表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

第1話 ショベルと狂科学者

薄暗い廃工場。鉄の匂いが立ち込めるその中心で、両陣営は対峙していた。


Dr.J(ドクター・ジェイ)の巨大な肉体が放つ熱気を背に受けながら、助手のMr.MS(ミスター・エムエス)は対面に立つ男を鋭い眼光で見据える。

その男、ショベル・ザ・スコップから漂う空気は、かつて知るものとは明らかに異なっていた。

底知れぬ狂気と、爆発寸前の圧迫感。


Mr.MSは低く呟いた。

「ショベさん・・・ですか」


その肌を刺すような異変を瞬時に察知したMr.MSは、即座に背後の巨漢へ声をかける。

「Jさん、ここは一旦様子を見ましょう」


だが、肉体改造の代償として知性を失った暴走重戦車に、静止の言葉など届くはずもなかった。肥大化した筋肉を軋ませ、Dr.Jは獣のような咆哮をあげる。

「ツッコンデ、ブッコロス!」


制止の声を完全に無視し、地面を爆砕しながら文字通り猪突猛進するDr.J。その背中を見送りながら、Mr.MSは深い溜息をついた。

「やれやれ、やはりこうなりますか。それではいつものプランでいきますよ。」


いつものことのように冷静に対応するMr.MS。懐からカードのようなものを放ち、Dr.Jの突撃ルートを切り開くための援護攻撃を開始した。


真正面から迫るDr.Jに、ショベル・ザ・スコップの額に青筋が浮かぶ。

その瞳にドス黒い怒りの炎が灯った。


「もしかして僕のことナメてる?」


静かに怒りを露わにするショベル。

全身から、凄まじいプレッシャーが噴き出す。

彼は襲い来るDr.Jを迎え撃つべく、両腕を大きく後ろへと引いた。

全筋肉が異常なまでに膨張し、限界まで力が溜められる。

そして、突撃してくるDr.Jに対してショベルは、その怒りを爆発させるように叫んだ。


「ダブルチーズバーガーッ!!」


前方へと凄まじい勢いで突き出された両拳が、大気を割ってDr.Jの巨大な肉体を真正面から捉えた。

あまりの質量差を覆す圧倒的な破壊力。

肉体改造で得たはずのDr.Jの巨体が、信じられないほどの勢いで後方へとあっけなく吹き飛ばされる。


「グッ、ガッ・・・」

地面に倒れ苦しみの声を漏らすDr.J。

すぐに立ち上がって再突撃しようとするが、何かが身体に貼りついてるかのようにびくともしない。


「罠・・・ですか」

Mr.MSは見えないネット状のものがいつの間にか周囲に張り巡らされていることに気付いた。焦燥に駆られたDr.Jは激しく身体を動かすがビクともしない。


その時、どこからか冷酷な嘲笑が響き渡る。

「こんな罠に引っ掛かって草」

その声の主を、Mr.MSは聞いたことがあった。

戦場において姿を見せぬ狡猾な罠師。その影を感じ取ったMr.MSは再び呟く。

「ぼのさん・・・ですか」


――BONOxⅡ(ボノ・エックス・ツー)

ショベルと共に行動するその男は、決して表舞台に姿を現さない。

戦場を冷徹に見下ろし、死角から無数の罠を張り巡らせる。

獲物が自らのトラップにかかり、絶望の中で身悶えする姿を暗闇から見下ろしては嘲笑する。

極めて陰湿で冷酷な戦術家であった。


いまやDr.Jは、そのBONOxⅡが仕掛けた罠の上で、さながら蜘蛛の巣に絡まった蝶のようにもがいている。

この絶好の好機にショベル・ザ・スコップは冷酷な笑みを浮かべ、身動きの取れないDr.Jに向けて、トドメの攻撃を繰り出すべく再び身構えた。

その口から、さらなる破壊の号令が放たれる。


「ガーリックチーズソースッ!!」


身動きの取れないDr.Jに、必殺の追撃が迫る――!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ