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片翼  作者: 鮎川 拓馬
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あの日受けた衝撃。

その心地のままに書いた私の物語は、大きな評価を得て――今や私は、あの頃は考えもしなかった物書きの道を歩んでいた。



あの日出会った本と、――私が生み出した物語の本の二冊を抱き、青く澄み渡った春の空を見上げる。




――拝啓 見知らぬ作者さま



あなたが創った世界は、私の人生を変えました。



あとがきで、自分には才能がない、これが自分の人生で書く、最後の物語であると言っていたけれど、あなたの物語は、私の人生を変えるだけの力がありました。

あなたの物語に出会わなければきっと、私は普通の平凡な人生を送り、こんな世界を知ることもなかったでしょう。


この世界のどこかにいる、顔も知らないあなたへ、私の物語を通してこの思いが伝わりますように。

そして、願わくば。あなたが再び筆をとり、あなたが紡ぐ新たな物語に出会えますように。




眩しい大空を見て、手を伸ばす。

ああ、



――世界はなんて、すばらしく、美しく、新たな出会いで、輝いているのだろうか


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