表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/29

眠り…

目を開けると、そこは病院の天井が見えた。

体を起こそうとすると、体の至るところが悲鳴あげる。


「……ッ!」


その痛みに、起きるのは無理だなと諦める。

仕方なく頭だけを動かすと、自分のいるベッドに突っ伏して眠っている、同い年の女の子がいた。


「……向井……さん」


その子はとても可愛いらしい寝息をたてて、無邪気な寝顔を見せている。

俺はその寝顔を見て、自分が涙をこぼしていることに気づく。


生きていたんだ…


あまりの感激に、込み上げる衝動を抑えきれず、腕の痛みに我慢しながら、彼女の頭をそっと撫でる。

彼女は一瞬だけくすぐったそうに顔をしかめたが、すぐに気持ち良さそうな顔になる。


本当に生きてる…


彼女が生きていたなら、一弥もきっと…


俺は彼女を撫でることに夢中で、自分の行動をじっと見ている人影に気がつかなかった。


(起きたんだね)


その人影は眠っている女の子を起こさないように、小声で話しかけてきた。

その不意討ちに、びくっと体が震えた。

恐る恐る今まで撫でていた子の方へ目を向けると…


ばっちり、目があってしまった。


最初はぼんやりとこちらを見ていたが、現状を理解した途端、彼女の顔はみるみる赤く染まっていく。

俺は慌てて両腕を上にあげ、激痛に襲われる。


「………つッ!」


漏れる呻きに、向井さんが心配そうに見てくる。


「私は看護婦さん呼んで来るから、奏は坂倉君といて」

「……っ!え、茜ちゃん、まっ…」


向井さんの呼びかけを最後まで聞かぬまま、小林さんは病室を後にした。


そう言えば、ここ個室だな…


どうでもいいことを考えることで、今の状況から目を反らそうとして、余計どつぼに嵌まる。


個室で、二人っきり…


自分でも何考えてんだと思いつつも、膨らむ妄想は止まることを知らない。

そんな葛藤に陥っている中、向井さんが声をかけてきた。


「あの…坂倉君…」

「……っ!はいっ!」


突然話しかけられたことで、声が上ずってしまう。


「……ふっ、ふふふふふ」

「……へっ?」


突然笑われて、思わず間抜けな声が出た。


「ごめんなさい、坂倉君、面白くて」


そう言って、向井さんは笑い続けていた。

色々聞きたいこともあったが、そんなことは忘れて、二人で思いっきり笑っていた。

病室に俺達二人の笑い声が木霊する。

俺は笑い過ぎて、身体中に激痛が走った。


「……ッ!アタタッ」


そんな俺を見て、向井さんが大丈夫と、心配そうに声をかけてくれた。

俺は無理矢理笑顔を作って、大丈夫と返すと、病室のドアが開いた。


「は~い、お二人さ~ん。

雰囲気作ってるところ申し訳ありませんが、診察しますね~」


入ってきた看護婦さんの言葉に、二人同時に反応する。

俺達は慌てて顔を離し、何でもないように装う。

弱冠向井さんの顔が赤くなっていたのは、気づかなかった事にする。

そんな俺達を見て、小林さんが顔をしかめていたことに、俺は本当に気がつかなかった。

そんな俺達を横目に、看護婦さんは向井さんと位置を入れ替える。


(あらあら、坂倉さんはモテモテですね)

(……ッ!)


看護婦さんが俺にだけ聞こえるように言う。

俺は驚き過ぎて、またもやびくっと体を震わせたため、激痛が走り、学習しろ、俺と凄まじい後悔をする。


「あらあら、意地悪しすぎちゃったわね」


舌を出して、おどける看護婦さんはとてもずるかった。

そんな俺達を見て、女子二人が白けた目を向けていることに、俺は全力で気づかないふりを徹底した。



そんな寸劇の後、看護婦さんが湿布やガーゼの張り替えをしてくれた。

特に重い怪我はなく、擦り傷と極度の筋肉痛、後は過労が診られると、看護婦さんが説明してくれた。


その後、看護婦さんから坂倉君と、笑顔を向けられて、はい?と返すと…


ばちんッ!


頬に平手打ちを一発もらい、


「あなたは自分の命をなんだと思ってるの!!」


と、小一時間ほど盛大にお叱りを受けた。

最後の方、俺は泣きそうになっていたが、


「本当にあなたが無事でよかったわ」


という一言と看護婦さんに抱きしめられた温もりで、今度は別の方向の涙を我慢しなければならなかった。


気がつくと、女子二人の姿は、いつの間にか見えなくなっていた。

俺が治療を受けている間に、彼女達は他の看護婦さんに連れられ、別の病室で睡眠をとるように言いつけられていると、看護婦さんが教えてくれた。

これ以上無茶をして倒れる人が増えられると困るからと、笑顔で言われた。

いやはや、ホントすみません。


聞きたいこと一杯あったんだけどな…


看護婦さんが病室を出た後、俺は一人暗い病室で物思いに耽っていた。


無事だった女子二人。


彼女達が無事だったのは、本当によかったが、何故一弥と先生が一緒じゃないのかという疑問が残る。


まぁ、明日聞けばいいか…


俺達はまだ、生きているんだから…


俺は久しぶりに、穏やかな気分で眠りにつくことができた。

ふー、休日は筆が進みます♪

(別に筆持ってないけどw)


とりあえず、切りのいいとこで一話あげときます。


誤字・脱字ありましたら、ご報告下さい。

では(・ω・)ノシ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ