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快楽殺人鬼は異世界で嗤う  作者: ロクデナシ
1/5

物語の始まりと命の終わり

ーーー暗い、暗い闇の中に俺はいた。


自分が自分で無くなる感覚はとても心地よい。全身を生温かいものが包んでいる。ああ、このままずっと、ずっとこのままで……



☆☆☆




「なあなあ俊哉ー。聞いたか?また《道化》が出たんだってよ!」


俺にむさ苦しい顔を向けて話しかけてくるのは幼馴染の谷口 興毅だ。話の内容は《道化》。


《道化》は最近ここら辺で出てきた快楽殺人者のことだ。殺し方は様々だが、共通の証拠として現場に被害者の血で大きく《道化》と書かれていることから《道化》と呼ばれている。


「あっ!それ私も聞いたよー!確か今回の被害者は女性の看護師だったんだってねー」


興毅の話に乗ってきたのはまたしても俺の幼馴染の小池 凛音だ。小さなツインテールの活発な女生徒。


「俊哉は聞いてないのか?」


「ああ、知らなかったな。俺はそういうのに興味がないし」


「俊哉ってホントに変わってるよねー」


「ホントになー」


興毅と凛音が笑いながら言う。俺の名前は古江津 俊哉。興毅と凛音の幼馴染で17歳の高校生だ。俺にはあんまり注目するところはなく普通の黒目黒髪で顔も平均、人気もない。


興毅はむさ苦しいがそれなりに顔も良く、、サッカー部のキャプテンを務めていて焦げ茶の髪と笑った顔がとても似合っていると女子からは人気者だ。男子からの人気も当然あるがどちらかというと信頼の方が多い。


凛音はその行動的な性格と、裏表のない明るさから男子にかなりの人気がある。胸は慎ましく、そこを本人は気にしているらしいが、その恥ずかしそうな顔を見た男子は更にヒートアップする。なんでもギャップ萌えらしいがよく分からん。


当然そんな人気者の二人のそばに俺はよくいるので最初は目の敵にされたりしたが俺が何も特にしないのを見て他の人は俺に無関心だ。


いつもどおりの生活。いつもどおりの昼休み。二人といつもどおりの会話を続けていると不意に教室の床が強烈な光を放って、俺は意識を失った。




☆☆☆





「…はっ⁉︎」


意識を取り戻し目を開けるとそこは真っ白い空間だった。クラスにいたクラスメイトも全員いるように思える。クラスメイトが全員目を覚ましたところで空間の真ん中に光が射した。


光がやむとそこには白い羽衣をまとった金髪の綺麗な女性が立っていた。


「皆さん、誠に申し訳ございません。私の管理する世界の人々が皆様を召喚してしまいました。神である私が止めることが出来ずに重ねますが誠に申し訳ございません。このまま皆様を召喚してしまうと役に立たないと殺されてしまう可能性がある為に力を授けるためにここにきました」


金髪の女性は一息でそこまで言い切った。その女性から発せられる悲哀が混じった雰囲気に文句を言う奴は誰もいなかった。女性は続ける。


「皆様に力を3つずつ授けたいと思います。頭の中で念じていただけるとスキルが現れるのでそこから選んでください。また、ステータスと念じると自身のステータスが見ることが出来ます。スキルを選ぶと見えるので確認してください」


特に反論する奴もいず、みんなが流されるようにスキルを選んでいく。よく見ると金髪の女性からとても細い金色の糸のようなものがクラスメイト全員に付けられていた。俺にも付けられていたが他のクラスメイトのようにぼーっとしたり影響はあまり受けていないようだ。


このままだと怪しまれるかもしれないと思い、スキルとやらを頭の中で検索する。俺が見ていくと俺の隠している趣味に合うスキルがあったのでそれを選んだ。


俺が選び終わり、他のクラスメイトも全員選び終わると女性は話を続けた。


「これから皆様が召喚される世界は中世ファンタジーの世界です。魔物がいて危険ですがそういった生物を殺すとレベルが上がって強くなります。皆様気をつけて行ってください。準備はいいですか?このゲートから順番に進んでください」


そう言って女性が手を振るとキラキラとした金色の門が現れて開いた。俺以外のクラスメイトはぼーっとしたまま疑問も抱かずにその門をくぐっていく。明らかに異常な光景だ。俺は最後まで残って女性の自称神のところへ行く。


「神様」


俺が話しかけるとかなり驚いたようだが直ぐにその動揺を消して警戒しながらも返答してくれた。


「なにかしら?」


「俺たちにこんなに素晴らしい力をくださってありがとうございます」


俺がそう言って深く腰を折って礼をすると自称神の女性はボソッと


「ああ、洗脳が効かなかったんじゃなくてかかりすぎたのね……」


と言った。ビンゴ。やっぱり他のクラスメイトにも干渉してたようだ。自称神の女性は警戒を解いて俺に向き直るとこう言った。


「いいえ、新しい世界で頑張ってください」


と言い微笑んだ。だから俺は表情を崩さずに一言。


「ええ、だから死んでください」


選んだスキルを発動する。俺が選んだ3つのスキルは全て俺の隠している趣味に合うスキルだ。そのうちに発動したのは


《先制の会撃》

自分から攻撃した場合、その一撃は必ずクリティカルヒットする。ただし、戦闘中には一度しか効果はない。


《死神の鎌》

クリティカルヒットを与えた場合、その対象のどんな効果も無視して即死させる。ただし戦闘中には一度しか効果はない。


この二つだ。完全に油断しきっていた神様(笑)は俺の喉を狙った攻撃を受ける。スキルの効果でクリティカルヒットし、そして即死。神様は倒れて光の粒子になって消えた。


声すら出せず消えた神様がいたところには金色の珠が落ちていた。俺はその珠をスクールバックにしまって俺は門をくぐった。


誰もいなくなった空間は闇に飲み込まれて消滅した。




☆☆☆




門をくぐると他のクラスメイトは正気を取り戻していた。みんなは夢を見たと思っているらしい。


聞きなれない声が聞こえたので視線を向けると興毅が知らない爺さんと話をしていた。


盗み聞きすると俺たちは勇者として召喚されたらしい。興毅は爺さんが涙ながらに話す人間の現状と魔族とやらの酷さを聞いて憤慨していた。そのまま聞いていると勇者として戦うことを承認していた。馬鹿だな、あいつ。ちなみに凛音も一緒に賛同していた。


ここは異世界だと確認してから俺はスクールバックの中から必要なものを取り出し最後に残ったスキルを使う。


次の瞬間、爺さんとその護衛と思われる兵士の首が跳んだ。


「き、きゃぁぁぁぁぁぁあ‼︎」


「うわぁぁぁぁぁあ‼︎」


叫ぶクラスメイト。その視線が向くのは爺さんと兵士の死体。ではなく


「俊哉…なんでこんなことを……」


「し、俊哉?一体何を……」


そこに立つ返り血を浴びている俺。興毅と凛音が青ざめながらも俺に質問をしてきた。俺はそちらに向き直ってニコニコしながら上機嫌に答えてやる。


「俺はさ、趣味を内緒だって言ったよな?」


「あ、ああ。そうだな」


興毅がなんとか声を出す。クラスメイトはガタガタと震えてへたり込んでいるやつが大半だ。凛音も震えていたがギリギリ立っている。


「これが、これの趣味。この肉を切る感触、温かい血の匂い、全部が素晴らしい。ここは日本でも地球でもなく異世界なんだ、楽しまなきゃな?」


ケラケラと俺は笑っていう。興毅は叫ぶ。


「俺はどうしてこんなことをやったかを聞いてるんだ!」


「そ、そうだよ!こんなのおかしいよ!俊哉どうしちゃったの⁉︎」


興毅と凛音が叫ぶが俺は気にせずに上機嫌に続ける。俺は手に血をつけると地面に文字を書いた。それは新聞の写真にも載っていたとあるトレードマーク。そこには


《道化》


そう書かれていた。


「俺の名字は古江津。ローマ字でkoedu、これを組み替えてdouke、つまり道化だ。そう、俺が巷で噂の快楽殺人鬼シリアルキラー、《道化》だ!」


そう俺が言い放つと興毅と凛音はかくんっとへたり込んだ。顔は真っ青で今にも倒れそうだ。クラスメイトも怯えきっている。俺はそんな奴らに言ってやった。


「どうだ?今まで友達だと思ってたやつが、クラスメイトだと思ってたやつが殺人鬼だったと知った気分は。まあ、感想はいいや。全員、俺の為に死んでくれ」


俺は手に持ったナイフをゆっくりと横に振る。それを振りきった時、そこにいた俺以外の全員の首が跳んだ。


血の噴水、それを浴びながら俺は高笑いをする。せっかくの異世界なんだ、楽しまなきゃな損だろうよ!






名前 古江津コエヅ 俊哉シュンヤ

性別 男

年齢 17歳

Lv9999(MAX)


STR (countstop)

VIT (countstop)

MAT(countstop)

MDF(countstop)

DEX(countstop)


スキル

先制の会撃

死神の鎌

影渡り

短剣術Lv8

体術Lv7

隠密Lv8

索敵Lv6

探査Lv8


特殊スキル


称号

快楽殺人鬼シリアルキラー》《道化》《殺す者》《神殺し》《友を殺した者》


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