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片翼  作者: 鮎川 拓馬
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――世界はなんて、理不尽で、不平等で、残酷で、醜いのだろうか



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誰もめったにこない、大学の図書館の地下書庫。

私は、その日、そっと一冊の本を棚に置いた。


世界でたった一冊、夢の残滓(のこりかす)として、製本した本。


移動棚が閉じる無機質な警告音が、冷えた空間に響く。

そうして、私は、夢を置いて――閉じ込めた。


『さよなら』


最後に一言、そう言い残し、

そして、振り返らず、去った。

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