公民館…
少しグロテスクな文章が入っています。
苦手な方は、読まないでください。
次話の前書きに今回のあらすじを書きます。
読者の皆様には、御容赦頂けるようお願い致します。
老人の家を出た後、俺達は公民館へ向かった。
歩きながら、以前から決めていた事を二人に話す。
「なぁ、二人とも、少しだけ聞いて欲しいんだ」
俺の改まった言いように、足を止めた二人がこちらへ向き直った。
「俺さ、公民館の中には、一人で行くから、二人には外で待ってて貰いたいんだ」
真剣な表情の俺に対して、二人は返事に困っていた。
「おじいさんも言ってたろ、彼処はそのままにしてあるって。
てことは、以前よりも酷い事になってると思うんだ。
だから、二人には外にいて欲しい。
そんなもん、二人には見てほしくないんだ」
俺はできる限りの笑顔でそう言った。
それは、老人の家でのものとは違って、二人に対す自然な笑顔だ。
「なッ、頼むよ」
俺の願いに二人は俯き黙ったままだった。
二人にとっては、もう見ない方がいい光景だよな…
まぁ、そうだろうね…
以前、二人が公民館の話をした時、倒れるのではないかと思うほど、顔が真っ青になっていた。
これであってるよな…
さぁね…
蒼の言葉は素っ気ないが、顔には優しさがでている。
沈黙が続いていた。
その沈黙を打ち破るように、奏が口を開き呟く。
「……ずるいよ」
奏は涙を堪えながら俺を真っ直ぐに見つめてきた。
茜が驚き、顔をあげる。
「奏…?」
奏は俺を見つめたままで、俺の目の前に来た。
「優斗君はずるい!
いつも、私達のこと気遣ってくれて…。
でも、自分だって嫌なはずなのに、つらいはずなのに、私達にはそんなの見せてもくれない。
私…、私も何か役に立ちたい!
そのためには一緒についてきたんだもん!」
俺は奏の勢いに負けて、後ずさりそうになった。
だが、それでもここは引き下がれない。
「俺は奏が一緒にいてくれるだけで嬉しいよ。
奏だけじゃない、茜も、もちろん蒼もな」
私はおまけかな…?
蒼の言葉に、そうじゃないのはわかってるだろと、思考だけで返し、俺は説得を続ける。
「それに、二人にはたくさん助けられてる。
食事とか、正直俺一人じゃ手も足もでなかったと思うし。
な、今回は我慢してくれよ。
中で見付けた情報は、必ず二人にも話すからさ。
なッ、この通りだ」
俺はそう言って頭を下げる。
そんな俺を見て、奏は退いてくれた。
「ずるいよ…。
そんなの…」
「奏、ここは優斗に任せようよ。
ねっ。
蒼ちゃんもいるんだし、きっと何かわかるよ。
だからさ、奏…」
いじけてしまった奏を茜が慰めてくれた。
俺達は公民館へと、再び歩き始めた。
二人とは、いまだに距離を保ったままだった。
公民館に近づくと、鴉が群がっているのが見えた。
やっぱりそのまま…、なんだな…
みたいだね…
俺は二人をその場に残し、さらに公民館に近づく。
俺が入り口へたどり着くと、群がっていた鴉が一斉に散っていく。
「もう腐臭が漂ってるな…」
だね゛…
俺と蒼は鼻をつまみながら入り口へ進んでいく。
館の上に留まった鴉が、俺を見つめていた。
まるで、餌が増えるのをじっと待っているかのように…。
公民館は入り口部分と集会場に別れているようで、入り口部分から集会場への扉は閉まっている。
俺達は入り口に一歩踏み入れただけで挫けそうになっていた
。
「こでは…、酷いな…」
う゛ん゛、ぞーだで…
入り口部分には、まだ1つの 遺体もなかった。
それでも、もう尋常じゃないほどの腐臭が流れている。
鼻が本当に痛い。
「蒼、こっからさき、何があるかわからないよな…?」
ぞうだで…
パンッ、パンッと両手で顔を叩くことで、俺は気合いを入れ直し、扉に触れる。
「行くぞ、蒼…」
う゛ん゛…
ギィィィ…
扉は重々しく音を鳴らし、向こうの世界を開く…
「……ッ!!…うッ」
その光景は、これまで見たものとは比べ物にならないほどの地獄だった。
「う、うお゛ぇ゛ぇぇ…、はぁ、はぁ、はぁ…」
大丈夫、優斗…?
あまりの惨状に、俺は嘔吐してしまった。
「…なんだよ、これ…、なんなんだよ…」
そこにあったのは、数十体の腐りきった遺体だった。
内臓や汚物などを穴という穴から垂れ流している。
蝿、蛆、鼠、ゴキブリなどが至るところで蠢いているのがわかる。
もはや、何かを探すなどという考えは吹っ飛んでいた。
早くこの場を離れたい、その本能だけで体を起こした。
次の瞬間…
[坂倉 優斗か…]
俺は、慌てて振り替える。
そこには漆黒の布を頭から被り、顔を隠した人物がいた。
そいつの声はどこかで聞き覚えがあるものだった。
「お前は誰だ…?」
こんな場所に現れるのはろくなやつじゃない。
そう思い、俺は誰何の声をあげる。
[病院でプレゼントまでしたのに、もう忘れてしまったのかい…?]
「……ッ!!」
そいつは病院の襲撃時に、泥に干渉し、紅い何かを与えて、泥を強化したやつだと、今さら気付く。
そして、その声は紅い泥の声、そのものだ。
さっきと変わらない声音にも関わらず、人を嘲笑っているのがわかった。
「ここに何しにきたんだ…?」
俺は速まる鼓動を押さえつけ、最大限に冷静を装いつつ、漆黒の人物に問いを投げつける。
[材料を取りに来たのさ…]
「……材料?」
俺は言葉を口にしながら、すでにその答えに気がついた。
「まさか…」
俺は振り返り、もう一度地獄の中へ視線を落とす。
その中の何体かに目、耳、口だけが綺麗に無くなっているものがあった。
[せっかく彼が用意してくれた材料を、無駄にしてはいけないからね]
俺はその言葉を聞いて、“彼”が誰なのか思い至ってしまった。
「そんな…、そんなわけないッ!
あいつがこんな事するはずないッ!!」
[もう、自分でもわかっているだろう…?
これをやったのは…]
聞きたくなかった次の言葉だけは、ぶれることもなく、真っ直ぐに響いた。
[久賀 一弥]
「蒼華ッ!!」
ドゴォォォォォォンッッッ!!!
凄まじい音を鳴らし、華が出現する。
だが…、
優斗、これじゃダメっ…!!
蒼が慌てるほどに光が淡い。
華を出せたことすら奇跡的なほどに。
[君にはがっかりだよ、優斗…。
これなら一弥の方が見込みがある…]
「クッ!勝手なことばっか言ってんじゃねぇッ!!
俺も一弥もお前の道具じゃないッ!!」
ダメっ、ダメだよっ、優斗っ…!!
俺は光を花弁の1枚に強制的に流し込む。
剣をとった俺は黒いやつに突っ込む。
「うおぉぉぉァァァッッッ!!!」
俺は振り返り、黒いやつを切り落とす…、
はずだった。
「……なッ!これはッ!?」
黒いやつの回りには、紅い壁が張られていて、俺の剣は届かない。
[些か、遊びすぎたようだね…
彼も怒っているようだ…
すまないが、私はこれで失礼するよ…]
「待てよッ!!」
次の瞬間、紅い光がその場を覆い、あまりの眩しさに目を瞑った。
「くそッ!」
いつの間にか、蒼の華も消えていた。
最悪の気分のまま、
入らない力を無理矢理全身に入れ、
俺はそこから逃げるように抜け出した…。
えぇ、道楽者です。
とりあえず、グロが苦手ですw
自分で書いてて嫌になりかけました。
まぁ、そんなたくさんは書かない…できるだけ…できれば…(;_;)
誤字・脱字報告よろしくお願いいたします。
では、また(@^^)/~~~




