表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/1

無人がくれた思い 1~2

 1前置き


 ブィー コロ、コロ、コロコロ


 部屋いっぱいに響く、電子音。

 スマホの目覚ましが鳴る。

 コロロ、コロロロ…(だんだん大きく)

 僕は、いつも通り布団の中から頭上に手を伸ばして、携帯電話を手に取る。

 止めるボタンへ指を伸ばす。間違えてでもスヌーズを押さないように…

 コロ…

 アラームが止まった。

 「6:00か…」

 布団の中でもぞもぞしながら、そっとスマホを横の床に置く。言い忘れていたが、寝ていたのは布団であるため、床が真横なのだ。

 今日も昨日、おとといと同じく、寒い。

 布団から窓越しに見れる空は、薄暗く輝いていた。

 (寒そう…)

 僕はそんなことを思いながら、もぞもぞと布団から這い上がり、自分の部屋を出た。


 今日は、平日だ。

 今日も、学校に行かなくてはならない。

 寒い中でも、学校は休みにはならない。

 5回登校、からの2回休み。そんな繰り返し記号に従って、今日も過ごしている。

 こんな単純な日々の繰り返しが、若いころや なんやらの思い出にはなるはずがない。

 そんなこともまた思いながら、朝の”やることリスト”をさっさとかたずけ、さっさと家を出ていった。

 その後は、学校で給食を食べるところまできた。

 時が起きたのは、5時間目の時のことだった。


 2とき


 理科だった。

 オーム、ワット、ボルト、アンペア…

 かかかかか…と弾切れを知らない"マシンガンチョーク"のおかげで、僕のノートは1,2分過去を辿っている。

 (こんなに早く手を動かしてるのに、なんで黒板に追いつけないんだ?)

 などと考えながらも手は決して休めてはいけない。

 なぜなら、授業が終わってからも理科室に残って黒板を写していると、先生と二人っきりになって気まずくなるからだ。

 (それだけは避けたい…)

 と思いながら、次の文字を写すために黒板へ目を向けた時だった。

 「パキッ」

 チョークが割れた音がした。

 (あ、先生チョーク落としたな…)

 「……」


 だが、僕は少し違和感を覚えた。

 いつまでたっても、黒板前の横長テーブルからチョークを拾い上げる先生の頭上が見えないのだ。

 僕はあまり喋らないタイプの人間なので、他の人がそれを気にかけるのを待っていた。

 …でも、他の人も先生も、皆死んでしまったかのように静かになっていた。

 まるでこの理科室にいるのは僕一人だけみたいに…

 (…!)

 (…まさか毒ガスかなんかがまかれてみんな死んだ!?)(いや、それだったら僕ももう死んでるな…)

 そんなことを考えていると冗談でもだんだん怖くなってくる。

 「…シーン…」

 周りからは物音ひとつすら立たない。

 (えっ…?)

 

 僕は、ゆっくりとと隣の席を覗いた。

 …!

 いない。

 そして全体を見渡す。

 …誰もいない。

 そしていつの間にか銀色の窓のサッシの向こうからは、柔らかいクリーム色の夕日が射していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ