれていて、胸が熱くなる。


「おめでとうっ!」


「ありがとう、ありがとうっ!!」


 冷静に考えるとおかしい気もするけど、めでたしめでたしっ!!!



◇◇



「いやはや、まさかLUK999がこんなに凄まじい影響力とはなぁ」


『ブタに大歓声だなんて、何とも不可思議な光景だったね~』


 俺とアンジュが笑いながら皆に話しかけても、なんだか浮かない顔をしている。


「一体どうしたんだ???」


 俺の問いかけに対し、半泣きになりながら皆が俺にさばりついてきた。


『私たちの運の悪さが……』


『全力で放った呪いより……』


『強いにゃんて……』


「そんなひどい話……」


「うぅぅ……うわーんっ!」


 今回の一件で全員「生まれながらの不運」という事実を目の当たりにして、ショックを受けてしまったらしい……。


「まあ、くじ運が悪いくらいしか影響が無いんだから良いじゃないか。ギャンブルに溺れる心配も無いし、真面目に生きれば良いのさ」


 苦笑しながら皆を諭していると……


『魔王様と常にくっついて居れば幸運になれる……よね?』


 エアリオがとんでもないことを呟いた。


「た、タケルさんにくっつけば幸せに……」


 リーリアまでも触発されてにじりよってきた!!


「よ、寄るなァっ!!」


 ゾンビのように群れながら追いかけてくる仲間達を見て、俺は脱兎の如く逃げ出した!




Flag No.12 カジノのポーカーでブタを引け CLEAR



Next Flag ..

No.13 クラスタ中央美術館の「女神の涙」を救え!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ