始まる地獄… (1)
……ゴゴゴゴゴ!!
「うわっ、地震かよ!」
そう口走っていた俺は、頭から布団を被り縮こまる。
烏がぎゃぁぎゃぁ泣き叫ぶんでいたが、 やがて揺れはおさまり、静けさが戻る。
「今の結構でかかったな」
そう呟いた俺が、何気無く窓の方を向くとそこには…
「な、なんだよ、あれ!?」
遠くの方で火の手が上がっているのが見える。
それもかなり大きい。
確か彼処には博物館があったはずだ。
「すげぇことになってんな…」
感心して眺めているところに、携帯が鳴り響いた。
ディスプレイに表示された名前を確認し、即座に電話に出る。
「もしもし、一弥?」
『ザ、ザザザァーーーガガァピィー』
電波が悪いためか、ノイズばかりが聞こえて来た。
「一弥?なんかあったんか?」
『ザザァーーー、………』
ふいに、静まりかえる。
『………た』
「……一弥?」
………ミツケタ
「………っ!」
この世のものとは思えないような透き通る声に恐怖し、咄嗟に携帯を投げ捨ててしまう。
「か、一弥の声じゃなかったよな、今の…」
内心ドキドキしながらも、携帯を拾おうと手を伸ばしたとき、背後にある窓からべちゃっと何かがへばり付いた。
「……泥?」
なぜこんなところにこんなものが飛んで来たのか考え、誰かが悪戯で外から投げつけて来たのではないかと思った俺は、外を見ようと窓に近づこうとした瞬間、それを見て固まってしまった。
ギロッと、泥の中から人の目玉が1つ現れ、俺を睨み付けてきたのである。
「う、うわっ!!」
あまりの気持ち悪さに、声をあげて飛び退くと、今度は耳が窓に押し当てられる形で現れた。
そして、泥は俺を見てニタァとした目付きを向けて、窓の隙間から侵入してきた。
恐怖に刈られて後ろに後ずさった俺を、布団の上で1m位まで伸びた泥は、上部にある目玉でニタニタとしながら迫ってくる。
逃げようと後ろへ駆け出そうとした瞬間、パソコンのコードに足を引っかけ尻餅をつく。
ーーービュッツ!べチャッ!!
先ほどまで俺の頭があったところを通過して、泥は扉の横の壁に激突した。
もし、尻餅をつかなかったらと思うとぞっとした。
近づくことは躊躇われたが 、扉はそこしかないため、思いきって横を通り抜けた。
好都合なことに、目玉が外に出ていないためか、泥は俺のことを認知できずに動かないままであった。
そのまま廊下へ抜け、玄関へ向かおうとした俺は愕然とする。
玄関の方には泥が3体ほどいた。
「なんなんだよこいつらッ!!」
そう毒づいた俺は、玄関とは反対の書斎の方へと走った。
やはり、さっきの奴と同じように一つ目をこちらへ向けながら、泥たちはニタニタと近づいてくる。
「くっそ、早く開けよ!!」
焦りながら鍵を回しているためか、中々開かないドアにイライラする。
その間にも泥たちは確実に近づいている。
ーーーガチャッ!
やっとのことで開いたドアに、即座に入りこみドアを閉めると、ドアにへばりつくようにべチャッという音が聞こえて来た。
危なかった…
だが、泥は窓の隙間から入ってきたのだ。
すぐここにも入って来るだろうと考え、すぐさま窓へ走り出す。
外にはいないようだ…
開けた窓から外を確認した俺は、よじ上り外へ出る。
俺は博物館とは、反対の方角へ走り出した。
そういえば、初めて書斎入ったなぁなどと、当面の危機を脱した俺は、緊張が溶けたためか、どうでもいいことを考えていた。
「ホント親父の趣味はわかんねぇや」
逃げることに必死だったので、ぼんやりとしか出てこない書斎の置物を思いだし、苦笑する。
埴輪やら銅鐸やら、他にも色々な
古代遺産?のようなものが飾ってあった。
いやいや、今はそんな場合じゃないと、走りながら現状を整理しようとする。
が、
「………そんなもん無理だろ!!」
心のそこからそう叫んでいた。
突然地震があったと思ったら、博物館の方が燃えてて、あげくに目玉やら耳やらが付いた泥に教われるってどういう状況だよッツ!
声にならない声で毒づいた。
「そういえば、一弥から電話あったけどあいつは大丈夫なのか?
携帯だけでも持ってくりゃよかったなぁ、クソッ!」
そんなことをぼやきながら、走り続けていた俺は、いつの間にか、学校へたどり着いていた。
どうも道楽者です♪
読んで下さった方々には、本当に感謝です。
定期的に更新しようと思いますが、
なんて勇ましいことを書いたのですが、
どうにも不定期になってしまいそうです^^;
本当に申し訳ありません<(_ _;)>
とりあえず、続けていきますんで、生暖かい目で見守ってやって下さいw
誤字・脱字等ありましたら、御報告いただければ恐縮です。
では、これからもよろしくお願いいたします。




